4次元モデルとWEBカメラのモニタリングを組み合わせたデジタルツインシステムを開発
デジタル空間に過去・現在・未来の現場を再現
株式会社奥村組(本社:大阪市阿倍野区、代表取締役社長:奥村太加典)と株式会社DTSインサイト(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:浅見伊佐夫)は、現場管理の高度化と効率化を図り、生産性の向上を実現する「4Dモデル・現場映像連携システム」(以下、「本システム」)を共同で開発しました。
【背景】
建設現場では、複雑な施工状況を正確に把握し、効率的に管理することが重要です。一般的に、担当者は定期的に現場を見回ることで、施工状況を把握していますが、工程が複雑な難工事や施工範囲の広い大規模工事では、現場の全体像を目視のみで把握することが困難である上、多大な時間と労力も要するという問題がありました。
この問題を解決するため、近年注目されているデジタルツイン技術※1を活用し、現場の状況を正確かつ容易に把握することのできるシステムを開発することとしました。
※1 現実空間のデータを取得し、リアルタイムでデジタル空間に再現する技術。
【概要・特徴】
本システムは、デジタル空間に4次元モデル※2で建設現場を再現するもの(図1)で、株式会社DTSインサイトのIoTプラットフォームの技術をベースに、奥村組独自の4次元シミュレーション※3技術とノウハウを組み合わせることで実現しました。
※2 3次元モデルに施工ステップごとの工程情報を付与したもの。
※3 4次元モデルを活用し、施工ステップに応じたシミュレーションを行うこと。
本システムの特徴は以下のとおりです。
①WEBブラウザ上での操作・閲覧機能
すべての操作をWEBブラウザ上で行えるため、高機能PCや特別なソフトウェアが不要であり、インターネット環境が整っていれば、事務所などの遠隔地からも現場の進行状況を反映した4次元モデルを確認できます。
②4次元シミュレーション機能
4次元モデル内の任意の場所に、あらかじめシステムに登録した重機や安全設備などの3次元モデルを配置することで、施工ステップに応じたシミュレーションを容易に行えます(図2)。
③過去映像記録機能
過去の4次元モデルとWEBカメラ映像をシステム上で閲覧可能です。クラウドストレージの容量を削減するため、WEBカメラの映像は一定期間経過後、自動的にタイムラプス動画に変換されます。
【現場適用】
本システムを奥村組の道路橋架け替え工事の現場に適用し、以下の事項を確認しました。
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事務所などの遠隔地からでも、デジタル空間上でリアルタイムに施工状況を把握できた。
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4次元シミュレーションを活用することにより、関係各所を交えた施工計画や交通規制などの検討をスムーズに行うことができた。
【今後の展開】
今後は、現場からのフィードバックをもとにシステムの使用性の改善を図るとともに、AIによる画像分析機能の開発なども検討し、本システムのさらなる高度化を目指します。
■会社概要
株式会社奥村組│OKUMURA CORPORATION(https://www.okumuragumi.co.jp/)
所在地 :大阪市阿倍野区松崎町2-2-2
代表者 :代表取締役社長 奥村 太加典
事業内容:総合建設業およびこれに関連する業務
本技術における役割:適用現場の提供/技術評価/実運用検討
株式会社DTSインサイト│DTS INSIGHT CORPORATION(https://www.dts-insight.co.jp/)
所在地 :東京都渋谷区代々木四丁目30番3号
代表者 :代表取締役社長 浅見 伊佐夫
事業内容:車載分野・組込み分野のシステム開発支援プロダクト開発販売、IoTを中心とした各分野のシステムインテグレーション
本技術における役割:IoTプラットフォームの提供・構築・運用・データモニタリング、独自機能の実現検討・開発
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社 奥村組
ICT統括センター イノベーション部
高尾 篤志(たかお あつし)
TEL:080-9936-1780
FAX:03-5427-8330
E-mail:atsushi.takao@okumuragumi.jp
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