葛城灌頂会慶讃(かつらぎかんじょうえけいさん)【葛城今昔-守り続けた祈りの場-】展 聖護院 秋の特別公開に合わせ開催決定

株式会社京都春秋

写真左:聖護院門跡 山門|写真右:紀州徳川家より奉納された「くじら船」模型

 本山修験宗総本山 聖護院門跡 (所在地:京都市左京区聖護院中町15)は、2025年10月11日(土)から12月7日(日)までの金、土、日、祝日に秋の特別公開を開催いたします。

 毎年開催しております狩野派の金碧障壁画約120余面が配されている宸殿(通常非公開)並びに重要文化財である書院の公開と併せて、今回は令和7年9月に葛城山中にて24年ぶりに執行される大法要「葛城灌頂会」を慶讃し、特別展示【葛城今昔―守り続けた祈りの場―】展を開催いたします。

当展では、信仰の地として守られてきた葛城山中28箇所の経塚の今と昔の展示とともに、聖護院宮と紀州徳川家との繋がりや、江戸時代に出版された当時の葛城巡拝ガイドブックである「葛嶺雑記(かつれいざっき)」の版木など、貴重な資料も公開いたします。

聖護院について

 役行者を宗祖とする本山修験宗の総本山。寛治4年(1090)、白河上皇の熊野御幸で護持僧を務めた増誉大僧正に、「聖体護持」から2字をとった聖護院が与えられたことに始まり、日本で最初の修験道の宗派となりました。

 宮門跡として明治まで代々皇族や摂関家が門主(住職)を務め、明治維新までの37代の門主のうち、25代の門主は皇室より入寺されています。天明の大火により御所が焼失した際は、光格天皇の仮皇居となったことから「旧仮皇居」として日本で唯一の史跡に登録された格式高い寺院です。

 役門正統(えんもんせいとう)である本山修験宗の総本山として、現在も多くの山伏が所属しており、それぞれ全国各地の山中などで修行を行っています。

宸殿 謁見の間
狩野派の金碧障壁画

修験の行場・葛城と聖護院について

 葛城山脈は大阪と和歌山の府県境を東西に走る和泉山脈、大阪と奈良の府県境に南北に聳える金剛山地の峰々からなる一帯です。この山脈は修験道の開祖である役行者が最初に開かれた修行の地であり、世界遺産の吉野・大峰と並び「修験の二大聖地」として信仰を集めています。

 修験道とは日本古来の山岳崇拝を基とし、仏教や儒教・道教などが融合した日本独自の宗教です。修験者(山伏)は厳しい山々での修行を通じて験力を得、衆生済度を目指すかたわら、民衆の祈りに応えて加持祈祷など様々に活動し、日本の国風や文化の基層にまでその影響を及ぼしてきました。

葛城山中の行場や、そこを拠点とした修験道の活動は「葛城修験」として2020年に日本遺産にも登録され、今年5周年を迎えます。その登録にあたっては、聖護院第52世門主である宮城泰年(みやぎたいねん・94)の、60年以上に亘る葛城山脈調査も深く貢献するところとなりました。

 聖護院と葛城修験の関わりは深く、江戸時代には聖護院宮と紀州徳川との好誼により、葛城の行場が守られてきたと伝えられています。一例としては、紀州藩の藩主であった徳川頼宣の命令を受けた紀州藩の蘭学者、李 梅渓(り ばいけい)が、加太沖に浮かぶ友ヶ島の大岩壁に、同島内の5つの行場名の書を彫刻しました。この碑刻は現存しており、今日でも修行者に拝されています。

 また聖護院は、明治期に発令された神仏分離令などにより荒廃し衰退していた葛城修験の道を復興。近年では台風などの自然災害により倒れた石碑も修復してまいりました。この先も千年続く祈りの場となるよう、現在も守り続けています。

現在も続く修行の一幕 山中での勤行
李 梅渓が彫刻した友ヶ島の大岩壁

公開内容について

 通常非公開である境内宸殿には狩野山雪の子である狩野永納と、狩野探幽の養子である狩野益信による金碧障壁画120余面が納められており、大玄関から上段の間まで続く金碧障壁画には花鳥や中国の賢人、故事に由来する数々の物語や雄大な自然が、緑青や朱を使った迫力溢れるものから、墨を主として描いた落ち着きのあるものまで幅広く描かれています。仮皇居にもなった格式高い宮門跡ならではの貴重な文化財です。

 そして今回開催される【葛城今昔―守り続けた祈りの場―】展では、江戸時代に聖護院宮が朝廷・幕府の両方から依頼を受け、天下泰平の祈祷を行った資料や、紀州徳川家より奉納された「くじら船」模型、江戸時代のガイドブックとして出版された『葛嶺雑記』の版木を公開いたします。この書物には、当時多くが所在不明になっていた二十八の経塚の場所についても実地調査を行い、所在地を確定させた経緯に加え、行き方などについても詳細に記されており、当時の状況を知る貴重な資料となっています。聖護院には版木全てが現存しており、この度、この版木を元に新たに木版印刷を行いました。現代の技術で刷られたものと当時のものを見比べてみるのも一興かもしれません。

「葛嶺雑記」版木の一つ
経塚の形を紹介している頁

聖護院 秋の特別公開、【葛城今昔―守り続けた祈りの場―】展 詳細

公開日:令和7年10月11日(土)~12月7日(日)期間の内、金・土・日・祝日、10月21日〜23日

     ※法務により拝観休止日が発生する可能性有

時 間:10:00~16:00受付終了

内 容:

・大玄関 (狩野派 金碧障壁画)

・使者の間 (狩野派 金碧障壁画)

・宸殿 (役行者坐像/不動明王像/蔵王権現像/三宝荒神像/孔雀明王像/狩野派 金碧障壁画)

・本堂 (本尊 不動明王像(重要文化財)/智証大師坐像(重要文化財)/役行者・前鬼後鬼・大峰八大童子像)

・書院 【重要文化財】(狩野派 金碧障壁画)

特別展内容:

・紀州徳川家奉納「くじら船」模型(江戸時代)

・「葛嶺雑記」版木(江戸時代)

・江戸時代印刷「葛嶺雑記」、令和印刷「葛嶺雑記」

・葛城修験二十八宿経塚 紹介パネル

・令和7年葛城灌頂 写真パネル

・台風で受けた石碑の被害・復興記録    など

参拝料:大人800円 中高校生・大学生600円 小学生以下無料(保護者同伴)

※団体15名以上は700円(旅行会社様 団体料金でのクーポン適用不可)

※10名以上の団体様は事前予約をお願い致します。

(予約先/京都春秋 FAX 075-231-6420)

所在地:本山修験宗総本山 聖護院門跡 〒606-8324 京都市左京区聖護院中町15

(京都市バス:熊野神社前下車約5分)

※来院に関する注意事項等はホームページをご覧ください。https://www.shogoin.or.jp/

聖護院 本堂

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会社概要

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URL
https://kyotoshunju.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
京都市中京区二条通東洞院西入仁王門町26-1 御所南二条ビル3階
電話番号
075-231-6415
代表者名
市川 豊
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
1993年08月