『先端ロボティクス総覧白書2025年版』 発刊のお知らせ

INGS

一般社団法人 次世代社会システム研究開発機構(INGS)は2025年8月20日、『先端ロボティクス総覧白書2025年版』の発刊ならびにその概要を発表した。

 

【本白書編纂チームからのステートメント】

 

2025年/2026年のロボティクス分野は、AIロボティクス、デジタルツイン、センサーフュージョン、エッジAIの本格登場、生成AIやAIエージェント、マルチモーダル基盤モデルなどとの融合などが本格化し、これからのロボットの基盤構造を左右する重要な転換点を迎えている。さらに2025年は、ヒューマノイド・フィジカルAI、スウォーム制御、5G/6Gメタバース連携、群知能、極限環境ロボティクス、説明可能AI搭載ロボット、Sim-to-Real学習、といった動向が加速している。並行して、各国の標準化や規制(ISO/IEC 42001、産業安全規格、サイバーセキュリティ基準)が影響力を強める中、次世代の「事業機会とリスク」を俯瞰できる先端ロボティクス知識基盤が求められている。すなわち2025年/2026年はロボティクスにおいて、「テクノロジー爆発」から「社会実装拡大」への重要な橋渡し期として位置づけられる。

 

こうした背景のもと、本白書は、「技術的ブレークスルー」「商業化事例」「参入プレイヤーの動向」「市場成長シナリオ」」セクター別に特化したテクニカル・アドバイス」などを統合的にオーガナイズし、30+分野・600項目以上の技術トピックを網羅している。事業開発責任者、産業リーダー、研究開発者、ビジネスプランナー、スタートアップ企業、コンサルタント、アナリスト、投資家等に必要な知見を凝縮し、マルチユースの知見集として編纂されたレポートである。

 

 【本書のユニークバリュー】

 

多元的な購読者層に向けた“ピッチポイント”

 

● 産業界向け

-ROI事例掲載(資材管理AI導入で工数75%減 等)

-エッジAI・クラウド融合による大規模運用実績

-グローバル大手からスタートアップまでのベンチマーク

 

● 研究開発者向け

-最新アカデミックトレンド(イベントベースカメラ、量子ロボティクス等)

-世界主要大学・研究所の連携マップ

-教育・人材スキル設計ガイドライン

 

● ビジネスプランナー向け

-人間中心設計(Human-Centric AI)の要約

-医療/介護/生活支援ロボティクス実装

-社会的インパクトの分析● 投資家向け

-成長市場予測(2030年に40兆円規模)

-有望なスタートアップリスト&資金調達動向解析

-産業応用別「短期リターン/中長期リターン」セクター別マップ

 

● 政策・行政向け

-社会実装ロードマップ

-規制潮流

-国際標準化動向(ISO/IEC SC42など)

-安全・倫理・労働政策における新しい論点

-地域創生とテレオペレーション、農業ロボティクス連携の展望

-持続可能で公平な“ロボット社会実装”を推進

 

● 投資家・ファンド向け

-次のユニコーン候補探索

-市場成長率データ

 

● 大学・研究機関向け

-研究テーマと産業転用の橋渡しデータ提供

 

 

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 【本書の構成要素】

 

 

【技術進化の俯瞰】

 

1. AIロボティクスの洗練

-説明可能AI(XAI):意思決定の信頼性や透明性が重要課題。規制・ガバナンスと直結し、社会的受容に不可欠。

-フェデレーテッドラーニング:分散型学習を通じた協調ロボティクス。セキュリティ確保と産業間データ連携の新基盤。

-量子ロボティクス:強化学習との融合で次世代制御を実現。商業化は黎明期だが研究機関や大手ITが参入。

-マルチモーダル基盤モデル:視覚・言語・動作を横断的に統合、ロボット操作スキルを一般化。生成AI(GPT-4V、Geminiなど)との接続が進む。

-自己教師あり学習:環境からの試行錯誤で実世界適応を加速。スタートアップと研究機関がパイロット導入。

 

2. 高度センシングのブレークスルー

-視覚×触覚融合やニューロモルフィックセンサーなど、“人間的な感覚”を持つロボットが実用域へ。

-LiDAR+センサーフュージョンのアーキテクチャが標準化し、移動・検知精度を飛躍的に向上。

-量子センサー導入が進展し、インフラ監視や医療精密操作に実装。

 

3. エッジAI基盤の台頭

-NVIDIA JetsonやGoogle Coral等のSoCが普及、産業ロボットのリアルタイム自律性を支える。

-モデル圧縮・小型LLMによりウェアラブルやドローンにも搭載可能に。

-エッジ×クラウドのハイブリッド型が工場・都市・物流オペレーションの基盤に。

 

4. フィジカルAI・身体化知能

-Figure AIやTesla Optimusなど、身体性を持つヒューマノイドが産業・介護現場に実証導入。

-ニューロモルフィックロボティクスが脳型処理を模倣。リアルタイム運動制御・適応に直結。

-Sim-to-Real学習技術の成熟で、シミュレーション→実機展開が効率化。

 

【産業応用・市場動向】

 

