VRによる新たな医療教育プラットフォーム「Holoeyes Edu」新発売!
2020年12月より国立看護大学校に基礎解剖のカリキュラム教材として導入開始
Holoeyes株式会社(東京都港区、代表取締役 谷口直嗣)は、VRによる新たな医療教育プラットフォーム「Holoeyes Edu」において国立看護大学校(東京都清瀬市、校長 井上智子)と提携し、2020年12月より看護学部看護学科の基礎解剖授業のカリキュラム教材として導入開始しました。
「Holoeyes Edu」とは
CT・MRIなどから汎用画像診断装置ワークステーションにて書き出した人体の3Dデータを、XR※として3D空間で表示、3Dデータと講師の動き、音声を記録・再生することによって教育コンテンツを作成、医療教育を行えるクラウドサービスです。
※XR (Extended reality)とは、仮想現実(VR)・拡張現実(AR)・複合現実(MR)の総称で、仮想世界と現実世界を融合して新たな環境・体験をつくり出す技術のこと
「Holoeyes Edu」は、従来のHoloeyesサービスとは異なり、高価なVR/MRデバイスは不要、スマートフォンと安価なダンボールゴーグルでVRを体験できます。
※2019年に国立看護大学校でトライアル実施した様子
「Holoeyes Edu」の特徴
①人体解剖・手技・術式をVRで立体空間的に理解できます
- CT・MRIから作成した人体の解剖データ(臓器・病巣) の 3DモデルをVR空間で立体的に表示
- VR空間で3Dモデルを自由に 移動・回転・サイズ変更・透過度変更可能
- 3Dモデルを自由な断面でスライス表示
- VR空間に文字・線・距離計測などを自由記入可能
②講師のオリジナルVR教材を作成し、追体感・共有・配信できます
- 3DモデルのVR閲覧時の視線と両手の動きを立体的に記録でき、音声も同時に録音
- 記録後、その動きと音声かを再現・オンライン配信し、誰でもVR空間で追体験可能
③必要なのはスマートフォン・VRダンボールゴーグル(¥100〜)・インターネット回線だけです
- 専用のスマートフォンアプリからVRコンテンツをダウンロード
- ¥100で購入可能なVRダンボールゴーグルにスマートフォンをセット
- いつでもどこでもVRコンテンツによる体験型学習が可能
国立看護大学校 生命科学教室教授 本間典子 先生のコメント
この度Holoeyesは、サービス最初の導入校として、国立看護大学校 本間典子 先生とともに、一般解剖データをベースにした授業コンテンツの共同制作を行いました。
- Holoeyes Eduを導入した理由
国⽴看護⼤学校に着任した当時(2017年)、国⽴看護⼤学校には、解剖体を見学させていただく実習機会がありませんでした。前任の以医学部では、学生と共に解剖するなかで、3次元(3D)の人体所見を2次元(2D)の教科書・アトラスと丁寧に見比べながら、解剖生理学を立体的に学んで参りましたので、本学においても3Dと2Dを行き来しながら学ぶ機会を創出する必要性を感じておりました。本学には⼈体模型も様々にあるのですが、解剖実習のように4-5人の学生に一体も提供するには及ばず、3次元での学習機会は十分とはいえませんでした。どうすれば、人体を、その学問や構造の「奥深さ」を備えたままで教授しうるのか・・・と思案していたところ、友人の紹介でHoloeyesの方々に出会い、理念が一致したため、「HoloeyesEdu」の開発に寄り添い、このたび導⼊を決めました。
- どんなことを期待してるか
AR人体の観察実習には、解剖体の見学実習とは異なる魅力があると感じています。何よりも異なるのは、本来3次元である⼈体を、学生たちがAR像として目の前に置き、好きな角度に回転させて任意の角度から観察したり、像に近づいて中に入ったりしながら、「遊ぶ」ように、学べるということです。初めてAR像を見る学生さんたちが口にする言葉は、「うわ!何これ?私の目の前に肺が立ってる。え?中に入れるの?あ、私、もしかして今、気管の中にいる??」といった驚きと面白さへの感動を表すものです。臓器を回したり、多様に観察したりする機会を得て、学生たちは、リラックスした状態で人体の構造と機能を自由に学び、味わい、人体をより⾝近に感じているように感じます。また、学友たちとその感動や気づきを共有することで学びを深め、看護のアセスメントをより深く理解できる力を養って欲しいと願っております。
そして、栄えある導入初年度の今年は、オンライン授業での導入となりました。先日、学生さんたちに遠隔授業を通して課題を出し、オンライングループワークで立体的に人体を学べるようにしてみましたが・・・よくも悪くも班長やグループの個性あふれる演習となりました。現在、学生とともに、そのより魅力的な在り方について試行錯誤しながら、演習を作り上げています。オンライン授業において学生と同じAR人体を共有しながら人体の構造を学べる点は、本当にありがたく思っています。
- 今後の展望
現時点では、3Dモデルデータ上に各部位の名前が表⽰されない、観察者の手がAR像の中に入れない等、まだまだ開発途中な部分もありますが、進化するスピードの速さをHoloeyesの皆さんは持っていらっしゃると感じています。今後、喫緊にリクエストしていきたい点としては、①静脈注射等、人体の構造の理解が重要視される看護技術が、実感をもって学べるようなガイドライン(ナビゲーション)の導入、②初学者に教員の視座を伝えるための教員オリジナル⾳声の挿入、がありますが、長期的には③複数名の学⽣が同時にひとつの像を⾒てディスカッションできるような、ホログラム要素を含んだ教材開発、などがあげられます。
<略歴>
本間典子, Ph.D(医学)
東京大学薬学部を卒業後、同大学で修士(薬学)、博士(医学)を取得。専門は細胞生物学・解剖学。2002年より東京大学大学院医学系研究科細胞生物学・解剖学教室にて助教、2012年より講師を務め、15年に渡り細胞生物学研究・解剖学・組織学教育に携わる。2017年より国立国際医療研究センター付属国立看護大学校の准教授となり、2020年より現職。
Holoeyes Eduの今後の展望
2021年より全国の医科大学・看護大学・専門学校等に向け、本格的なサービス展開を行ってまいります。各学校の教授・講師の方々とともに、新たな医療教育プラットフォームを作るべく、共同でVRコンテンツを作成し、そして共有することで、いつでもどこでも誰でも、最先端で高水準な医療教育を、VRを通して学ぶことができる世界を目指します。
また日本国内に限らず、インターネット環境とスマートフォンされあれば、医療教育が充実していない地域でも最先端の医療教育コンテンツを学ぶことができます。「Holoeyes Edu」は、VRによる教育を通して、世界の医療格差をなくし、医療技術の底上げをビジョンとしています。
<企業情報>
・社名:Holoeyes株式会社
・設立:2016年10月
・代表者 :谷口直嗣
・本社:東京都港区南青山二丁目17番地3 モーリンビル303
・URL:https://holoeyes.jp/
・第二種医療機器製造販売業許可:許可番号 13B2X10413
<学校情報>
・学校名:国立看護大学校
・設立:2001年4月
・大学校長:井上智子
・所在地:東京都清瀬市梅園1-2-1
・URL:http://www.ncn.ac.jp/index.html
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