「先端技術を用いたASEAN地域からの自然資本のサステイナブル調達の評価検証事業」の開始について
「研究開発とSociety5.0との橋渡しプログラム(BRIDGE)」に採択
本研究開発において、みずほリサーチ&テクノロジーズは、国際航業株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:土方 聡)と共同で、リモートセンシング技術等の先端技術を活用して、自然資本分野でのインパクト評価指標と判断基準、モニタリング手法を検討し、持続可能な原材料調達の促進と自然資本に関する適切な情報開示の実現を目指します。
本研究開発では、タイから天然ゴム調達を行う横浜ゴム株式会社、ベトナムからコーヒーを調達するUCC上島珈琲株式会社等のASEAN内2カ国以上から調達を行う事業者を対象に、衛星画像を活用したリモートセンシング技術*1を用いて、自然資本の調達先であるプランテーションや農場の範囲を正確に把握し、自然資本に関する事業活動の定量的な評価指標と判断基準の作成、モニタリング手法の開発・事業者による実証を行います。モニタリング手法の検討にあたっては、株式会社バイオームが保有するツールを試験的に導入して現地での情報収集可能性を検証するとともに、実際のデータの収集を行い今後の分析サービスに資するデータの構築を目指します。開発した手法やインパクト評価指標については、バードライフ・インターナショナルおよび学識者による妥当性に関するアドバイスを受けるとともに、サステナブルファイナンスの自然資本への拡張・実用可能性について、株式会社みずほ銀行によるフィードバック受け、改良を行います。
■研究開発の概要
採択テーマ | 先端技術を用いたASEAN地域からの自然資本のサステイナブル調達の評価検証事業 |
目的 | ①自然資本の調達先の把握に資する推定手法の開発 ②自然資本に関する事業活動の定量的な評価手法、判断基準、モニタリング手法の開発 ③「②を経年モニタリングするため」のツールの開発 |
達成目標 | 1)「自然資本にかかるインパクト評価指標と判断基準およびモニタリングの手法作成」 を目指す前提として、トレーサビリティの確保のためのインパクト評価すべき場所 (範囲)の推定手法確立を目指す<研究目的①> 2)自然との接点(事業場所等)にかかる現状を正確に把握するため、推奨ツールを参考 に時間的・空間的解像度の高度化を行う。リスクや機会の把握への活用はもちろん のこと、自然資本にかかるインパクト評価指標案の検討にも活用する<研究目的②> 3)先端技術を活用して把握可能な定量的な自然資本関連エリアのインパクト評価指標 を1つ以上検討し、金融機関として活用可能であるかという点についてフィードバッ クを受け、実用可能性を検証する。高度化したモニタリングツールに加え、自然資本 にかかる情報開示基準や各種認証との整合性も検討する<研究目的②> 4)利用者は事業者および金融機関であるため、モニタリング手法は特別な知識を有さず とも利用可能となるようにユーザビリティに配慮した手法を1つ以上検討する<研究 目的③> |
期間 | 2024年4月~2025年3月 |
実施体制 | みずほリサーチ&テクノロジーズ(研究代表機関) 国際航業(共同研究機関) 【協力機関・学識者】 横浜ゴム UCC上島珈琲 みずほ銀行 バイオーム バードライフ・インターナショナル東京 等 |
■研究開発の全体構想(イメージ図)
■「みずほネイチャーポジティブ・デザイン🄬 」について
みずほリサーチ&テクノロジーズと国際航業は、2023年3月より協業し、企業活動のネイチャーポジティブ*2への転換を支援する「みずほネイチャーポジティブ・デザイン🄬」を提供しています。
みずほネイチャーポジティブ・デザイン🄬は、地球観測衛星データ等を活用して、お客さまの事業活動が自然環境に及ぼしうる地域を「特定(L:発見)」し、「影響と課題の抽出(E:診断)」を行い、「リスクと機会の評価(A:評価)」を実施*3します。本サービスの提供により、食品・飲料、化粧品、化学メーカーなど、自然資本を活用した事業を行う企業における持続可能な原材料調達やトレーサビリティ確保の強化などの取り組みの促進を支援します。
*1 衛星に搭載されたセンサで取得された情報を解析することを衛星リモートセンシングといい、この技術を
使うと、遠隔地にある森林の状態や農作物の品質、生育状態を把握することができる
*2 企業等の経済活動による生物多様性の減少を食い止め、回復に向かわせること
*3 自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)が公開するフレームワークでは、自然関連のリスク・機会
を評価するプロセスとしてLEAP(Locate:発見、Evaluate:診断、Assess:評価、Prepare:報告)アプ
ローチが提唱されている。LEAPアプローチは、自然との接点を「可視化(L)」し、「依存関係と影響の
診断(E)」を行い、「リスクと機会の評価(A)」を実施し、自然関連のリスクと機会への「対応と報告
(P)」を行う4つのフェーズで構成される。
*「みずほネイチャーポジティブ・デザイン」は、株式会社みずほフィナンシャルグループの登録商標です。
* Google Earth Engineは、Google LLCの商標です。
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