1. 製造・建設

-無人工場・スマートファクトリー:大手建設会社(鹿島・清水・大林・大成)がPoC実施。資材管理・トンネルAI解析・自律走行建機実験などでROIが明確化。

-予測メンテナンス:AIによる時系列分析が一般導入段階に。ダウンタイム削減・コスト効率化が経営課題を直撃。

-3Dプリンタ+ロボット(AMR):部品製造と自動組立の融合でサプライチェーン最適化が進展。

 

2. 医療・ヘルスケア

-手術支援(国内:hinotori™、国際:Da Vinci対抗機等)が市場拡大。

-リハビリ・エクソスケルトン:高齢化社会・人手不足課題を背景に普及。

-遠隔手術・テレメディシン:5G/6G帯域とロボット支援診断で地方医療格差を是正。

 

3. 農林漁業

-自動収穫ロボット:温室栽培だけでなく露地栽培も実用期に。

-ドローン農薬散布・AI診断:マルチスペクトル画像とAI解析の統合で収穫量予測精度が飛躍。

-スタートアップ躍進:FarmWise(除草)、FlyPix AI(無コード農業AI)が注目。

 

4. 宇宙・極限環境

-地球外探査ロボット:月・火星での地表探査や居住施設建設を見据えた設計が進行。

-放射線耐性ロボット:福島第一廃炉事例が国際的リファレンスに。

-宇宙採掘システム:自律運搬・ロボット群協調による宇宙資源開発の市場創出。

 

5. サービス・介護・生活

-見守りロボット、排泄支援ロボット、リハビリ支援——高齢者市場拡大が日本から世界へ波及。

-ヒューマノイドやバイオミメティクス(柔軟・ソフトアクチュエータ)により、人間協調型が進展。

 

【企業・エコシステムの動向】

 

-プラットフォーマー:Google、Microsoft、AWS、NVIDIAが産業ロボ基盤の“操作系”を支配。

-産業リーダー:ABB、Fanuc、KUKA、安川電機、三菱電機がスマートファクトリソリューションへ。

-スタートアップ群:FarmWise(農業)、Figure AI(ヒューマノイド)、Serve Robotics(物流)、Adaptive(建設DX)など、資金調達とPoC導入が加速。

-研究機関:MIT、Stanford、理研、産総研等がマルチモーダル学習・Sim-to-Real研究を先導。

-日本企業:NEC/日立/ダイキンがデジタルツイン2.0を実装済み。パナソニック・京セラ・富士通も触覚センシングAIで台頭。

 

【政策・規制・標準化】

 

-ISO/IEC 42001:AIマネジメントシステム規格(倫理・透明性・説明責任)

-ISO/TS 15066:協働ロボット安全規格。産業実装で必須要件化。

-OPC UA for Robotics:データモデル標準化の進展により業界間相互運用性が向上。

-各国政策:

-米国:AI+ロボティクス安全標準整備、市場育成策。

-EU:AI法案を背景に倫理的透明性・データガバナンス強調。

-日本:ロボット政策支援(スマート農業、介護ロボ)、地域創生に直結。

 

【将来展望・シナリオ2025-2035】

 

1.ロボット群協調(Swarm AI):物流・農業・宇宙で「群制御×分散知能」社会基盤へ。

2.人間拡張との融合:BMI(ブレイン・マシン・インターフェイス)+エクソスーツで「人間×ロボットのコボット社会」へ。

3.生成AIの現場標準化:マニュアル自動更新、組立・保守作業のプロンプト駆動。技能継承・安全強化に直結。

4.社会的実装の加速:介護・農業・建設・製造で人手不足対応が主要推進力。

5.市場規模:2030年にはグローバルで2,500億ドル規模(2024年比2倍超成長)。日本市場も19.7兆円へ拡大予測。

 

 

【2025–2030 ロードマップ・カバレッジ】

 

市場と技術の到達点を両輪で整理。各年の重点は「現場適用スケール」と「安全・標準・運用の成熟度」を軸に定義。

本ロードマップは、先端ロボティクスのAI統合、センシング、エッジ/クラウド、デジタルツイン、協働/安全、スウォーム、ソフトロボ、ヒューマノイド、産業/医療/農業等の主要ユースケースを俯瞰し、2025–2030の到達点を段階化して整理。

-実装の鍵は、モデル軽量化と低遅延制御、ガバナンスと安全、データ/運用の標準化、そして現場で回るMLOps/RobOps体制。

 

2025:現場実装の臨界点

 

-モデル軽量化×エッジ推論が量産機で標準化(量子化/蒸留/プルーニング、100ms級応答)

-デジタルツイン2.0(実機常時同期/クローズドループ最適化)導入が先進工場で拡大

-LLM/VLAの現場統合(自然言語指示、作業手順自動生成、ログ解析)がPoC→本番へ

-協働安全・HRI規格準拠のCobot普及、バーチャルコミッショニング常用化

<マイルストーン>

-現場KPI:工数20–40%削減、ダウンタイム15–25%削減の事例が増加

-運用:OTA安全枠組み、監視・リカバリの標準運用(AIOps/Observability)

