松本大洋3作目の絵本は、夢枕獏とコンビを組んだ、中国神話をもとにした物語。2019年1月下旬発売『こんとん』。
中国神話に登場する「渾沌」の伝説を新たな解釈で描く、切なくも愛しい物語。
松本大洋氏が手がける絵本は『かないくん』(文・谷川俊太郎/東京糸井重里事務所刊)、『「いる」じゃん』(文・工藤直子/スイッチパブリッシング刊)につづき、3作目となります。
今回の絵本の題材となったのは、中国神話に登場する怪物「渾沌(こんとん)」の伝説。カオスと同義で語られる「こんとん」を、夢枕獏氏が新たな解釈で物語り、松本大洋氏が愛しさをこめて描いた、美しい絵本です。
名前がないので、誰でもない。誰でもないから、何にでもなれる。それが、こんとんです。
六本の足を持ち、六枚の翼を持つけれど、目も耳も鼻も口もありません。けれども、いつも空を見あげて笑っているのだそうです。
そんな、こんとんのところに、ある日、南の海の帝と北の海の帝がやってきます。帝たちは、こんとんに、二つの目、二つの耳、二つの鼻の穴、そして口、あわせて七つの穴を作ってやることにしますが–––– 。
夢枕獏氏による、とぎすまされた心地よいリズム感のある言葉と、懐かしと新しさのある松本大洋氏のイラストが、なにものでもない「こんとん」という存在への、読者の思いや想像をかきたてます。
気づかないうちに力の入っている私たちの毎日に、ふと新しい風を吹かせてくれる、やさしい物語です。
夢枕獏氏はこの物語を、このように締めくくっています。
こん とん こん とん
きみのことが すきだよ。
愛しい「こんとん」の姿に、ぜひ出会ってみてください。
【著者紹介】
文:夢枕獏(ゆめまくら・ばく)
1951年神奈川県生まれ。『キマイラ』『陰陽師』など数多くの人気シリーズを手がけ、これまでの業績に対して、紫綬褒章を受章、菊地寛賞、日本ミステリー文学大賞を受賞。主な作品に『上弦の月を喰べる獅子』(日本SF大賞)、『神々の山嶺』(柴田錬三郎賞)、『大江戸釣客伝』(泉鏡花文学賞、舟橋聖一文学賞、吉川英治文学賞)、『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』、『大江戸恐龍伝』などがあり、絵本に『ちいさなおおきなき』(小学館児童出版文化賞)、『おんみょうじ 鬼のおっぺけぽー』がある。
絵:松本大洋(まつもと・たいよう)
1967年東京都生まれ。漫画家、イラストレーター。1986年『STRAIGHT』でデビュー。主な作品に『花男』、『鉄コン筋クリート』、『ピンポン』、『GOGOモンスター』(日本漫画家協会賞特別賞)、『ナンバーファイブ 吾』、『竹光侍』(文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、手塚治虫文化賞マンガ大賞)、『Sunny』(小学館漫画賞)、『ルーブルの猫』などがあり、絵本に『かないくん』『「いる」じゃん』、画集に『TAIYOU』がある。
【書籍詳細】
書名:こんとん
文:夢枕 獏
絵:松本大洋
定価:1,600円+ 税
対象:5歳から
サイズ:27cm×19cm
ページ数:41ページ
ISBN コード:978-4-03-332890-4
発売時期:2019年1月下旬
◎偕成社HP書誌情報:https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784033328904
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像