土佐打刃物発祥の地の名物祭り!そして本気の“かかし”も見逃せない「第42回 刃物まつり&山田のかかしコンテスト」開催【イベントレポート】
物部川エリアの秋の風物詩、「刃物まつり」!高知県の伝統工芸品であり、香美市発祥といわれる「土佐打刃物」の歴史と魅力を多くの人に知ってもらおうというお祭りですが、他にも特色のある催しが満載なんです!


今回は高知県香美市で2025年10月18日(土)・19日(日)の二日間にわたって開催された「第42回 刃物まつり&山田のかかしコンテスト」の模様をご紹介します。
秋晴れの鏡野公園で開催


会場となるのは、香美市宮ノ口にある「鏡野公園」。ここは、かがみの池を中心に魚梁瀬杉など高知の植生を配置したエリアがある森のような公園で、日本さくら名所100選にも選ばれた県下有数のお花見スポットとしても知られています。刃物まつりは、公園の駐車場を利用して開催されます。(なお、祭り用の臨時駐車場が用意されていますので車での来場は可能です)
開会式では香美市商工会からの主催者挨拶のほか、テープカットのセレモニーが行われました。
包丁だけじゃない!職人謹製の刃物がずらり
刃物まつりの目玉といえば、香美市をはじめとする県内の鍛冶職人が集まる刃物の展示販売会です。

「土佐打刃物」は400年以上の歴史を誇る伝統工芸品。その発展のルーツには、県面積あたりの森林率日本一を誇る高知県において、斧(おの)や鉈(なた)などの刃物は山林の木材を伐採するために欠かせない道具であり、より高い性能や丈夫さが求められてきた背景があったといわれています。
職人の技量によってさまざまな形状をつくり出すことができる自由鍛造が特長というだけあり展示販売コーナーには多種多様な刃物がずらり! 主婦、プロの料理人、農家、猟師、林業の人、キャンパーなどさまざまな方がお目当ての刃物を求めてじっくり吟味。
「鯛を捌くのにおすすめの包丁は?」「根っこの硬い草を刈りやすい鎌は?」など積極的に質問や相談をする人の姿も多く、鍛冶職人さんのアドバイスを聞くことができるのも刃物まつりの魅力となっています。




また、コーナーの一角には、未来の土佐打刃物の鍛冶職人を育成する機関・鍛冶屋創生塾のブースもあり、塾生たちの作品展示や土佐打刃物のPR、さらに塾生の募集も行っていました。
多くの人の仕事や趣味を支えている品質の良い土佐打刃物を未来に残していくために、頑張っている方がたくさんいるのだと改めて実感しました。
感動の仕上がり!刃物研ぎコーナー
刃物まつりならではのコーナーといえば「刃物研ぎ」です。
来場者が持ち込んだ刃物を鍛冶職人のみなさんが研いでくれるもので、その仕上がりの良さに毎年高い人気を集めています。
研いでもらえる刃物は包丁、鎌、斧、鋏など幅広く、土佐打刃物以外も持ち込みOK。種類や状態によって研ぎ代は異なりますが数百円〜二千円程度とリーズナブルです。
実際に筆者も出刃包丁を研いでいただきました!


場内放送で引換券の番号が呼ばれたら仕上がりの合図。筆者は1時間程度で受け取ることができました。さてその仕上がりは・・・?


ブースにいた鍛冶職人さんに話を聞くと、二日間で1000本以上を研ぐ年もあるとのこと!大変な作業ですが、「刃物を大切に使い続けてもらうこと」は職人さんにとっても嬉しいことなので一本一本心を込めて研いでいるそうです。
感動するほどの仕上がりで、これはぜひ毎年研いでいただきたいという気持ちになりました。人気があるのも納得です!
本気が伝わる山田のかかしコンテスト

祭りのもう一つの目玉となっているのが「山田のかかしコンテスト」。個人や団体が製作した“かかし”が集うコンテストで、そのクオリティやアイデアは目を見張るものがあります。
36作品が会場を賑やかに彩るなか、発表された今年の最優秀賞と優秀賞はこちら!

