第1回みんなの建築大賞をVUILDの〈学ぶ、学び舎〉が受賞

日本の建築文化を広めるため、文化庁協力のもと、前年の建築ベスト1をみんなのX投票の「いいね」の得票数で決める一般参加型アワードを開催

tecture株式会社

前年の建築のベスト1をX(旧称Twitter)上での一般投票で選ぶ建築アワード「みんなの建築大賞」(主催:「みんなの建築大賞」推薦委員会、委員⻑:五十嵐太郎)の第1回大賞作品が、VUILD株式会社(以下、VUILD)が設計した〈学ぶ、学び舎〉に決定しました。推薦委員会ベスト1には、伊藤博之建築設計事務所が設計した集合住宅〈天神町place〉が選出されています。

本アワードは日本の優れた建築文化を広く知らしめることを目的に実施したもので、趣旨に賛同した文化庁の協力のもと開催されました。2月15日には、東京・湯島の文化庁 国立近現代建築資料館にて、受賞した2組とメディア各社を招いた表彰式を執り行っています。

第1回みんなの建築大賞 大賞受賞作品〈学ぶ、学び舎〉 設計:VUILD Photo: Japan-Architects Magazine

「みんなの建築大賞」推薦委員会(委員⻑:五十嵐太郎)は、文化庁協力のもとで実施した第1回「みんなの建築大賞」において、大賞と推薦委員会ベスト1を発表しました。

大賞は、株式会社VUILD(代表取締役CEO 秋吉浩気)が設計した〈学ぶ、学び舎〉が受賞。推薦委員会ベスト1を、伊藤博之建築設計事務所が設計した集合住宅〈天神町place〉がそれぞれ受賞しています。

第一回みんなの建築大賞 推薦委員会ベスト1受賞作品〈天神place〉 設計:伊藤博之建築設計事務所 Photo: Japan-Architects Magazine

開催趣旨

「みんなの建築大賞」は、日本が世界に誇る建築の素晴らしさを一般の人々にもっと知ってほしいという願いのもと、2023年の春に企画が立ち上がりました。

事務局を務めたウェブマガジン『BUNGA NET(ブンガネット)』(運営:BUNGA NET Inc.)と『TECTURE MAG(テクチャーマガジン)』(運営:tecture株式会社)にて、2023年5月に開催概要を発表。建築文化を「伝えるプロ」である雑誌の編集者やジャーナリスト、建築評論家ら30人余が推薦委員を務め、2024年1月中旬に選考会を実施。それぞれが推す3作品について討議を行い、大賞候補10作品を選出しています。

なお、本アワードは、開催趣旨に賛同した文化庁の協力を得て実施されました。

第1回「みんなの建築大賞」への協力について(2024年1月12日文化庁 報道資料)
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/93988001.html

大賞候補 "この建築がすごいベスト10" 〈作品名〉と主たる設計者

〈熊本地震震災ミュージアムKIOKU〉大西麻貴+百田有希 / o+h・産紘設計
〈52間の縁側〉山﨑健太郎デザインワークショップ
〈後藤邸〉後藤武+後藤千恵 / 後藤武建築設計事務所
〈SIMOSE〉坂茂建築設計
〈太宰府天満宮仮殿〉藤本壮介建築設計事務所
〈地中図書館〉中村拓志&NAP建築設計事務所
〈天神町place〉伊藤博之建築設計事務所
〈庭の床福武トレスFギャラリー〉武井誠+鍋島千恵 / TNA
〈花重リノベーション〉MARU。Architecture
〈学ぶ、学び舎〉VUILD
※2024年1月29日発表順

大賞作品 選考の経緯

選考委員会が選出した「この建築がすごいベスト10」は、「みんなの建築大賞」の公式X(旧Twitter)上にて2024年1月29日に発表。2月10日 23:59まで一般投票受付期間とし、Xのアカウントを有するユーザーからの最も多くの「いいね」を公式Xにて獲得した建築作品を大賞としました。推薦委員会ベスト1は、推薦委員会の大賞候補選考会において、最も評価の高かった建築作品に対して贈られています。

なお、公式X上での一般投票の獲得票数のトップ3は、上位から順に、〈学ぶ、学び舎〉(2,143票)、〈天神町place〉(1,833票)、そしてMARU。architecture(マル アーキテクチャー)が改修設計を担当した〈花重リノベーション〉(1,009票)となっています。

