【栗林商船グループ】物流2024年問題の解決に向けて、仙台-大阪間でシマダヤ冷凍麺の輸送増加
海上輸送によるモーダルシフト提案でドライバー問題と環境負荷低減を実現

物流の効率化と「物流2024年問題」の課題解決に向けて、栗林商船グループでは荷主企業の依頼によりRORO船とトレーラーによる海陸複合輸送を提供している。製造業ではモーダルシフトの動きが加速しており、その有力な手段として内航RORO船が注目されている。
本州内の輸送では従来トラック輸送が多用されていたが、「物流2024年問題」という社会問題の影響もあり、内航RORO船を利用したモーダルシフトが加速しており、国土交通省においても優秀なモーダルシフト事例を表彰する制度が構築されている。
このような背景もあり、2024年3月より、栗林商船グループで陸上輸送を担う栗林運輸株式会社(本社:東京都港区、以下栗林運輸)が、シマダヤ株式会社(本社:東京都渋谷区、以下シマダヤ)から冷凍麺輸送の依頼を受け、従来宮城県内にあるシマダヤの工場から大阪府内の倉庫までの全行程をトラックで陸送していたものを、仙台港から大阪港までRORO船への一部切り替えを行った。

■陸上輸送から海陸複合輸送へ切り替えを行った背景とは
シマダヤは栗林商船グループとの取り組みを始めるまでは100%陸路のトラック輸送のみであったが、「物流2024年問題」が取りざたされていたことから、輸送経路の複線化によるリスクヘッジ、環境問題を理由に鉄道や海上輸送を始めたいとの思いがあった。
シマダヤは東北地方に主力工場があり、仙台港を使う必要がある。内航フェリーの状況を調査した結果、栗林商船グループは仙台~大阪間の航路の取り扱いがある唯一のRORO船事業者であり、特に長距離輸送を検討していきたいというシマダヤの思いと合致したため、2023年7月にトライアル輸送を経て、2024年3月より輸送開始した。(輸送期間:5日間、車種:13m冷凍コンテナシャーシ)
■海上輸送へ変更したことによるメリット、定性的・定量的効果とは
トラック輸送から海上輸送への転換により、月間4.64トン、割合にして74%ものCO2排出量削減に成功している(※算出基準:シャーシ1台につき積載重量約20トン、仙台港発大阪港着で1台あたりCO²排出量は3.14トンから0.82トンまで削減される)事から、環境面での効果は想定通り得られている。

また、海上輸送を含む複合輸送へのモーダルシフトにより、全区間で陸上輸送を行う従来の輸送計画に比べ、陸上輸送区間の所要時間が11時間から3時間まで8時間短縮され、運転手の拘束時間削減に成功している。
■双方の今後の展望・新たな展開やアピールポイントとは
栗林運輸がトレーラーでの輸送が可能な事から1回の輸送における積載量の増加を目論んでおり、シマダヤのトラックでのバラ積み(※)からパレット(※)を利用したトレーラー輸送への移行の進展によって、より大きな効果が得られることが期待される。
一方シマダヤでは今後工場からの長距離幹線便は益々確保しづらくなるため、モーダルシフトによる冷凍食品輸送を積極的に活用していきたいと考えている。
(※)バラ積み:フォークリフトなどの機械を使わずに手作業で荷物を積み込むこと。
(※)パレット:荷物を載せる台で、荷物を単位数量にまとめて載せることで、一度に多くの荷物を移動・保管することができる 。
企業概要

社名:栗林商船株式会社
本社所在地:東京都千代田区大手町二丁目2番1号
代表取締役:栗林宏𠮷
事業内容:栗林商船株式会社は、北海道から東京、名古屋、大阪に至る内航定期船事業を中心に、港湾荷役から内陸輸送までの海陸一貫輸送サービスを提供しています。1894年の創業以来、地域とともに成長を続けています。
HP:https://www.kuribayashishosen.com/
社名:シマダヤ株式会社
本社所在地:東京都渋谷区恵比寿西一丁目33番11号
代表取締役 社長執行役員:岡田 賢二
事業内容:麺類及び関連食料品の製造及び販売
HP:https://www.shimadaya.co.jp/
本件に関するお問い合わせ先:
栗林商船株式会社 お問い合わせ窓口
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