広告を取らない雑誌『暮しの手帖』を創刊した編集長・花森安治の著作集、いよいよ完結!
『花森安治選集』第3巻「ぼくらは二度とだまされない」発売!
暮しの手帖社(本社:東京都千代田区、代表取締役:阪東宗文)は、『花森安治選集』の完結巻となる第3巻を、11月下旬に刊行します。
第3巻には雑誌『暮しの手帖』の初代編集長である花森安治が、1960年から没年となる1978年に書き残した文章を収録しています。
その筆は、高度経済成長を迎えたこの時期、いっそう鋭くなりました。
二度と戦争を起こさない世の中にするために。「だまされない人たちをふやしていく」ために。
花森は『暮しの手帖』誌上で、ユーモアを交えつつ、誰にでもわかりやすい文章で、今起きている危機をつまびらかにしました。
また花森は「ジャーナリストにとっては、なにを言ったかということの外に、そのことを〈いつ〉言ったか、ということが、大きな意味をもつ」とも述べています。
敗戦から時がたち、東京オリンピックや大阪万博といった華やかな話題のうらで、政治腐敗や利益至上主義による公害などの問題がつぎつぎ明らかになった当時。
国によって壊された「暮し」や「民主主義」を自分たちの手で取り戻そうと、一本のペンを武器に、国や大企業におもねることなく真っ向から対峙しました。
「運動会がすんだら博覧会」、「国をまもるということ」、「武器をすてよう」……。
今まさにオリンピックに揺れ、税金などの問題を抱える私たち。その助けとなるような力強い言葉が数多く収録されています。ぜひこの機会に、みなさまにお読みいただきたい一冊です。
- 書誌情報
『花森安治選集』第3巻「ぼくらは二度とだまされない」
IBN 978-4-7660-0218-8/四六判 上製 函入 484頁/本体価格3,600円(税別)
- 【目次】
風の吹く町で1 やらずぶったくり/ブルゥフレーム/モダンお長屋
風の吹く町で2 ケチでない歌手/カンちがい看板/つり出し番組/汽車ポッポ
風の吹く町で3 現場へつれてゆく/あつい礼儀/タイトスカート/泳げない先生
風の吹く町で4 〈消費者のために〉という言葉は美しいが……
風の吹く町で5 類似品アリ、ゴ注意クダサイ
風の吹く町で6 クジビキ券/トンチンカンニクス/多すぎる踏切
風の吹く町で7 ゼニがなくともくよくよするな/アホらしいキカイ
風の吹く町で8 チョンマゲとネクタイ
[資料]この十五年という年と月と日々と
Ⅱ章 ぼくらは ぼくらの旗を立てる
お茶でも入れて10 1ケタの保険証
お茶でも入れて11 運動会がすんだら博覧会/いいかげんにしてくれ/二百八十億円
どぶねずみ色の若者たち
世界はあなたのためにはない
美しいものを
戦場
武器をすてよう
シェーファーのインク瓶
商品テスト入門
もののけじめ
国をまもるということ
無名戦士の墓 『朝日新聞』日曜版「東京だより」
見よぼくら一銭五厘の旗
[資料] 暮しの手帖の三つの幸せについて
あとがき 『一銭五厘の旗』(1971年10月)
Ⅲ章 ぼくには一本のペンがある
剣よりも強さ示そう
君もおまえも聞いてくれ 『文藝春秋』第50巻第3号
わが思索わが風土
1 校正の神様―本の目次に名入り/2 一夜の教え―言葉の本質を聞く/3「お母さん」―読めぬなら教えよ/4 子供のけんか―親とは別の世界/5 一本のペン―剣より強さ示そう『朝日新聞』連載「わが思索わが風土1~5」
内閣を倒した無学文盲の三人の女たち
未来は灰色だから
二十八年の日日を痛恨する歌
もう、時間はいくらも残っていない
作りばなし たのしきナンキンマメ
ぼくは、もう、投票しない
人間の手について
早春と青春
解説 津野海太郎 元編集者、評論家
[資料] 花森安治の仕事と主な作品年譜・1960~78年
- 解説は元編集者、評論家の津野海太郎さん
- 第3巻は、黒柳徹子さんが帯文を寄稿!
――黒柳徹子(女優・ユニセフ親善大使)
- 全3巻購入者特典!
特製レターセット&クリアファイル&表紙絵ポストカード(3枚)を応募者全員にプレゼント!
(応募締切 2021年3月31日消印有効)
- 12月19日開幕! 神戸ゆかりの美術館 特別展「花森安治『暮しの手帖』の絵と神戸」
花森安治が手がけた『暮しの手帖』の表紙原画を、関西で初めてお目にかける展覧会です。
暮しの手帖社所蔵の直筆原稿のほかにも、花森が編集長だった頃に本誌に登場した関西ゆかりの画家、作家に焦点を当てた展示を予定しています。2020年12月19日(土)~2021年3月14日(日) 前期12/19~1/31 後期 2/2~3/14
(前・後期で表紙原画の展示替がございます)
神戸ゆかりの美術館
神戸市東灘区向洋町中2丁目9-1 電話 078-858-1520
https://www.city.kobe.lg.jp/yukarimuseum/
- 著者
花森安治(はなもり・やすじ)
1911年、神戸市生まれ。旧制松江高等学校を経て、東京帝国大学文学部美学美術史学科に入学。
在学中より画家の佐野繁次郎に師事し、広告制作を手伝う。
そこでコピーや、手描き文字、挿画、文字の組み方、色彩感覚を学ぶ。卒業後応召し戦地へ。
病気除隊後、大政翼賛会の宣伝部に勤める。
敗戦後の1948年、大橋鎭子とともに『暮しの手帖』を創刊、初代編集長となる。
庶民に寄り添った衣食住の提案を行う傍ら、暮らしを脅かす戦争に反対し、
環境問題に際しては、国や企業に対しても臆することなく鋭い批判を投じた。
1956年 第4回菊池寛賞(花森安治と『暮しの手帖』編集部)、
1972年 著書『一銭五厘の旗』が第23回読売文学賞(随筆・紀行賞)、
同年に「日本の消費者、ことに抑圧された主婦たちの利益と権利と幸福に説得力のある支援を行った」との理由でラモン・マグサイサイ賞を受賞。
- 『花森安治選集』好評の既刊
第1巻「美しく着ることは、美しく暮すこと」
敗戦直後、服飾評論家として説いた美学。
ISBN 978-4-7660-0216-4/四六判 上製 函入 480頁/本体価格 3,600円(税別)
第2巻「ある日本人の暮し」
市井の人々の日常を捉えた、ルポルタージュの傑作。
ISBN 978-4-7660-0217-1/四六判 上製 函入 496頁/本体価格 3,600円(税別)
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