「みんなの建築大賞」公式X(2023年12月開設)
https://twitter.com/minnanokenchiku

大賞:VUILD〈学ぶ、学び舎〉

デジタルファブリケーションを駆使して建てられた〈学ぶ、学び舎〉  Photo: Koji Ichikawa

〈学ぶ、学び舎〉作品概要
スタートアップ支援などを手掛けるMistletoe(ミスルトウ、代表 孫泰蔵)と東京学芸大学が2019年から本格始動したプロジェクト・Explayground(エクスプレイグラウンド)の拠点で、東京学芸大学EXPG棟として建設された。人が運べる大きさの木材パーツを3D木材加工機で切り出し、コンクリート躯体の打ち込み型枠(コンクリート打設後もそのまま仕上げとする型枠)として使用。木材パーツは1,000以上あり、すべて形が異なる。葉脈のようなに展開する梁(ひだ)は、全体の強度を高めるために導かれた形状である。


所在地:東京都小金井市貫井北町4丁目750-2
発注者:MistletoeJapan
設計者:VUILD
設計協力者:佐藤淳構造設計事務所(構造)、Arup(設備)
施工者:アトリエ海
構造:鉄筋コンクリート造
階数:地上1階
延べ面積:295.90m²
施工期間:2022年9月〜2023年4月

Photo: Seiichi Saito

秋吉浩気(あきよし こうき)プロフィール

VUILD(ヴィルド)代表取締役CEO。1988年大阪府生まれ。芝浦工業大学工学部建築学科卒業後、慶応義塾大学大学院政策メディア研究科でデジタルファブリケーションを専攻。2017年に建築系スタートアップのVUILD(神奈川県川崎市)を創業。工作機械と3次元デザインツールを組み合わせた木工のデジタルファブリケーション分野を切り開いている。秋吉氏は起業家であると同時に、「建築家/メタアーキテクト」を名乗り、「建築の⺠主化」を目指す。設計した主な建築物に〈まれびとの家〉(2019年竣工、2020年度グッドデザイン賞金賞)、〈琲庵〉(2021年)、〈小豆島TheGATELOUNGE〉(2023年)などがある。著作に『メタアーキテクト──次世代のための建築』(2022年、スペルプラーツ刊)。
慶応義塾大学大学院時代に、米国で1995年に生まれた3D木材加工機「ShopBot(ショップボット)」と出会い、木工技術を変える大きな可能性を感じる。一方で、唯一無二の「作品」をつくろうとする既存の建築家像に疑問を抱いていたため、供給側・需要側の双方で「開かれた木工技術」を実現すれば「建築の⺠主化」につながると考えるようになる。連続起業家の孫泰蔵氏らに背中を押され、29歳でVUILDを創業。3D木材加工機「ShopBot」の販売、設計と加工を結ぶクラウドサービス「EMARF(エマーフ)」の提供、自分好みの家をアプリ上でカスタマイズし、注文できるサービス「NESTING」の提供などを行う。それらと並行して、一級建築士事務所としての建築物の設計や施工も行っている。

推薦委員会ベスト1:伊藤博之建築設計事務所〈天神町place〉

〈天神place〉中庭からの見上げ Photo: Japan-Architects Magazine

〈天神町place〉作品概要
東京・湯島の住宅街にある賃貸集合住宅。3方向を高層建物に囲まれた旗竿敷地に、中庭を囲む自由曲線の平面計画により、計35戸の各住戸が異なる魅力を享受できるように計画された。2023年夏に数日間行われた関係者見学会では、SNS上で見学者の感嘆の声が広く拡散された。


所在地:東京都文京区湯島
設計者:伊藤博之建築設計事務所
設計協力者:多田脩二構造設計事務所(構造)、坂井初構造設計事務所(構造)、テーテンス事務所(機械設備)、EOSplus(電気設備)
施工者:サンユー建設
構造:鉄筋コンクリート造
階数:地下1階・地上8階
延べ面積:2448.55m²
施工期間:2021年6月〜2023年8月

Photo: Hiroshi Miyazawa

伊藤博之(いとう ひろゆき)プロフィール

1970年埼玉県生まれ。1993年東京大学工学部建築学科卒業。1995年同大学大学院工学系研究科修士課程修了。1995-1998年日建設計勤務。1998年O.F.D.A共同設立。1999年伊藤博之建築設計事務所設立。2019年より工学院大学教授。代表作に〈シモキタハウス〉(2010年)、〈GRID〉(2011年)、〈Hotel & ResidenceRoppongi〉(2012年)、〈BLOOM〉(2014年)、〈辰⺒アパートメントハウス〉(2016年)、〈ウエハラノイエ〉(2018年)〈三組坂flat〉(2019年)、〈PRISMInnOgu〉(2022年)など。
日本最大の設計事務所である日建設計に入社するも、27歳で独立。きっかけは、友人の父親が住宅の設計を依頼してきたこと。その後、個人住宅や集合住宅、オフィスビル、ホテル、インテリアデザインなどを中心に設計活動を展開。特に集合住宅では、専門家をうならせる大胆な発想と緻密な裏付けによる佳作が多い。

