アリババクラウド、通義千問2.0と新業界別モデルを発表

顧客と開発者の急増するニーズに対応し、新AIモデル構築プラットフォームと革新的なクラウド製品群を発表

2023年10月31日、中国・杭州発 – アリババグループのデジタルテクノロジーとインテリジェンスの中枢であるアリババクラウドは本日、アリババの年次テクノロジーイベント「Apsara Conference」で、最新の大規模言語モデル(LLM)である「通義千問(Tongyi Qianwen)2.0」と新しい業界別モデルを発表しました。これらのサービスの発表は、アリババクラウドの最先端のAIイノベーションへの取り組みと、ビジネスのデジタル変革を推進するための継続的なコミットメントにおける重要な進展を示しています。


また、アリババクラウドは、生成AIの開発を支える強力なインフラに対する需要の増加を受け、AIモデルのトレーニングプラットフォームと一連の革新的なクラウド製品、ならびにオープンソースのAIモデルコミュニティとグローバルなAIスタートアップを強化するための新しい取り組みも発表しました。これらのリソースは、顧客企業、パートナー、開発者、スタートアップ、そしてより広範なコミュニティが生成AIの潜在能力を最大限に活用できるように支援します。

 

アリババグループ会長のジョセフ・ツァイ(蔡 崇信、Joe Tsai)は、次のように述べています。

「現在、中国のテクノロジー企業の80%と大規模モデル企業の約半数が、アリババクラウドを利用しています。当社はAI時代に最もオープンなクラウドを目指しています。アリババクラウドを通じて、誰もが簡単かつ手頃にAIを開発し利用できるようになり、特に中小企業がAIを活用して高い生産性を実現できるよう支援したいと考えています。」


通義千問2.0は、数千億のパラメータを持つ汎用LLMで、今年4月に発表された前のモデルに比べて大幅にアップグレードしました。このモデルは、言語理解、算術問題解決、質疑応答などの領域において、主要なLLMベンチマークを成功裏に上回っています。また、拡張したモデルサイズと改良アライメント技術により、複雑な指示の理解、コピーライティング、推論、記憶保持、幻覚の防止において高い能力を示しています。このモデルは現在、ウェブサイトやモバイルアプリケーション、開発者向けAPIを通じて一般に提供されています。


MMLU(マルチタスク言語理解)、C-Eval(中国語モデル評価)、GSM8K(算数問題解決)、HumanEval(多言語コード生成能力)などのベンチマークにおいて、通義千問2.0は、最先端モデルを含む既存の大規模言語モデルを上回りますMMLU(マルチタスク言語理解)、C-Eval(中国語モデル評価)、GSM8K(算数問題解決)、HumanEval(多言語コード生成能力)などのベンチマークにおいて、通義千問2.0は、最先端モデルを含む既存の大規模言語モデルを上回ります



業界別モデル: ビジネスパフォーマンス向上のためのAI

さらに、アリババクラウドは、企業がセクターを越えて生成AIの革新的な可能性を引き出し、ビジネスパフォーマンスを向上させるために、新しい業界に特化したモデルもリリースしました。網羅する業界別の分野には、カスタマーサポート、リーガル、ヘルスケア、ファイナンス、ドキュメント管理、オーディオ&ビデオ管理、コード開発、キャラクター作成などが含まれています。

アリババクラウド・インテリジェンス 最高技術責任者(CTO) 周靖人(Jingren Zhou)アリババクラウド・インテリジェンス 最高技術責任者(CTO) 周靖人(Jingren Zhou)

アリババクラウド・インテリジェンスの最高技術責任者(CTO)の周 靖人(Jingren Zhou)は、次のように述べています。

「大規模な言語モデルは、業界に計り知れない可能性をもたらす革命的な技術です。当社は最新の生成AI技術を駆使し、お客様が成長の機会を捉えられるよう尽力しています。企業が費用対効果の高い方法で生成AIの利点を最大限に享受できるように、より強力な基盤モデルと業種別のモデルに取り組んでいます。これらの取り組みを通じて、当社独自のモデルがお客様に真の価値を提供し、業務効率を向上させ、競争力を維持できることを期待しています。」


