「新型コロナウイルス感染症」に関するマラリア・ノーモア・ジャパンの声明

認定NPO法人マラリア・ノーモア・ジャパン(東京都千代田区、代表理事:神余隆博)は、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」に関する声明を以下のとおり発表いたします。

■感染症リスクマネジメントとしての国家システムの強化が求められる
■特に脆弱な中・低所得国における強靭な保健医療システムおよび感染症サーベイランスの確立・強化が肝要
■COVID-19の治療を優先することで他の感染症患者への治療がなおざりになることは回避すべき
■いまこそ世界が連帯して感染症リスクマネジメントとしての保健対策を強化すべき

地球規模で猛威をふるう「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」を前に、

私たちは、いかに地球規模の感染症を克服するか真価が問われています。認定NPO法人マラリア・ノーモア・ジャパン(東京都千代田区、代表理事:神余隆博)は、人類が今行っているCOVID-19との闘いに打ち勝ち、その教訓を活かし更なる別の感染症のパンデミック(世界的な流行)に備えることが地球上の政府と市民に課された使命であると考えます。それと同時に、すでにエンデミックとして蔓延しているマラリアを始めとする既存の感染症対策の堅持および促進をも含めて、日本および世界の人々をあらゆる感染症から守るために、人間の安全保障ならびに国家の安全保障としての感染症対策を強化させることを、日本国政府をはじめとする各国政府、国際機関に強く求めます。特に、WHOにおいては、グローバルヘルスの観点から、パンデミックの予防とリスクマネジメントにおいてリーダーシップを発揮することを求めます。


1.感染症リスクマネジメントとしての国家システムの強化が求められる
医療先進国と言われている日本でも、感染爆発を抑え医療崩壊を食い止めるための施策がとられるなど、COVID-19への対応は苦戦を強いられています。これは、人々の健康はもとより、経済と国家の安全保障への深刻なリスク要因としての新興感染症パンデミックの想定、対応策が不十分であったことが原因です。国境を越えた人の移動が活発となり、気候変動に伴う環境変化など感染症拡大の起因要素が増す中、国際的な感染症への備えとしての国家的な組織の一層の強化が必要です。マラリアに関して言えば、気候変動により蚊の生息域が広がり、これまでマラリア流行が見られなかった地域へ拡大している国も散見するなど、日本にとっても遠い国の出来事には留まらなくなっています。これら様々な感染症のリスクをこれまで以上に認識し、人と予算を投入して、CDCのような危機管理システムとしての感染症対策メカニズムの構築とそのために病院や医療従事者の整備に普段から取り組むことが重要です。まさに、いざという時に機能するよう、感染症教育による国民の危機意識と知識の普及を伴う実効的な日本版感染症対策ファイアーウォールの確立が求められます。

2.特に脆弱な中・低所得国における強靭な保健医療システムおよび感染症サーベイランスの確立・強化が肝要
とりわけ、アフリカや東南アジア諸国など、マラリアを含む感染症の罹患者数を正確に把握するのも難しい、保健医療体制が脆弱な中・低所得国では、COVID-19の影響も甚大となることが懸念されており、実効的な保健医療システムの確立は喫緊の課題です。WHO等の国際機関はSDGsの第3目標(すべての人に健康と福祉を)実現のために、この面で今こそ国連としての機能を果たす必要があります。また、これらの途上国において感染症の流行を迅速に探知するための感染症サーベイランスの徹底とその機能強化も併せて早急に取り組む必要があります。安全が担保された適切なロジスティックスによる流通の確保や、管理のためのICT技術等を導入するなどの検討も必要です。途上国はもちろん、先進国でも迅速な体制強化への取り組が必要です。

3.COVID-19の治療を優先することで他の感染症患者への治療がなおざりになることは回避すべき
COVID-19大流行による、マラリアなど既存の感染症対策に与える影響も最小限に食い止めなければなりません。感染症対策はいずれも人命に関わります。例えば、マラリアは予防や治療に必要なツールが滞るなど継続的な対策が困難になった場合、それまでのマラリア罹患者数や死亡者数を減らす長年の努力に反比例し、容易に再流行してしまいます。COVID-19の緊急対策と他の感染症対策はトレードオフの関係にあるのではなく、両者を共に満たす、効果的な対応策を早急に検討する必要があります。

4.いまこそ世界が連帯して感染症リスクマネジメントとしての保健対策を強化すべき
COVID-19のパンデミック状況は、感染症に国境はないことを示しました。多くの国が緊急措置として国、都市を閉鎖して感染拡大を防ごうともしています。しかし、閉鎖することによる社会的、経済的損失は未知数です。また、感染症の責任を特定の国に帰したり、感染者を差別的に扱ったり、人種差別的な行動やヘイトスピーチ的な行動も見られます。感染症は人類共通の敵であり、世界の国々が協力してウィルスとの闘いに連携しなければならないはずです。一国に留まらない姿の見えない敵と闘うために、いまこそ世界が連帯して感染症リスクマネジメントとしての保健対策を強化し、パンデミックが新たな紛争要因となることのないよう、最近の国際的な潮流ともなりつつある自国ファーストの政策を改め、多国間協力の気運を高めていくことを強く求めます。


感染症対策は一過性のものではありません。また、COVID-19が唯一の人類共通の敵ではありません。既存の感染症や今後新たに出現するかもしれない未知のウィルスにも備える絶え間のない闘いに人類はさらされているのです。国境やジェンダー、宗教、政治、経済といったあらゆる分野で進む分断と排除は今すぐ乗り越える必要があります。その意味で政治の果たす役割はこれまで以上に重要です。

感染症対策は一国でできるものではありません。今こそ多国間・マルチステークホルダーによる連携が必要です。COVID-19およびマラリアをはじめとする既存の感染症対策も含めた包括的な取り組みこそが、SDGsの目指す「だれ一人取り残さない」社会の実現であることを再確認すると共に、マラリア・ノーモア・ジャパンとしてもその一役を担う所存です。

以上
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