ベクターとマヒンドラが戦略的コラボレーションを開始
マヒンドラのElectric Origin SUV向けに将来対応可能なSDV(Software-Defined Vehicle)アーキテクチャを協働構築
バンガロール(インド)2025年1月10日 – Mahindra(以下、マヒンドラ)は、増え続けるSoftware-Defined Vehicles(SDV)の需要に対応するため、Vector Informatik GmbH(以下、ベクター)と戦略的パートナーシップを開始し、ネットワークアーキテクチャの強化と将来の課題への備えを強化しました。ベクターは、35年以上にわたり、自動車開発分野の組み込みシステムとデジタル化をリードするエキスパートとして、幅広い技術コンサルティングサービスとソリューションを提供しています。ベクターのソリューションは、ネットワーク設計やユースケース定義から、OTA(Over-the-Air)機能の実装、バックエンドインフラ、セキュリティ、ソフトウェアファクトリー(Software Factory)、HIL(Hardware-in-the-Loop)およびSIL(Software-in-the-Loop)のテストソリューションに至るまで、SDV開発のあらゆる重要な側面をカバーします。
このたびのコラボレーションは、将来も利用可能なSDVアーキテクチャを構築すると同時に、移植可能なコンポーネントを取り入れるという2つの課題を焦点に進められました。このプロジェクトには、既存のソフトウェアアーキテクチャコンポーネントの統合と共に、コアとなる高性能コンピューティング(HPC)とドメインアーキテクチャの完全な再開発が求められました。大規模なアーキテクチャ変更に関する懸念に対処するため、マヒンドラとベクターは、他のパートナーたちとも緊密に協力して目的を同じくし、すべての要件が満たされるようプロジェクトを進めました。わずか1年という野心的なスケジュールにもかかわらず、プロジェクト関係者は成功へのコミットメントを強く持ち続けました。
この取り組みの始まりは、シュツットガルトとインドで開催された一連のコラボレーションワークショップでした。これらのワークショップが、ベクターのアプローチ手法の共有、マヒンドラとそのサプライヤーの要件への対応、統一された開発プロセスを定義するためのプラットフォームとなりました。マヒンドラの経営陣は、将来を見据えたSDVアーキテクチャを採用するという明確かつ戦略的な決定の下、エンジニアリングチーム、サプライヤー、そして、ベクターのインド支社のサポートチームと連携しました。
このコラボレーションの結果、Ethernet(ETH)をネットワークバックボーンとして活用した、3つのHPCと3つのゾーンECUを相互接続する堅牢なソリューションが実現しました。HPCのベースレイヤーには、ベクターのMICROSAR Adaptiveが選ばれました。MICROSAR Adaptiveは機能安全アプリケーションとして、そして、Androidはインフォテインメントプラットフォームとして採用されました。また、Androidシステムと車両をシームレスに統合するため、ベクターの診断ソリューションとSOME/IP通信ソリューションも採用されました。
ベクターとマヒンドラは互いの献身と緊密な協力によって、1年という厳しい期間内に野心的なプロジェクトを成功裏に完了させ、「MAIA – Mahindra Artificial Intelligence Architecture」と名付けられたHPCとゾーンECUのためのミドルウェアプラットフォームを定義するに至りました。
ベクターの包括的なサポートには、組み込みソフトウェアだけでなく、SDVコンポーネントのHIL/SILテスト用ツールや機器も含まれており、サプライヤーには事前に統合されたMICROSAR AdaptiveおよびClassicのスタックが提供され、ソフトウェア統合のための継続的なサポートも提供されました。さらに、ベクターは、ネットワークアーキテクチャを長期的に使用可能なものとして最適化し、マヒンドラとサプライヤー間の戦略的な議論がSDVの包括的目標に沿うよう支援しました。
これらの共同アプローチの結果、マヒンドラは、複雑なSDV開発トピックについてサプライヤーと効率的に連携し、シームレスなアップデートと新しいアプリケーションの統合が可能なSDVアーキテクチャを確立することができました。モビリティの未来に向けたイノベーションを推進するには戦略的な協力関係が必要であることを、このパートナーシップは示しています。