 

2026:ハイブリッド自律の定着

 

-エッジ×クラウドの役割分担が定式化(現場推論/上位最適計画/再学習のサイクル)

-継続学習/オンライン学習が実運用に浸透、データガバナンスと評価指標が整備

-マルチモーダル触覚×視覚による精密把持、両手操作の安定化(微細部品・食品等)

-マルチエージェント協調(AMR群・ドローン群)で分散タスク割当が実運用へ

<マイルストーン>

-KPI:品質不良・リワーク10–20%減、搬送/在庫最適で回転率向上

-標準/安全:OPC UA for Robotics/ROS-Industrialの実装範囲拡大

 

2027:フィジカルAIの量産展開

-生成AI×運動計画(拡散モデル/MPC/模倣学習)で未知タスク適応が加速

-形態変化・ソフトロボの局所採用(食品/医療/保全)と再構成アルゴリズムの商用化

-異種ロボ協調(AGV×アーム×ヒューマノイド)の実ライン統合、MES/ERP同期

-セキュリティ:SBOM/ゼロトラストのロボ適用が一般化、フォールトインジェクション試験が定着

<マイルストーン>

-KPI:多拠点横断の最適化、全体設備効率(OEE)5–10pt向上

-人材/運用:RobOps/MLEの職掌定着、SLO設計とSLA連動

 

2028:自己改善型オペレーション

 

-デジタルツイン主導の自動パラメータ最適化、閉ループ品質/エネルギー最適

-スウォーム×ブロックチェーン/監査ログで広域分散の信頼運用(建設/防災/検査)

-医療・遠隔支援での規制整備進展、術場/治療/リハの統合データ駆動運用

-農業/環境モニタでマルチスペクトル・土壌/気象融合の地域運用クラスタ成立

<マイルストーン>

-KPI:自動調整/スケジューリングでスループット10–20%改善、エネルギー10–15%削減

-標準化:AI評価・運用監査、HRI/安全ケースの国際整合が進む

 

2029:異種・多拠点シームレス統合

 

-グローバル多拠点の一元最適(生産/物流/保守)と自律連携、シナリオ自動生成

-ヒューマノイドの限定運用領域での生産性実証(設備補助・搬送・点検)、TCO合理化の道筋

-4Dプリント/自己修復材料と連動した保全の自動化サイクル

-マルチエージェント×都市インフラ(ローカル5G/エッジMEC)の常設化

<マイルストーン>

-KPI:在庫/搬送/作業者協調の全体最適、CO2・コスト可視化と持続性KPIの一体運用

-ガバナンス:説明責任/倫理監査の仕組み化と監督ダッシュボードの普及

(以下略)

 

 

実装ロードマップの推奨行動(各年の着手ポイント)

 

-2025:現場PoCから「運用前提」へ。OTA/監視/権限/審査を含めた導入設計。エッジ推論の標準構成を確立

-2026:継続学習/モデル更新プロセスをMLOps/RobOpsに統合。データガバナンス/評価指標を制度化

-2027:ヒト–ロボ–システムの協調最適。異種ロボ協調とMES/ERP接続のテンプレート化、セキュリティ演習を定常化

-2028:ツイン主導の自動最適化を拡大。広域・スウォーム適用に向けた監査ログ・台帳・復旧演習の整備

-2029:多拠点統合と国際標準準拠の運用監査。ヒューマノイドの限定領域での効果検証とTCO管理

-2030:自律社会基盤の要件(安全・倫理・相互運用・人材)を経営KPIへ統合、継続的改善の文化として定着

 

 

ロボティクスはもはや“エンジニア専用分野”ではない。本白書は、産業人材、倫理専門家、行政担当者、投資家、研究者、市民すべてに開かれた知識のレファレンスとして編纂し、ロボティクスに係るすべてのステークホルダーにおける新たな座標軸として活用されることを目指している。

 

[以上]

 

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▼ 内容等の詳細は、下記(リンク先)をご参照ください。

 

先端ロボティクス総覧白書2025年版 製本版

https://www.x-sophia.com/?pid=188044033

 

先端ロボティクス総覧白書2025年版 PDF版

https://www.x-sophia.com/?pid=188044040

 

(※ 「PDF版」はeメール/ダウンロードでの納品方法にも対応しています)

 

● 監修・発行:

 

発行:一般社団法人 次世代社会システム研究開発機構

 

● 発刊日

 

2025年87月

 

■ 法人案内Webサイト(メディア向けのお問い合わせ先)

 

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このうち、当団体の各種刊行物については、日本・海外の政府系シンクタンク、国内の主要研究所、コンサルティングファーム、産学官連携団体、大学、研究所、大手企業、投資ファンド、ベンチャーなどに納め、多数のご高評をいただき、今日に至っている。延べ、数百巻の刊行実績を持つ。英語版、中国語版を刊行し、対象とする購読層の幅を広げている。

 

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東京都品川区南品川4丁目4番17号 品川サウスタワー
電話番号
03-5843-4365
代表者名
森田 進
上場
未上場
資本金
-
設立
2014年09月