2018年新卒社員は感情の調整が苦手傾向~ストレスマネジメント力における課題が浮き彫りに~
- <ストレス対処方法(コーピング)>
「気晴らし」、「対人」の項目は、2017年新卒までは上昇傾向にあったが、2018年新卒は下降傾向に転じている。年々「積極対処」が下降し、「あきらめ」傾向が強まる傾向にある。
➡ ストレス対処方法のパターンが少なく、自身がストレスを感じたときの乗り越え方をあまり把握できていない。状況に合ったストレス対処方法を知り、セルフケアを学ぶ必要があると考えられる。 - <EQ>
「感情の理解」は年々上昇しているものの、他の項目については2016年新卒から2018年新卒にかけて年々下降している。特に「感情の調整」の低下が顕著である。
➡ 相手がなぜそのように感じるのか、感情の起こる原因は理解できているが、自身の感情に押し流され、感情的な行動を取ってしまう傾向にある。
<ストレス対処方法(コーピング)> *数字は偏差値
(項目の解説)
何か困難な出来事・状況を経験したときの対処方法を指す。適切な対処方法をとることによりストレス反応が生じにくくなるため、いろいろな対処方法をバランスよく使えることが望ましいとされる。
・「気晴らし」:気分転換や気晴らしをする/スコアが高いと、自分なりの方法で気分転換ができているといえる。
・「積極対処」:前向きに問題解決を目指す/スコアが高いと、嫌なこと・困難なことが起こった場合、前向きに問題解決を目指して対処行動を取る傾向があるといえる。
・「対人」:周囲の人に相談または援助を求める/スコアが高いと、周りの人に困っていることなどを打ち明け、援助を求めることで対処する傾向があるといえる。
・「否認」:不快なことなどに目を向けないようにする/スコアが高いと、問題から目を背けたり考えないようにしたりする傾向はないといえる。
・「あきらめ」:仕方がないこととして片付けようとする/スコアが高いと、いやなこと・困難なことが起こった場合、自力での解決をあきらめない傾向にあるといえる。
*「否認」「あきらめ」は意味が反転しており、思考/行動をしない方が値が高くなる(望ましくなる)
<EQ>
(項目の解説)
「感情をうまく管理し、利用できる能力」を指し、ビジネスシーンにおいて必要となるコミュニケーションの基礎能力ともいわれている。検査では、EQ理論提唱者による、EQを形成する以下の4つのEQ能力を測定する。
・「感情の識別」:気持ちを読み取る能力/スコアが高いと、相手の表情から、その人がどのように感じているかを正しく読み取ったり、その場の持つ雰囲気を的確に認識したりできる傾向がある。
・「感情の利用」:その場・状況にふさわしい気持ちになる能力/スコアが高いと、効果的な問題解決や、創造性を発揮するために、どのような感情を作り出せば良いのかを知り実際にその感情を作り出す能力を備えている傾向がある。
・「感情の理解」:気持ちから未来を予測する能力/スコアが高いと、相手がなぜそのように感じるのか、感情の起こる原因を正しく理解する傾向がある。
・「感情の調整」:気持ちをともなって実行する能力/スコアが高いと、感情的になった場面でも問題解決への最善行動は何かを考え、最も効果的な行動を取ることが できるといえる。対人関係を維持し、対人問題を解決するために、相手や状況に応じた最善な行動を取る傾向にある。
参考:「ストレスマネジメント力向上研修」について
「アドバンテッジ インサイト」のデータに裏付けられるように、企業の人事担当者からも「昨今の新卒社員は ストレスへの対処力が弱い」との声が挙がっています。
当社は、こうした課題を持つ企業に対し、「アドバンテッジ インサイト」を起点に、若手社員の「ストレス耐性」を高める「ストレスマネジメント力向上研修」を提供しています。当研修の受講者は事前にWeb検査を受検し、現在のストレス状態や、ストレスを感じやすい性格の傾向、ストレスの対処力、ストレスの緩和力などを測定します。研修は、ストレスに関する基礎知識をはじめ、検査結果から自身のストレスについての特徴を知ることで、自身に合ったストレス対処法を身につける内容となっています。
当研修を採用する企業は増加傾向にあり、リピートもあるなど、高い評価をいただいています。その一例として、キヤノンマーケティングジャパン株式会社の法人営業を担うビジネスソリューションカンパニーにて、新卒社員のストレス対処力を高めることを目的に、2015年より当研修を導入いただいています。
*同社ご担当者様のインタビューは『月刊人材教育2月号』にて掲載され、下記URLからもダウンロードできます。
https://armg.smktg.jp/public/seminar/view/320
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