都市のデザイン力を測定する「City Design Index(都市デザイン力指標)」を開発
台湾デザイン研究院が「WDO世界デザイン会議東京2023」にて成果発表
本研究は、過去に国際的に提示された様々なデザイン指標とデザイン力に関連する理論を振り返り、デザイン力の構成要素と、デザイン力がどのようにインパクトを生み出すかを探求し、プロセス・モデルをまとめたものです。指標モデルにはデザイン開発戦略、デザイン活動、およびデザインの成果という3つの要素が含まれており、提案された指標モデルは国際的な専門家の審査と提言を受け、台湾の各県市の関連データによる検証が行われ、その有用性が確保されています。
本指標モデルは都市のデザイン力を効果的に記述し、その都市の経済競争力、社会的幸福感、環境の持続可能性などへの影響を説明できる構成となっています。都市デザイン力を測定する指標を通じ、各都市は自身のデザイン力の現状や発展可能性を検証し、都市ブランドの位置付けを見出し、デザイン力強化のための戦略立案に活用することができます。また、都市の意思決定者が指標を活用しやすいよう、TDRIはアメリカMIT(マサチューセッツ工科大学)のライセンスを取得した台北科技大学の都市科学ラボと共同で都市デザイン力指標のダッシュボードを開発し、都市デザイン力を視覚的に表現し、都市の状況を比較しやすくしています。
リサーチのメソッドは、以下の3つの研究によって構成されています。
研究1<国際的な指標の収集及びチェック>
国内外の既存のデザイン力を測定する方法論を理解するために、本研究では都市のデザイン力に関連する18の国際的な指標研究を収集・整理し、108の指標をフォーカス・グループ法でまとめ、カードソーティング法でクラスター分析をしました。
研究2<デザイン力理論のレビュー>
デザイン力の構成とデザイン力がどのようにインパクトを及ぼすかをさらに探求するために、本研究では15のデザイン力に関連する理論をレビューし、ABCプロセス・モデルを提案しています。
研究3<専門家に対するアンケート調査>
指標モデルの国際的な適用性を確認するため、8カ国から17名のデザイン専門家を招き、オンラインアンケートを実施しました。ABCプロセスモデルや都市デザイン力指標の9つのレイヤーの定義に関する助言や、108の指標が属するレイヤーとの関連における適切性の評価を行いました。
現在、TDRIはカリフォルニア大学サンディエゴ校のデザインラボと協議を行い、WDOが主催する「世界デザイン首都(WDC)」活動に都市デザイン力の指標を導入する予定です。先日10月27日から29日にかけて開催されたWDO世界デザイン会議東京2023会員総会における発表では、出席者およびWDOメンバーに都市デザイン力の指標を活用し、デザインの影響力を促進するよう呼びかけました。TDRIでは、国際的なデザイン組織や学術研究機関との協力により、本指標モデルの普及・拡大を通じてさらなる世界への貢献を目指しています。
◾️参考情報
財団法人台湾デザイン研究院(Taiwan Design Research Institute)
2020年に台湾政府が設立した国家級のデザインシンクタンク。デザイン力で省庁のリソースを統合し、デザインをガバナンスや国家戦略の重要な価値とし、産業と社会の持続的発展につなげ、人々の暮らしに付加価値を提供していくことを目標としています。
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