日本から41カ国・地域および3テーマの活動に1億3千万ドル超の支援
2022年3月、UNDPは日本政府の補正予算から約1億3,673万ドル(約160億円)の支援を受けました。
この拠出金は、アフリカ、中東、欧州、アジア・太平洋の41の国と地域で、緊急性の高い11の国別プロジェクト、および3件のテーマ別プロジェクト(気候変動に関するプロジェクトを23カ国・地域にて、新規医療技術へのアクセスと提供に関するプロジェクト(ADP)を9ヵ国・2地域にて、ビジネスと人権に関するプロジェクトを17カ国にて実施予定)に活用されます。いずれの事業も日本政府の開発協力の重点方針に合致するとともに、持続可能な開発目標(SDGs)の達成及び人間の安全保障に資するものです。また、UNDP国事務所では日本人職員・国連ボランティア25名(2022年3月現在)が今回のプロジェクトの設計や現場の支援活動に貢献します。
近藤哲生UNDP駐日代表は、「多額の拠出金を頂き、心より感謝申し上げます。このような包括的な支援は、SDGsの達成や人間の安全保障の実現に向けた日本政府のたゆまない取り組みのあらわれであり、心より敬意を表します。日本からの貴重な拠出金を活用し、UNDPは引き続き、紛争やコロナ禍などの影響を受けた人々の暮らしや医療システムへのアクセスの改善や、気候変動対策など重要な開発課題に取り組むとともに、『ビジネスと人権』などの分野でも時代にあった新しい取り組みを進めていきます」と謝意を述べました。
サハラ砂漠以南のアフリカでは、ナイジェリアおよび赤道ギニアにおける国別プロジェクト2件、リプタコ・グルマ地域(ブルキナファソ、マリ、ニジェールの3カ国)にて地域プロジェクト1件に活用されます。活動内容は、それぞれナイジェリア北東部における紛争地コミュニティの安定と早期復旧のための支援、3月7日に爆発事故があったバタ市の環境改善支援、リプタコ・グルマ地域で紛争の影響を受けたコミュニティの復興、長期的な平和構築と開発に向けた紛争の根本原因への対処と社会的結束の支援です。
本年8月、UNDPはアフリカ各国首脳の参加の下、日本政府と第8回アフリカ開発会議(TICAD8)を共催します。今後、ポストコロナを見据え、アフリカの持続的な開発に向けたUNDPと日本政府の連携も更に加速することが期待されます。
北アフリカ、中東、東欧を含む欧州においては、日本の支援はイエメン、イラク、パレスチナ、チュニジアの4つの国と地域で4件のプロジェクトに活用され、それぞれ水・衛生分野支援、過激化の防止等を通じた地域・社会安定化、ヨルダン川西岸・ガザ地区における保健分野およびコロナ禍や異常気象の影響を受けた国境・貿易施設の復旧支援、より良い復興に向けた政治・社会・経済安定化支援などが進められます。
アジア・太平洋地域では、アフガニスタン、ベトナム、インドネシアの3カ国においてプロジェクトが展開されます。アフガニスタンでは現地コミュニティの社会・経済的な復元力を高める活動、ベトナムとインドネシアではコロナワクチンの供給を支援する活動が行われる予定です。
テーマ別案件としては、「気候の約束(Climate Promise)」イニチアチブを通じ、アジア・太平洋7カ国、中東・中央アジア8カ国、中央・東欧州5カ国・地域、アフリカ3カ国の計23カ国・地域において、パリ協定の目標達成に向けて、各国・地域の気候変動にかかる排出削減目標である「国が決定する貢献(NDC)」を具体的な行動に移すための支援を行います。それぞれの国・地域にあったクリーンエネルギー資源・技術の促進、ネットゼロ(脱炭素)達成への気候変動対策の加速、及び既に気候変動や災害の影響を受けているぜい弱なコミュニティの適応対策能力強化等を行います。
また「新規医療技術のアクセスと提供に関するパートナーシップ(Access and Delivery Partnership (ADP))」案件では、グローバルヘルス技術振興基金(GHIT基金)などとの協働のもと、アジア・太平洋4カ国・地域、アフリカ5カ国・地域の計9カ国・2地域において、結核、マラリア、顧みられない熱帯病(NTDs)対策に係わる医療技術へのアクセスと提供を確保するために必要な政策・規制の策定や人材、システムの開発を支援します。このような能力向上支援を行う一方で、デジタル・ヘルスソリューションの拡大と、南南交流・協力の促進による各国のコロナ対策と将来の新たなパンデミックに備えるための支援を実施します。
さらに、「ビジネスと人権」をテーマとする案件においては、アフリカ3カ国、アジア7カ国、欧州・中央アジア3カ国、中東2カ国、中南米2カ国の計17カ国において、各国政府や企業等による「ビジネスと人権に関する国連指導原則」の実施を通じ、「責任あるビジネス」の実現を推進します。特に、日本企業を始めとする各国企業が、サプライチェーン上での企業活動による人権に対する有害な影響を評価・防止・緩和するためのプロセスである「人権デュー・ディリジェンス」を、事業活動を行う各国の状況に応じた形で適切に実施できるよう支援します。
UNDPにとって日本は世界有数の支援国です。2021年、UNDPは日本から計約3億800万ドル(約360億円)の拠出を受けました。
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