紙リサイクルは社会を映すー企業経営層と循環経済の新たな視点を共有ー

~社会構造、行動変容、地域共生への新たな視点~

公益財団法人古紙再生促進センター

研究会での論点イメージ

公益財団法人古紙再生促進センター(東京都中央区)は、公益財団法人 日本生産性本部とNPO法人 産学連携推進機構の共同企画による、「循環経済生産性ビジネス研究会(CE月例研究会)」において、企業経営層を対象に、「紙リサイクルはなぜ社会を映すのか~分別行動から見る循環の現実と地域共生~」をテーマとした講演を行いました。

 

講演では、「紙リサイクルは社会を映す鏡である」という視点から、世界や日本の社会構造の変化と紙資源循環との関係を俯瞰するとともに、可燃ごみ組成や雑がみを切り口に、市民の行動変容や地域循環共生社会のあり方について提起しました。講演後には、本研究会を共同企画するNPO法人 産学連携推進機構理事長・妹尾堅一郎氏との対談、参加者との質疑応答が行われ、循環経済時代に求められる資源循環のあり方について、約2時間半にわたり活発な議論が交わされました。

社会構造の変化は紙リサイクルにも現れる

 

講演では、人工衛星から見た世界や日本の夜景、世界人口の変化、紙・古紙需給の動向などを紹介し、紙リサイクルを社会構造の変化と結び付けて考察しました。

人口減少、高齢化、単身世帯の増加、デジタル化、地域コミュニティの変化など、社会構造そのものが紙の利用や古紙発生、ごみ組成に影響を与えています。また、世界では人口が増加する地域と古紙回収が十分に進んでいない地域が存在し、紙資源の需給ギャップが今後の循環経済における重要な課題となることも紹介しました。

紙リサイクルを単なる資源循環としてではなく、人々の暮らしや社会の変化を映し出す「社会の鏡」として捉え直すことの重要性を提起しました。

雑がみから始まる行動変容

講演後半では、家庭の可燃ごみ組成を紹介し、資源として利用可能な雑がみが依然として多く焼却されている現状を説明しました。

雑がみの掘り起こしは、紙資源の有効利用だけでなく、市民の分別行動を促し、地域コミュニティの活性化や地域循環共生社会の形成にもつながる取組です。当センターが自治体や企業、市民など多様な主体と進めてきた実践事例を紹介するとともに、循環経済を支えるためには、制度や技術だけではなく、市民が参加しやすい仕組みづくりが重要であることを説明しました。

また、意見交換では、従来のように「回収できない紙」や「禁忌品」を前面に示す考え方だけではなく、「まず資源になる紙を見つけてもらう」という、参加しやすい発想への転換についても示唆が共有されました。

企業経営層との対話から見えてきた循環経済の課題

 

講演後には妹尾堅一郎氏を交えて、約1時間にわたる対談を実施しました。

対談では、循環経済を支える社会システムや行動変容、地域との関わりなどについて意見が交わされ、紙リサイクルを入口に、人と地域をどうつないでいくかという視点から議論が深められました。

続く質疑応答では、日本型資源回収システムの将来像、欧米の資源循環との比較、日本人が培ってきた分別文化という社会資本の価値、人口減少や地方財政が厳しさを増す中での資源回収システムの持続可能性、資源循環関連法制度、難処理古紙利用技術のオープン化など、多岐にわたるテーマについて活発な意見交換が行われました。

企業経営層ならではの視点から、資源循環を環境分野にとどまらず、経営、地域社会、制度、技術を横断する課題として捉える議論が展開され、参加者の高い関心と熱意が感じられる研究会となりました。

地域循環共生社会の実現に向けて

 

今回の研究会では、紙リサイクルを単なる「紙を回収する仕組み」ではなく、人々の暮らしや社会構造を映し、人と地域をつなぐ社会システムとして捉える視点が共有されました。

古紙再生促進センターでは、「サステナブルチャレンジ2050」及び「Towards 2030 & Beyond」のもと、紙リサイクルを通じた地域循環共生社会づくりを推進しています。今後も、自治体、企業、市民など多様な主体との共創を深めながら、行動変容を促す普及啓発と持続可能な紙資源循環の実現に向けた実践・情報発信を進めてまいります。

サステナブルチャレンジ2050・共創共生
Towards 2030 & Beyond
雑がみ掘り起こしに向けて(月刊廃棄物連載)

(コメント)NPO法人 産学連携推進機構理事長・妹尾堅一郎氏

本研究会は、サーキュラーエコノミーを、従来の「ゴミ眼鏡」ではなく、「資源眼鏡」で見直し、資源調達の観点からビジネスや産業がどのように貢献していくべきかを議論する企業経営者を主体とした会です。川上専務理事にご登壇いただいたのは、再資源化重視のリサイクルを実際に進めて「日本の優等生」と言われる古紙再生事業から学び、多様なヒントを得るためでした。実際にお話を伺うと、「優等生」評価に満足することなく、多様な問題や課題に実践的な挑戦をされていることに感銘を受けると共に、プラスチックやアルミ等の再生にも参考になること少なからず、多くの示唆を頂戴できました。充実した研究会になりましたことを感謝申し上げます。

(コメント)川上正智 古紙再生促進センター専務理事

今回の研究会では、紙リサイクルを切り口に、社会構造の変化や循環経済のあり方について、企業経営層の皆様と幅広く議論する機会をいただきました。対談や質疑応答では、日本の分別文化の価値や資源回収システムの持続可能性など、多くの示唆に富むご意見をいただきました。紙リサイクルは、資源を循環させるだけでなく、人々の暮らしや地域社会とのつながりを育み、未来の地域づくりにも貢献する取組です。今後も、多様な主体との共創を通じて、地域循環共生社会の実現と持続可能な循環経済に向けた実践と情報発信を積極的に進めてまいります。

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会社概要

URL
http://www.prpc.or.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都中央区入船3丁目10番9号 新富町ビル4階
電話番号
03-3537-6822
代表者名
長谷川 一郎
上場
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資本金
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設立
1974年03月