インターステラテクノロジズの超小型人工衛星用ロケットZERO、エンジン重要部品「ガスジェネレータ」の燃焼試験に成功
燃料に採用する「液化メタン」を初めて使い、実機モデルでの試験実施
「誰もが宇宙に手が届く未来をつくる」をビジョンに掲げ、観測ロケット「MOMO」(以下MOMO)と超小型人工衛星打上げロケット「ZERO」(以下ZERO)を独自開発・製造しているインターステラテクノロジズ株式会社(本社:北海道広尾郡⼤樹町、代表取締役社⻑:稲川貴⼤、以下インターステラテクノロジズ)は、北海道大樹町の北海道スペースポート内専用射場「Launch Complex-0」にて行っていた、ZERO用60kN級エンジンの重要部品の一つ「ガスジェネレータ」(ガス発生器)の実機モデルでの燃焼試験(以下本試験)に成功しましたので、お知らせいたします。
- 量産化と低コスト化の設計コンセプト
試験名称 :ガスジェネレータ燃焼試験
試験目的 :要求性能を満たしていることを確認すること
期 間 :2022年6月2日~8月2日(計16回)
場 所 :北海道スペースポート「Launch Complex-0」
燃焼時間 :最大20秒
試験結果 :規定のガス温度、圧力、流量および温度分布の均一化目標を達成した
- ZEROではターボポンプとガスジェネレータサイクルを新たに導入
インターステラテクノロジズがこれまで打ち上げてきたMOMOでは、推進剤をヘリウムガスで加圧してエンジンに送り込む「ガス押し式」を採用していました。一方、初号機打上げに向けて開発を本格化させているZEROでは、よりロケットの大型化・大出力化に適した「ターボポンプ」を初めて搭載。「ガスジェネレータ」で発生させたガスの力で、ターボポンプのタービンを1分間に数万回転と高速回転させる「ガスジェネレータサイクル」を新たに導入しています。ガスジェネレータは2016年から基礎研究を始め、その技術の一部はMOMOの姿勢制御にも活用されてきました。本試験の成功を受け、今後はエンジンの他の部品と組み合わせた複数の試験を経て、2023年度の「エンジン統合試験」へと進む予定です。
- 燃料にメタンを採用、カーボンニュートラルへの貢献も
ZEROの燃料には低価格で性能が高く、環境にも優しい液化メタンを選定しました。メタンを燃料としたロケットは世界でも注目され、国外では大型開発が相次いでいます。
メタンは二酸化炭素に次いで影響の大きい温室効果ガスであり、牛から出るメタンの排出量低減が課題となっています。インターステラテクノロジズは、エア・ウォーター株式会社と協力し、牧場から買い取ったメタンガスで製造した液化バイオメタンをロケットに使うことを計画しています。これにより地球温暖化対策に具体的に貢献するとともに、酪農が盛んな北海道に本社を置く企業としてエネルギーの地産地消に寄与します。
- (参考)宇宙は次の成長産業、人工衛星で世界が変わる
- 人工衛星を運ぶロケットが足りない
- 低価格で便利な、選ばれるロケットZERO
ZEROはインターステラテクノロジズがMOMOに続くロケットとして開発を本格化させている、超小型人工衛星を宇宙空間(地球周回軌道上)に運ぶための小型ロケット(長さ25m、直径1.7m、総重量33t)です。
衛星の小型化が進む中、大型衛星との相乗りとなる中~大型ロケットよりも、衛星が目的とする軌道に直接運べたり、打上げ時期やミッションへの自由度が高い小型ロケットの需要が高まっています。ZEROは例えるなら、小型の荷物を大型トラックに相乗りさせるか、小型チャーター便で目的地まで直接届けるかの”選択肢”を、宇宙輸送でも実現することを目指しています。
また、ZEROは、国内既存の人工衛星打上げロケットの価格が40~150億円であるのに対し、1機あたり6億円以下という圧倒的な低価格を目指しています。一般的には複雑で高額となるエンジンシステムを独自設計するなどコア技術を自社で開発しているほか、設計から製造、試験・評価、打上げ運用までを自社で一気通貫させた国内唯一の開発体制、アビオニクス(電子装置)への民生品活用などにより、国際競争力のあるロケットを開発しています。
また、東と南が海に開かれた世界有数の好立地、かつ本社から7.5kmの近距離に射場を有することも、世界的に見て大きなアドバンテージです。海外の民間ロケットで多く使われている液体燃料を採用しており、固体燃料ロケットと比較して振動が少なく人工衛星への負荷が少ないことも特徴です。
- インターステラテクノロジズ 会社概要
所在地 : 北海道広尾郡大樹町字芽武149番地7
代表者 : 代表取締役社長 稲川 貴大
事業内容 : ロケットの開発・製造・打上げサービス
http://www.istellartech.com/
- 宇宙を民間に開かれた産業とし、日本の次の成長エンジンとしたい
「みんなのロケットパートナーズ」 https://www.istellartech.com/minroke
企業版ふるさと納税 https://www.town.taiki.hokkaido.jp/soshiki/kikaku/uchu/kigyoufurusato.html
個人版ふるさと納税 https://www.town.taiki.hokkaido.jp/soshiki/kikaku/shoko/gcf.html
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像