【経営実務調査】2025年12月施行 改正建設業法への対応に関する意識調査

― 法改正の認知不足と、実務対応への不安が浮き彫りに ―

株式会社 アイピア

株式会社 アイピア(本社:兵庫県神戸市、代表取締役:森 輝三章、以下 アイピア)は、建設業の経営者・管理部門を対象に「2025年12月施行 改正建設業法への対応に関する意識調査」を実施いたしました。

2025年12月に施行された改正建設業法は、労務費の適正化や資材高騰に伴う価格転嫁の円滑化、長時間労働の是正など、建設業界の構造的課題に踏み込む抜本的な改正が行われました。
特に「著しく低い労務費」での契約禁止や、中央建設業審議会による「標準労務費」の提示など、現場実務に直結する変更点が多く含まれています。


本調査では、建設事業者を対象に、改正建設業法への認知度や実務上の懸念、デジタル対応の現状についてアンケートを実施しました。

本調査のポイント

  1. 改正建設業法の内容を十分に理解し、具体的な対応を進めている企業は1割強にとどまり、約4割が「改正を知らなかった」と回答。

  2. 法改正の方向性自体は約6割が肯定的に評価している一方、現場実務への影響については慎重な見方も残っている。

  3. 最大の経営・実務リスクは「長時間労働是正に伴う工期設定の適正化」であり、人手不足下での工程管理が課題となっている。

  4. 見積・契約実務では、標準単価の把握不足やエビデンス管理への不安が顕在化している。

  5. 行政手続のオンライン化・デジタル管理への対応は二極化しており、約4割が未検討と回答。

  6. 法改正対応としてのシステム導入は情報収集段階が多数派で、具体的な導入に至っている企業は少数にとどまっている。

調査結果詳細

改正建設業法の認知・理解度は依然として低水準

2025年12月に施行された改正建設業法について、「内容を詳しく理解しており、具体的な対応を進めている」と回答した企業は11.2%にとどまりました。
「概要は知っているが、具体的な対応はこれから検討する」が19.2%、「改正されることは知っているが、具体的な内容はよく知らない」が28.3%となっており、理解度には大きな差が見られます。
さらに、41.2%が「知らなかった」と回答し、施行後であっても認知不足が深刻な状況が浮き彫りとなりました。

【考察】

改正建設業法では、労務費の適正化や契約実務の透明性向上など、日常業務の根幹に関わる変更点が含まれています。
しかし、具体的な対応を進めている企業が1割強にとどまっていることから、法改正が自社の業務にどのような影響を及ぼすのか、まだ整理しきれていない企業が多い可能性があります。

すでに法改正が施行されている現状を踏まえると、認知拡大だけでなく、自社業務への具体的な影響を整理し、実務レベルでの対応方針を早急に明確化していくことが求められます。

法改正の方向性は肯定的に受け止められる一方、慎重姿勢も

法改正が建設業界の将来に与える影響については、「非常に肯定的」(10.8%)、「ある程度肯定的」(51.1%)を合わせて61.9%となりました。否定的な回答は少数にとどまり、制度の方向性そのものについては一定の支持を得ていることが分かります。
一方で、約3割の企業が「どちらともいえない」と回答しており、実務への影響をまだ見極めきれていない企業も一定数存在しています。

【考察】
労務費の適正化や長時間労働是正、価格転嫁の円滑化といった改正の趣旨は、建設業界が抱える構造的課題の解決につながるものとして前向きに受け止められていると考えられます。
その一方で、実際の運用段階では、工期設定の見直しや契約実務の変更、コスト構造への影響など、具体的な負担増を懸念する声もあります。
制度の方向性には賛同しているものの、実際にどのように対応すべきかが明確でないことが、慎重な姿勢につながっていると考えられます。