文化庁協力のもと、表彰式を開催

大賞のVUILDと、推薦委員会ベスト1の伊藤博之建築設計事務所の受賞を祝し、「みんなの建築大賞」の趣旨に賛同して広報に協力した文化庁の施設である、東京・湯島の国立近現代建築資料館において、2月15日に表彰式を執り行いました。

画面左から、五十嵐太郎氏、秋吉浩気氏、伊藤博之氏、寺本恒昌氏(文化庁 国立近現代建築資料館長 / 企画調整課長)
メディア各社の取材に応じる秋吉氏(右側・柱の前の人物)

「みんなの建築大賞」は、日本の優れた建築や、その周辺の建築文化を広く伝えることを目的に、来年以降も継続して実施する予定です。

第1回「みんなの建築大賞」を主催した推薦委員会メンバー(複数人はアイウエオ順):

委員⻑:五十嵐太郎(建築史家、東北大学教授)
推薦委員:有岡三恵(編集者、Studio SETO)、飯田 彩(編集者、デザインコミュニケイター)、猪飼尚司(編集者)、磯 達雄(建築ジャーナリスト)、市川紘司(建築史家、東北大学助教)、歌津亮悟(編集者、『Japan-Architects Magazine』)、加藤 純(編集者、『TECTURE MAG』チーフエディター)、神中智子(編集者)、倉方俊輔(建築史家、大阪公立大学教授)、阪口公子(編集者、『コンフォルト』)、坂本 愛(編集者、ライター)、櫻井ちるど(編集者、『建築画報』)、白井良邦(編集者、慶應義塾大学SFC特別招聘教授)、介川亜紀(編集者)、津川 学(ジャーナリスト、日刊建設通信新聞社)、富井雄太郎(編集者、millegraph代表)、豊永郁代(編集者、『コンフォルト』編集部)、中村光恵(編集者、リトルメディア)、萩原詩子(編集者・ライター)、八久保誠子(編集者、『LIFULL HOMES PRESS』編集⻑)、平塚 桂(編集者、ぽむ企画)、宮沢 洋(画文家、『BUNGA NET』編集⻑)、森 清(編集者、『BUNGA NET』プロデューサー)、山根一彦(編集者)、山田兼太郎(編集者、『DISTANCE.media』[NTT出版])、吉田和弘(編集者、草思社)、和田菜穂子(建築史家、東京家政大学准教授)
オブザーバー:山根脩平(エヴァンジェリスト、tecture代表取締役)
事務局:『BUNGA NET』編集部、『TECTURE MAG』編集チーム

「みんなの建築大賞」大賞候補選考会の様子(一部メンバーはオンラインで参加した)

「みんなの建築大賞」の概要発表後の経緯や、全推薦委員の推薦作、および大賞候補(ベスト10)選定の経緯、五十嵐太郎委員長による総評などは、事務局を務めた2つのウェブマガジンに適時ニュースとして掲載しています。

本リリースに関する注意事項

※10作品の高画質画像の使用を希望する場合は、事務局までお問い合わせください

※10作品の内外観画像を新聞・雑誌・ウェブマガジンおよび同公式SNSに記事として掲載する場合は、撮影者クレジットを明記してください

※選考会および表彰式の画像(事務局撮影)はクレジット不要です

問合せ先:「みんなの建築大賞」事務局:BUNGA. NET

担当:宮沢

infobunga409@gmail.com

tecture株式会社

tecture株式会社

空間デザインメディア『TECTURE MAG』(2020年4月創刊)を運営するtecture株式会社は、代表の山根脩平が2019年2月に立ち上げた、建築デザイン領域のDX化を目指すスタートアップ企業です。
2020年6月に開設した空間デザインプラットフォーム「TECTURE」に代表される「空間デザイン」と「テクノロジー」を掛け合わせたサービスなどにより、設計者の複雑な業務フローをサポートする仕組みを提供しています。『TECTURE MAG』での情報発信もあわせて行い、コーポレートミッションである「空間デザインの未来をつくる」ことの実現を目指しています。2023年4月28日には、プレシリーズAラウンドで1.6億円の資金調達を実施しました。

起業の経緯やこれまでの活動については、PRTIMESより配信したプレスリリースと「ストーリー」を参照。

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ビジネスカテゴリ
建築・空間デザイン
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会社概要

tecture株式会社

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URL
https://about.tecture.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目27-5 リンクスクエア新宿 16階
電話番号
-
代表者名
山根脩平
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
2019年02月