GenAIサービスプラットフォーム: 総合的なAIモデル構築プラットフォーム

生成AIの高まる需要に対応するため、アリババクラウドはモデル開発とアプリケーション構築プロセスの合理化を目的としたオールインワンのAIモデル構築プラットフォーム、GenAIサービスプラットフォームを発表しました。このプラットフォームは、データ管理、モデルの展開と評価、およびプロンプトエンジニアリングのための包括的なツールセットを提供し、あらゆる業界の企業が簡単に独自のAIモデルを開発できるようサポートしています。


生成AI開発を促進する革新的なクラウド製品

生成AIの開発に必要な高度なコンピューティングとデータ処理への需要増に応えるため、アリババクラウドは機械学習、コンテナ、データベースにわたる一連の革新的なクラウド製品を発表しました。


アリババクラウドは、LLMモデルのトレーニングと推論の効率向上を図るため、人工知能プラットフォーム(PAI)をアップグレードし、コンピューティングパワー、ネットワーク、ストレージ、コンピューティング、コンテナ、モデルのトレーニングと推論機能を強化しました。また、AIおよびメタバース・テクノロジー企業であるFutureverse社は、PAI上でテキストから音楽への生成モデルをトレーニングし、その高いパフォーマンスと拡張性を活用して、有効性と効率性を向上させています。


カスタマイズされた生成AIアプリケーションの迅速な構築を支援するため、アリババクラウドは、クラウドネイティブなデータウェアハウスAnalyticDB、クラウドネイティブなデータベースPolarDB、クラウドネイティブなマルチモデルデータベースLindormなど、さまざまなデータベースソリューションを独自のベクトルエンジンで強化しました。さらに、LLMを搭載したデータベースエコシステムツールであるインテリジェントなデータ分析アシスタントData Management Service(DMS)Data Co-pilotも導入しています。


アプリケーション開発のためのより効率的かつスケーラブルなクラウドインフラを実現するため、アリババクラウドは、クラウドコンピューティングリソースにコンテナサービスを統合する先駆的なサーバーレスソリューションであるAlibaba Cloud Container Compute Service(ACS)を発表しました。ACSにより、企業や開発者は、コンテナ中心の管理ソフトウェアであるKubernetesのリソースを、より費用対効果が高く、ユーザーフレンドリーな方法でデプロイできるようになります。


AI開発を促進するコミュニティ・プログラム

広範なAIコミュニティをサポートするため、アリババクラウドは、同社が主導するAIコミュニティであるModelScopeを含むオープンソースコミュニティへの貢献を増やすことを約束しました。このコミュニティは1年前に設立され、現在までに1億件以上のモデルがダウンロードされています。さらに、アリババクラウドは、今年11月に720億パラメータ版の通義千問をオープンソース化する予定です。


さらに、アリババクラウドはAlibaba Cloud Startup Catalystプログラムを発表しました。AI企業を含む有望なスタートアップ企業に最大12万米ドルのクラウドクレジット支援、無料のオンライン学習メンバーシップ、ネットワーキングの機会など、クラウドコンピューティングに関するリソース支援を提供します。


参考資料

通義千問:https://tongyi.aliyun.com/

GenAIサービスプラットフォーム:https://bailian.aliyun.com/

Alibaba Cloud Startup Catalystプログラム:https://www.alibabacloud.com/ja/startup

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会社概要

URL
-
業種
商業(卸売業、小売業)
本社所在地
東京都中央区京橋2-2-1 京橋エドグラン27F
電話番号
-
代表者名
エドワード・リュウ(Edward Liu)
上場
未上場
資本金
-
設立
2008年05月