デイサービスに通うお年寄りが何気なく話してくれる“昔の話”から着想を得たという作品。
お見合いや縁談で結ばれた二人の結婚式を再現したもので、土佐のおきゃく(宴会)の光景まで細かくつくり込んだ力作となっています。

また、優秀賞にこちらの5作品が選ばれました。惜しくも入賞を逃した作品もユーモアと愛情に満ちていて、コンテストにかける皆さんの本気を感じることができました。





幻の和牛を堪能!土佐あかうしのBBQ

刃物まつりはおいしいものも盛りだくさんとなっています!
毎年恒例となっている「焼肉プラザ」では、出荷頭数が少ないことから「幻の和牛」といわれている土佐あかうしのお肉を、炭火スタイルのBBQで味わうことができます。
このコーナーは大変人気で、若干の当日販売はありますが、毎年売り切れ必至のため香美市商工会のWEBサイトで行われる事前予約を申し込んでおくのがおすすめです。


物部川エリアの絶品グルメも満載

刃物まつりは、高知県内8か所で各会場ごとに地元感満載のグルメが楽しめる「土佐の豊穣祭」の物部川会場となっており、出店ブースには物部川流域(香美市・南国市・香南市)のおいしいものが多数販売されていました。


赤ちゃん連れから80代の方まで参加あんぱん食い競争

そして、観光博ものべすとですっかりお馴染みとなった「あんぱん食い競争」も行われました。
小さなお子さんから大人の方まで満員御礼の50名が参加。この日の最高齢である80代の女性は「あんぱん食い競争は初めてだけど、祭りだから楽しまんと!」と参加理由を話していました。

たくさんの出店やイベントはもちろんのこと、公園内ではゆっくり過ごせる広場やベンチもあり、秋晴れの心地よさを満喫できた一日でした。
帰ってからも研いだ包丁や展示販売コーナーで買った刃物を使う楽しみがあるのも刃物まつりの魅力です。しっかり使って来年も研いでもらおうと思います。
■開催概要
イベント名:第42回 刃物まつり&山田のかかしコンテスト
主催:香美市商工会・刃物まつり実行委員会
開催日:2025年10月18日(土)・19日(日)
開催時間:10:00~16:00
開催場所:鏡野公園(土佐山田町宮ノ口)
問い合わせ:香美市商工会 電話0887-53-4111

一般社団法人物部川DMO協議会
高知県南国市・香南市・香美市広域の観光地域づくりを推進するDMOです。連続テレビ小説「あんぱん」放送をきっかけに開催している観光博ものべすとの事務局となっています。3世代で楽しめる観光情報の発信やイベント・キャンペーン等を続々開催しています。
■ものべがわエリア観光博「ものべすと」とは?
連続テレビ小説「あんぱん」放送をきっかけに、やなせたかしゆかりの地・ものべがわエリアで開催されている観光博「ものべすと」。物部川の流れる香美市・南国市・香南市の3市地域全体をひとつの会場と見立て、自然・文化・歴史・食など、地域の魅力を楽しめる観光キャンペーンです。
地元の人たちとの交流や、ここでしか体験できないユニークな企画が目白押し。ものべだけのベストな旅をお楽しみください.
開催期間2025年3月29日~2026年2月8日
公式サイトURL:https://monobegawa.com/monobest/
■お問い合わせ先
物部川エリアでの観光博覧会実行委員会
事務局:一般社団法人物部川DMO協議会
高知県知事登録旅行業 第3-132号
〒783-0004高知県南国市大そね甲1705-5桜ビル2階
電話:088-802-5050/FAX:088-802-5051
営業時間:平日8:30~17:30
メール:web@monobegawa.com
公式サイトURL:https://monobegawa.com/monobest/
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