日本道路|歩行医学の専門病院・下北沢病院と共同で「舗装材と歩行時の身体動作に関 する予備検証」を実施 歩行時の加速度や降段時の筋活動を計測
アスファルト舗装と2種の舗装材を比較し、歩行時のすねの揺れや降段時の太もも前側の筋肉の働きに違いを確認
日本道路株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:石井敏行)と、医療法人社団 青泉会 下北沢病院(所在地:東京都世田谷区、理事長:久道 勝也)は、舗装材と歩行時の身体動作との関係を検討する予備検証を実施しました。
本検証では、一般的なアスファルト舗装と、日本道路グループで製造・販売を行う木質成型ブロック「モクロック」およびランニング・ウォーキング向け舗装「快適歩走」を比較。歩行時の下腿部加速度(すねの動き)と、30cmの台から降段する際の大腿直筋活動(太もも前側の筋肉の働き)を計測しました。

背景
高齢化が進むなか、歩きやすい公共空間の整備は、都市づくりと健康づくりに共通する重要な課題となっています。これまで道路舗装は、耐久性や施工性、維持管理のしやすさなどを中心に評価されてきました。一方で、舗装材が歩行時の身体の動きに及ぼす影響については、十分に検証・整理されていません。
今回の検証では、舗装材の評価に歩行時の身体指標という新たな視点を加えることができるか、その可能性を検討します。
検証概要
健常成人が、以下の3種類の路面を裸足で10メートル歩行し、続いて30cmの台から降段しました。
(写真はイメージや施工後の写真であり、今回の検証で歩行に使用した場所ではありません)
(1)一般的なアスファルト舗装
砕石・砂・石粉およびアスファルトを所定の割合で配合し混合した材料を、敷きならして締め固めた舗装です。車道や歩道など幅広く用いられ、平坦で連続した路面をつくりやすい特長があります。日射によって路面温度が上昇することがあり、歩行時の感触は表面の仕上がりや状態によって異なります。

(2)モクロック
間伐材を有効活用した環境配慮型の舗装ブロック。木質チップを材料にすることで樹木が吸収したCO2を固定化し、カーボンニュートラルにも貢献します。アスファルト等に比べ断熱性が高く路面温度の上昇を抑制できるほか、木材の適度な弾力が歩行時の足腰への負担を軽減するため、公園や遊歩道などに適しています。

(3)快適歩走
陸上競技場で用いられるウレタン樹脂を透水性舗装の表面空隙部に充填し、エンボス仕上げを行うことで、適度な衝撃吸収性と反発性を兼ね備え、足腰への負担軽減を実現します。歩きやすさと疲れにくさを追求した舗装で、公園などのウォーキング・ジョギングコースのほか、陸上競技の強豪である青山学院大学や順天堂大学のクロスカントリーコースでも採用されています。

<計測に使用した機器>

高精度歩行センサー「ORPHE(オルフェ)」
靴や足部に装着するセンサーで足元の動きをリアルタイムに 測定する機器。

スマートアパレル「E-skin」
ロングタイツ伸縮性のある生地に組み込まれた「IMU(慣性計測装置)センサー」や「生体センサー」を使用し、カメラ不要で全身の動きを捉え測定する機器。
<比較した項目>
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歩行時の下腿部に生じる垂直方向の加速度(歩行時のすねの上下方向の動き)
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歩行時の下腿部に生じる左右方向の加速度(歩行時のすねの左右方向の動き)
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降段時の大腿直筋活動(階段を降りる動作での太もも前側の筋肉の働き)
検証結果
硬いアスファルト舗装と比較した結果、今回検証した2種類の舗装材では、歩行時の上下方向・左右方向のすねの動きや、台から降りる際の太もも前側の筋肉の働きが小さくなる傾向がみられました。これらの結果は、舗装材の違いが歩行時の身体の動きに影響する可能性を示しています。
アスファルト舗装の測定値を100とした場合、モクロックは、歩行時・垂直方向加速度がアスファルト舗装より10.2%、左右方向加速度が18.1%、降段時・大腿直筋活動が36.0%低い値となりました。快適歩走は、それぞれ8.8%、14.0%、53.8%低い値となりました。

今後の検証
今後は、対象者数と測定回数を増やした統計的な検討に加え、以下の条件で評価を進める予定です。
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高齢者や足と歩行にトラブルをかかえた方を対象とした検証
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靴を履いた状態での評価長時間歩行時の評価
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実際の屋外環境における評価
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病院、福祉施設、公園、駅周辺などでの検証
当社と下北沢病院は、本検証を通じて路面を「予防医学・歩行医学」の新たな領域として位置づけ、国民の健康長寿を足元から支える持続可能な社会インフラの社会実装を推進してまいります。
共同研究チームのコメント

医療法人社団青泉会 下北沢病院 理事長 医師 久道勝也
歩行は身体だけでなく、靴や路面との相互作用で成り立ちます。今回は予備的な比較ですが、路面を医学的な観点から評価する研究の出発点になります。今後は高齢者や足と歩行にトラブルをかかえた方を含む検証が必要です。

日本道路株式会社 営業本部総合企画部 副部長 川村修
耐久性や施工性に加え、歩行者の身体との関係も舗装の評価軸として検討します。今回の結果を製品効果の確定とは捉えず、今後の研究と材料改良につなげてまいります。
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