ベクターグループ本社のVector Informatik GmbHで社長兼マネージングディレクターを務めるDr. Matthias Traubは、次のように述べています。「SDVへの変革の道をマヒンドラと共に歩むことを光栄に思います。ベクターは、お客様のビジョンを実現するための専門知識とツールを提供し、お客様をサポートすることに情熱を傾けています。互いの信頼関係、チームワーク、イノベーションに対する共通したコミットメントの姿勢を通じて何が達成できるのか。今回のコラボレーションは、それを明確に示すものだったと思います。マヒンドラのElectric Origin Platformに貢献できたことを誇りに思います。今後も、モビリティの未来にインパクトを与えていきたいと思っています」
Mahindra & Mahindra LtdのAutomotive Technology & Product DevelopmentのPresidentならびにMahindra Electric Automobile LimitedのJoint Managing Directorを務めるR.Velusamy氏は、次のように述べています。「マヒンドラは、将来にも対応可能な電動化プラットフォームを構築するというビジョンを掲げており、その実現にはSDVアーキテクチャとソフトウェアにおける深い専門知識を持つパートナーが必要でした。ベクターは、その点で豊富な知識、ツール、ソリューションを提供してくれました。その結果として生まれたアーキテクチャであるMAIAは、革新性と適応性、そして、お客様に最先端の技術を提供するという私たちのコミットメントを体現しています。ベクターとのパートナーシップは、モビリティの未来を共に形づくっていくという互いの決意の証であると思います」
【ベクターについて】
ベクターは、ソフトウェアベース電子システムとネットワーク開発のためのソフトウェアのツールおよびコンポーネントを提供する、リーディングカンパニーです。
ソフトウェアとエレクトロニクス開発における要件を熟知しているベクターは、この分野で35年の実績を持っています。世界33拠点で4,500人以上の従業員が、自動車業界および関連業界のメーカー様とサプライヤー様に、組み込みシステム開発用のツール、ソフトウェアコンポーネント、サービスなど、専門的な開発プラットフォームを提供しています。開発者の皆様が直面する複雑な課題を可能な限りシンプルかつ分かりやすく解決するエキスパートとして、世界中のお客様のテクノロジ開発を支援し、その成功に貢献しています。
本社はドイツのシュツットガルトにあり、アメリカ、ブラジル、フランス、イギリス、オーストリア、ルーマニア、イタリア、スペイン、スウェーデン、日本、中国、韓国、インドに拠点を展開しています。
ベクターは、効率的な技術ソリューションを提供することに情熱を注いでいます。ベクターは、組み込みシステム開発に必要な効率的ソリューションを提供してきた実績から、技術的に優れた、信頼ある開発パートナーとしてお客様から高い評価を頂いています。自動車、商用車、航空宇宙、輸送、制御工学に携わる世界中のお客様に、ベクターグループのソリューションと製品が選ばれています。
ベクター・ジャパン株式会社
所在地(東京本社):〒108-0075 東京都港区港南1-2-70 品川シーズンテラス 31F
設立:1998年8月
代表取締役社長:丹野 清嗣
URL:https://www.vector.com/jp/ja/
【マヒンドラについて】
マヒンドラグループは1945年に設立され、100カ国以上に26万人を超える従業員を擁する、世界でも最大かつ最も称賛される多国籍企業グループのひとつです。インドにおいて、農業機器、ユーティリティSUV、情報技術、金融サービスの分野で主導的地位を占めており、トラクターの販売台数は世界最多と言われています。再生可能エネルギー、農業、ロジスティクス、ホスピタリティ、不動産の分野でも強い存在感を示しています。
マヒンドラグループは、グローバルにESG(環境・社会・ガバナンス)をリードしており、農村部の繁栄促進と都市部の生活向上に注力。地域社会や人々の生活にポジティブな変化をもたらし、彼らが「Rise」(成長・発展)できるよう支援することを目標としています。