マーサー『気候変動の時代における投資―続編(Sequel)』を発表

気候変動が投資パフォーマンス(リターン)に与えている影響を機関投資家に提言

マーサージャパン株式会社

マーサーの最新の気候変動レポートは、投資家が投資リスクを軽減し、投資機会にアクセスするために検討しうる短長期の行動を提案している。

組織人事・人材活用・資産運用などに関するサービスを提供するグローバル・コンサルティング会社であるマーサーは、気候変動シナリオ投資モデルの最新の調査結果『気候変動の時代における投資-続編』を発表した。2009年以降、マーサーは、投資家に向けて体系的なリスクとして、好評を博した『気候変動の時代における投資(2015年報告書)』を含む気候変動に関する調査研究とアドバイスを公表している。マーサーが公表している気候シナリオモデルは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の勧告と一致しており、何十年にもわたる「気候変動による収益への影響」を受ける将来予測を定量化し、すべての資産クラスと産業セクターにわたる、ポートフォリオ全体に対する気候関連の金融リスクを投資家が評価することを可能にしている。

『気候変動の時代における投資-続編』では、産業革命前からの世界の平均気温上昇を、 2℃、3℃、4℃とする3つの気候変動シナリオを基にして、2030年、2050年、2100年の3つの期間の投資モデルパターンを示している。より長期間(前回の2015年レポートでは2050年までの投資モデルを提示)からは、気温が上昇するごとに、自然災害の可能性と資源の可用性から予想される影響をより明確に可視化している。今回のモデルに新たに加えられたストレステストは、投資家が、そのシナリオが実際に起きる可能性やその市場浸透度、環境破壊の進み具合を見る上で、より突発的な変化がどのような影響を与えるかを評価することを可能にしている。

「重要な結論は、2℃目標シナリオへの投資は「必須」であり、かつ「投資機会」でもあるということです。この「必須」であるとしているのは、ほぼすべての資産クラス、地域、時間軸において、2℃目標シナリオは3℃目標や4℃目標シナリオと比較しても予想収益率が向上し、投資家にとってより良いリターンが得られるからです。また、「投資機会」としているのは、2℃目標シナリオでは既存産業が損失を被る可能性もありますが、低炭素化(脱炭素化)への移行により注目される投資機会が数多く存在するためです。このモデルは、持続可能な投資(ビジネス)資産をポートフォリオに組み込むことで投資パフォーマンスを向上させることが可能であることも示しています。今回のモデルで示された結果は注目に値するものであり、前回マーサーの『気候変動の時代における投資(2015年報告書)』で公表された内容をより強く支持し、気温上昇を2℃未満に抑える目標達成に向けた行動の緊急性を示しています。」と、マーサーの責任投資(RI)・グローバル・ビジネスリーダーのヘルガ・ビルグデン(Helga Birgden)は、述べている。

投資家はまた、この気候変動の時代において、投資の持つ潜在的、短期的な影響に注目すべきである。リターンへの影響を与える急激な変化は、均等にされた年間平均よりも起こりやすい。そのため、ストレステストは重要なツールとなる。

「2℃目標シナリオ、または4℃目標シナリオのそれぞれの確率を上昇させたテストを行ってみると、大きな価格変動イベントを起こす可能性があり、そのイベントは1年以内に+3%から-3%までのリターン格差を及ぼす。」と、ビルグデンは付け加えている。

当『続編(The Sequel)』は、「未来の担い手(フューチャー・メーカー/Future Maker)」アプローチを積極的に取り入れ、2℃目標シナリオへの移行を実行するための明確なフレームワークを投資家に提供している。前回の『気候変動の時期への投資(2015年報告書)』で定義されたように「未来の担い手(フューチャー・メーカー/Future Makers)」は、移行リスクに直面する企業に2℃目標シナリオに沿ったビジネスプランを提示するよう推奨し、政府に対してパリ協定を急ぎ実行するよう促している。そうすることによって、気候変動に対するコミットメントを強化させているのである。
※パリ協定…2015年にパリで開催された第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)にて締結された協定

「これは、世界経済フォーラム2019の報告書に記載されているリスク管理に関するもので、明らかにフィデューシャリーに関する問題なのです。資産運用担当者は、投資理念、ポリシー、プロセスからポートフォリオ構築の決定まで、投資プロセスのあらゆる段階で気候変動を考慮する必要があります。」とマーサーのグローバル投資調査責任者であるデブ・クラーク(Deb Clarke)は述べている。

マーサーはすでにオーストラリア、ヨーロッパおよびイギリスにおいて更新したモデルに基づき、多くの先駆的顧客に助言を提言しており、さらに、この新しいモデルをヨーロッパおよび太平洋地域のマーサーの運用戦略として、重要な分散型投資ポートフォリオに適用している。

マーサーの当該気候変動の取り組みは、責任投資(RI)ビジネスチームが主導する全社的なコラボレーションです。 マーサーの「責任投資への道筋」(Responsible Investment Pathway)は、マーサーが提供するRIサービス、つまり、投資の最も重要なプロセス(投資哲学、方針とプロセス、投資実行)全体をしたものである。

『気候変動の時代における投資-続編』報告書ダウンロードはこちら
https://www.mercer.co.jp/our-thinking/wealth/climate-change-the-sequel.html#contactForm


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会社概要

マーサージャパン株式会社

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URL
https://www.mercer.co.jp
業種
サービス業
本社所在地
東京都港区赤坂9丁目7番1号 ミッドタウン・タワー
電話番号
-
代表者名
草鹿 泰士
上場
未上場
資本金
-
設立
1978年02月