~ラムネ菓子についての研究~ぶどう糖の経口摂取が「実行的注意力*」の向上に寄与する可能性が示されました

東京大学大学院薬学系研究科薬品作用学教室との共同研究 International Journal of Learning and Teaching 2022 年 8 巻 6 月号に論文が掲載されました

森永製菓株式会社

森永製菓株式会社(東京都港区芝、代表取締役社長・太田 栄二郎)では、近年仕事や勉強時の集中したい場面で注目されている「ラムネ菓子(以下、ラムネと記述)」について研究を進めています。この度、東京大学大学院薬学系研究科薬品作用学教室(池谷 裕二教授)との共同研究で、ラムネの主成分であるぶどう糖の経口摂取がヒトの「実行的注意力*」の向上に寄与することが示唆されました。
*:周囲に注意をそらされることなく、課題に集中する能力
■研究の背景と内容
ヒトの脳はぶどう糖を主なエネルギー源とし、その代謝産物であるATP(アデノシン三リン酸)を利用して、言語記憶 1)や長期エピソード記憶 2)、注意力の維持 3)など様々な機能を果たしています。そのため、ぶどう糖の摂取は脳機能の維持に重要です。本研究では、ラムネの主成分であるぶどう糖摂取による実行的注意力への影響を検討いたしました。

池谷 裕二教授

■研究方法
健常な成人男女 99 名を対象に、実行的注意力を評価するため、神経心理学的検査であるストループテスト(SCWT)を用いました。三つの課題から構成されるSCWTでは、まずColor patches課題(課題C)で、被験者が赤、緑、青、黄色の図形を提示され、その色をできるだけ早く回答。次に、Word課題(課題 W)では、色を表す単語が黒のフォントで表示され、単語の意味をできるだけ早く回答。そして、最後に、Color-word課題(課題CW)では、色を表す単語がその色と異なるフォントで表示され、被験者は単語ではなくフォントの色をできるだけ早く回答します。単語の意味とそれを表すフォントが互いに干渉する状況において、正しく回答するためには実行的注意力が必要であり、この三つの課題により、実行的注意力を評価いたしました。

SCWTを受ける被験者を、ぶどう糖摂取群とコントロール群に分け、ぶどう糖摂取群ではSCWT実施の15分前にぶどう糖を主成分とするラムネ29gを摂取、コントロール群はぶどう糖摂取を行なわない事として試験を行いました。

■研究結果・考察
SCWTの成績を評価する指標として、時間干渉指数(TI:課題CWの反応時間 – (課題Wの反応時間 + 課題Cの反応時間)/2)及びエラー率、正解総数を用いました。その結果、ぶどう糖摂取群はコントロール群に比べ、時間干渉指数TI及び課題Cのエラー率が有意に小さいことが分かりました(図1)。一方で、課題Wと課題CWのエラー率、三つの課題の正解総数には有意な差が認められませんでした。

当内容は、査読付き国際学術誌「International Journal of Learning and Teaching Vol. 8, No. 2, June 2022」(2022年5月18日公開)に「Glucose Intake Improves Executive Attention(ぶどう糖摂取によるヒトの実行的注意力の向上)」として論文掲載されました 4)。
 

図1 時間干渉指数TI及び課題Cのエラー率に関するぶどう糖摂取群(GLU)とコントロール群(CTL)比較

この結果は健康な成人男女における研究です。また、本研究はぶどう糖摂取量と実行的注意力への影響を検討したものではありません。ラムネに限らず、食事やおやつは栄養のバランスを考慮して食べることが大切です。特に血糖値を気にされる方はご注意ください。

森永製菓では、今後もラムネ並びにぶどう糖に関する研究に継続的に取り組んでまいります。

<参考文献>
1) Brown, L. A., & Riby, L. M. (2013). Glucose enhancement of event-related potentials associated with episodic memory and attention. Food & function, 4(5), 770-776.

2) Meikle, A., Riby, L. M., & Stollery, B. (2004). The impact of glucose ingestion and gluco‐regulatory control on cognitive performance: a comparison of younger and middle aged adults. Human Psychopharmacology: Clinical and Experimental, 19(8), 523-535.

3) Benton, D., Brett, V., & Brain, P. F. (1987). Glucose improves attention and reaction to frustration in children. Biological Psychology, 24(2), 95-100.

4) Jiayan Liu, Kotaro Yamashiro, & Yuji Ikegaya.(2022). Glucose Intake Improves Executive Attention. International Journal of Learning and Teaching, 8(2), 136-139

■研究概要
【実施時期】2021年4月
【対象者】健常な成人男女 89 名(最終解析対象者89名)
【試験食品】含水結晶ぶどう糖 90%含有ラムネ打錠菓子  29g
【試験期間】単回摂取
【試験方法】無作為化単盲検並行群間試験
【試験項目】ストループテストによる実行的注意力の評価

<商品に関するお客様お問合せ先>
森永製菓株式会社 お客様相談室TEL:0120-560-162

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会社概要

森永製菓株式会社

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URL
https://www.morinaga.co.jp/
業種
製造業
本社所在地
東京都港区芝5-33-1
電話番号
-
代表者名
太田栄二郎
上場
東証1部
資本金
186億1000万円
設立
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