日本人の腸内細菌指標の基準値範囲の確立に関する論文がBioscience of Microbiota, Food and Health誌に掲載されました

 株式会社サイキンソー(本社:東京都渋谷区、代表取締役:沢井 悠)は、Mykinsoコホート研究から横断的分析を行い、日本人における腸内細菌指標の基準値範囲を確立しました。本研究の成果は、2021年4月17日付けで『Bioscience of Microbiota, Food and Health』に掲載されました(URL:https://doi.org/10.12938/bmfh.2020-038)。
  • 論文概要
タイトル
A cross-sectional analysis from the Mykinso Cohort Study: establishing reference ranges for Japanese gut microbial indices
(和訳:Mykinsoコホート研究の横断分析と日本人の腸内細菌指標の基準範囲の確立)
 

  • 研究概要
【背景と目的】
 腸内細菌は、消化機能だけでなく、全身の健康に重要な役割を果たしていることがわかってきたため、腸内細菌叢の特徴を明らかにすることに科学的関心が集まっています。臨床の現場においても腸内細菌叢の検査結果に基づいた栄養指導等が行われていますが、検査値の指標はありませんでした。
 サイキンソー社は今回、健康な日本人に見られる腸内細菌叢と人口統計学的特徴および臨床的特徴との関連を調査し、日本人の腸内細菌の指標開発とその基準値範囲を作成しました。

【方法】
 今回の研究では、2015年11月から2019年6月までの間に、サイキンソー社が実施している研究プロジェクト「Mykinsoコホート研究」に参加した日本人5,843人の便サンプルを分析しました。具体的には、便からDNAを抽出し細菌固有の配列を網羅的に解析することで、腸内細菌組成比を算出しました。得られた腸内細菌組成データに対して統計解析を行い、年齢、性別、臨床的特徴と腸内細菌叢との関係を調べました。

【結果】
 日本人の腸内細菌叢は非常に多様であり、「典型的な」腸内細菌組成タイプを1つに特定することはできませんでした。年齢、性別、便秘、下痢などの変数が、腸内細菌の組成比および多様性と関連していました。今回の研究では、健康状態が良好なMykinsoコホート参加者に焦点を絞り、上記変数と関連の強かった細菌種を基に腸内細菌指標を作成することで、日本人の健康な成人における腸内細菌指標の基準値範囲を算出、確立することができました。

【まとめ】
 今回の調査により、日本人の大規模な集団における腸内細菌叢の特徴を明らかにし、健康な日本人の腸内細菌指標とその基準値範囲を確立することに成功しました。この結果は、日本の独特な食文化の中で育まれた腸内細菌叢と健康との関係を理解する上で、重要な一歩となると考えています。
 また、今回の成果を活用することで、個々の患者の複雑な腸内細菌叢データを、基準値と比較し、組成や多様性の点でどの程度逸脱しているかという指標に変換することが可能となり、個人の腸内細菌を把握し、かつ理解しやすくなります。国内の臨床医が、個々の患者の腸内細菌叢を共通の指標と基準で評価できるようになるために、Mykinsoでは、基準値範囲からの逸脱の程度をスコア化した「フローラスコア」の提供を開始しています。今後、基準値の妥当性をさらに高めるために、様々な疾患患者の腸内細菌叢データと比較する臨床研究等で検証を行う必要があります。

 
  • 株式会社サイキンソー概要
「細菌叢で人々を健康に」を企業理念として、腸内フローラをはじめとする人体の常在細菌叢をデータサイエンスの力で解き明かし、ヘルスケアに貢献することを目指す企業です。

会社設立:2014年11月19日
所在地:東京都渋谷区代々木1-36-1 オダカビル2階
代表取締役:沢井 悠
主な共同研究先:大阪大学微生物病研究所
URL:https://cykinso.co.jp/
※以下、メディア関係者限定の特記情報です。個人のSNS等での情報公開はご遠慮ください。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります。

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。
※内容はプレスリリースにより異なります。

  1. プレスリリース >
  2. 株式会社サイキンソー >
  3. 日本人の腸内細菌指標の基準値範囲の確立に関する論文がBioscience of Microbiota, Food and Health誌に掲載されました