最大の実務リスクは「長時間労働是正に伴う工期設定の見直し」

今回の法改正において、経営・実務上のリスクとして最も多く挙げられたのは、「長時間労働の是正(週休2日の確保)に伴う工期設定の適正化」(30.5%)でした。
次いで、「資材高騰分の価格転嫁を円滑にすること」(28.1%)、「労務費の行き渡りへの対応」(20.0%)が続いています。
労務費・資材費・工期といった、利益や受注計画に直結する項目が上位を占める結果となりました。

【考察】

時間外労働の上限規制が本格化する中、これまでの工程前提では工期の延長を余儀なくされる可能性があります。工期が延びれば、受注計画や利益の見直しが必要となり、経営への影響も避けられません。特に人手不足が深刻な企業ほど、限られた人員で工期と品質を両立させることが難しく、収益性の低下や受注機会の制限につながる懸念があります。

さらに、労務費の適正化や資材高騰への対応も求められる中、コスト管理と工程管理を同時に見直す必要があり、法改正は現場運営だけでなく、経営計画全体に影響を及ぼすテーマであるといえます。

見積・契約実務ではエビデンス不足への不安が顕在化

改正建設業法では「著しく低い労務費」での契約に対し、勧告や是正命令が出される可能性があります。
これを受け、見積・契約実務における不安要素としては、「労務費が適正か判断する標準単価の社内把握が不十分」(25.4%)、「現場ごとの収支管理がアナログで、労務費や資材費の変動を追えていない」(21.2%)、「下請業者との合意形成プロセスの証跡が残っていない」(19.8%)など、複数の課題が挙げられました。
一方で、「特に不安はない」との回答も46.8%に上っています。

【考察】

改正建設業法では、労務費が適正かどうかを説明できることがより重要になります。そのため、見積金額の根拠や、下請業者との合意内容を正確に記録しておく体制が求められます。
しかし、標準単価を十分に把握できていない企業や、収支管理をアナログで行っている企業も少なくありません。その場合、「なぜその金額になったのか」を後から説明することが難しくなる可能性があります。

今後は、単に金額を調整するだけでなく、見積の根拠や合意の経緯をデータとして残せる仕組みづくりが、法令対応だけでなく、取引先からの信頼を守るうえでも重要になるといえます。

デジタル対応は進展する企業と未検討層の差が顕在化

行政手続のオンライン化や情報のデジタル管理への対応状況について、「既にデジタル化を完了し、法令に即した情報管理体制を構築している」と回答した企業は13.2%にとどまりました。
一方で、「必要性は感じるが、具体的な体制整備に苦慮している」が28.3%、「現時点では検討していない」が42.9%と、対応が進んでいない層が多数を占める結果となりました。

【考察】
改正建設業法では、契約内容や労務費の妥当性、合意形成のプロセスなどについて、より高い透明性と説明責任が求められます。
そのため、情報の適切な記録・保存・共有が不可欠となりますが、現状ではデジタル体制を整備できている企業は少数派にとどまっています。
対応が進んでいる企業と、まだ手を付けていない企業との間で差が広がれば、行政対応のスピードや取引先からの評価、さらには受注のしやすさにも影響が出るおそれがあります。
法改正への対応は単なるIT化ではなく、経営基盤の強化という視点で捉える必要があるといえます。

法改正対応に向けて外部システムに求められる機能

今後の法改正対応(コンプライアンス強化)に向けて、外部システムに期待する機能としては、「導入後の運用サポートおよび、最新の法改正情報の自動提供」(39.4%)が最も多く挙げられました。次いで、「現場の施工実績と労務費支払いを紐づけて一元管理できるエビデンス管理機能」(33.6%)、「標準労務費に基づいた適正価格判定・アラート機能」(33.3%)が続いています。

【考察】
改正建設業法では、適正労務費の確保や契約内容の妥当性について、より高い説明責任が求められます。

そのため、単に業務を効率化するだけでなく、労務費の根拠や契約内容を正確に記録・管理できる仕組みへの関心が高まっていると考えられます。
また、運用サポートや最新情報の提供が重視されている点から、導入後も継続的に実務を支援してくれる仕組みが求められていることがうかがえます。

法改正対応システムの導入は“様子見”が多数

本法改正への対策として、必要な機能を備えたシステムについて「既に導入している、または具体的に検討中」と回答した企業は10.3%にとどまりました。
一方で、「良いものがあれば検討したい」が25.6%、「まだ情報が足りないため、まずは情報収集をしたい」が27.0%となっており、約半数が“検討前段階”に位置していることが分かります。
また、「検討していない」との回答も37.1%に上っています。

【考察】

「法改正対応に向けて外部システムに求められる機能」という質問では、見積や契約の記録を管理できる機能や、導入後のサポート体制への期待が高い結果となりました。一方で、実際に導入している、あるいは具体的に検討している企業は少数にとどまっています。

これは、法改正への対応が必要だと感じながらも、自社に合う仕組みが分からないことや、費用や運用負担への不安が判断を難しくしているためと考えられます。

今後は、機能の説明だけでなく、実際にどのように活用されているのか、導入後の運用がどのように変わるのかを具体的に示せるかどうかが、導入の後押しにつながるといえます。

改正建設業法対応のポイントは「理解」と「実務体制の整備」にある

本調査から、2025年12月に施行された改正建設業法について、制度の方向性は前向きに受け止められている一方で、内容を十分に理解し、具体的な対応まで進めている企業は多くないことが分かりました。実際に対応を進めている企業は1割強にとどまっています。

また、長時間労働是正に伴う工期の見直しや、適正労務費を説明できる体制づくりなど、経営と現場の双方で新たな対応が求められています。

今後は、法改正の内容を正しく理解するだけでなく、見積・契約・労務費管理といった日常業務にどのように落とし込むかが重要になります。実務を支える仕組みを整えられるかどうかが、企業の持続的な成長を左右するポイントになるといえるでしょう。


アンケートに関する詳細

調査概要:【経営実務調査】2025年12月施行 改正建設業法への対応に関する意識調査
調査目的:建設業界における2025年12月施行 改正建設業法への対応に関する意識調査のため

調査対象:25歳~60歳の建設業従事者
調査期間:2026年1月28日
調査方法:WEBアンケート

有効回答者数:1,000名

■本件に関する補足
本調査では、建設業従事者1,000名を対象にアンケートを実施しました。

本調査は、経営層のみならず、現場技術者や事務担当者、自営業者など幅広い立場の回答者を含んでいるため、企業としての正式方針とは必ずしも一致しない可能性があります。また、企業規模や地域、業態によっても対応状況には差が生じると考えられます。

数値の解釈にあたっては、調査対象の属性や手法の特性を踏まえてご参照ください。

■本件に関するお問い合わせ先
株式会社 アイピア 編集部:info@aippear.com


◆建築業向け管理システム 「アイピア」について https://aippearnet.com/

アイピアは建築業に特化したクラウド業務管理システムです。

顧客情報や案件情報といった基本情報の管理から進捗管理・見積作成・原価管理・受発注などの営業管理、請求・入金管理まで建築業のバックオフィス業務を一元管理することで、事務作業時間の削減や業務の効率化、会社状況の見える化に貢献します。

◆株式会社 アイピアについて

会社名:株式会社 アイピア

所在地:〒650-0031 兵庫県神戸市中央区東町123-1 貿易ビル503

代表者:代表取締役 森 輝三章

事業内容:

・業務管理システム「アイピア」の開発・販売・サポート

・建築業向けメディア「建設ITラボ」運営

・建築業向け転職支援サービス「AIPPEAR JOB(アイピアジョブ)」の提供

・建築業向けエクセルテンプレート提供サイト「建築業向けテンプレート集 アイピア」の運営

・その他ITシステムの請負開発

・ITコンサルティング

連絡先: 078-335-8975

メール: info@aippear.com

会社HP:https://aippearnet.com/

アイピアジョブHP(人材事業) :https://kensetsu.aippear-job.com/

建築業向け管理システム「アイピア」活用術 :https://aippear-kenchiku.com/

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本社所在地
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電話番号
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代表者名
森  輝三章
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
2018年01月