若年層のプレミアム日本酒志向高まる ─ 2020年 日本酒の飲用に関する消費者動向調査

株式会社Clear

日本酒に特化した事業を展開する株式会社Clear(所在地:東京都渋谷区、代表取締役:生駒龍史、以下「当社」)は2020年1月28日から2月11日に、当社が運営する日本酒専門WEBメディアSAKETIMES( https://jp.sake-times.com/ )にて、日本酒を飲用する成人男女2,215名に「日本酒の飲用に関する消費者動向調査」を行いました。

SAKETIMESでは2017年( https://jp.sake-times.com/think/study/sake_questionnaire173 )、2019年( https://jp.sake-times.com/think/study/sake_questionnaire192 )にも同様の調査を実施しています。前2回では回答者属性に変化はありませんでしたが、今回の調査では20~30代の若年層からの回答と、女性比率が増えた結果となりました。日本酒の飲用頻度について、若年層は「月に1~2日」「週に1日」の頻度でライトに日本酒を楽しみ、40代以上の中・高年層は「週に2~3日」「週に4日以上」の頻度で日常的に日本酒を楽しむ傾向があることが明らかになりました。

日本酒の購入予算に関しては、若年層が中・高年層よりも大きな予算を確保する傾向にあります。年代ごとに回答を比較すると、全体で最も回答を得た予算以上の選択肢となる「自宅用に2,000円以上」、「ギフト用に3,000円以上」の予算を持つ割合がおおよそ1~2割、若年層の方が中・高年層に比べて高い結果となりました。

また、若年層ほど外食で日本酒を楽しむ割合、自宅用では購入しない割合が高かったことや、男性は女性に比べてひとり飲みをする回答割合が高かったことから、性別・年代によって日本酒に対する印象や楽しみ方が異なっていることが分かります。今後も当社では、日本酒スタートアップとして日本酒に関する調査を行い、日本酒産業のさらなる発展を目指します。

◆ 主な調査結果

  1. 若年層の回答数が増加し、男女比が等しく
  2. 日本酒を飲む頻度:若年層はライトに、中・高年層は日常的に
  3. 日本酒を飲む場所:基本は家飲み。20代女性は唯一、外飲みがメジャー
  4. 日本酒を飲む機会: 男性のひとり飲みが顕著に
  5. 日本酒の購入予算:若年層のプレミアム志向が明らかに
  6. 日本酒を選ぶ基準:男性は「酒質」「スペック」、女性は「地域性」「デザイン」を重要視
  7. 日本酒ブーム: 半数以上が実感。50代女性では7割以上

①回答者属性:若年層の回答数が増加し、男女比が等しく
回答数が増加し、男女比が等しく有効回答は2,215件に達し、昨年の2014件から10%増加しました。回答者の男女比率は、昨年の調査では男性73%、女性27%でしたが、今回はそれぞれ約50%と、ほぼ等しくなっています。

調査媒体であるSAKETIMESの読者の男女比率は6:4です。また、アクセスの分析から、昨年までの調査に比べて「SAKETIMESに普段は訪れていない方々の、Twitterを経由した回答」が、700件以上増加したと推測しています。以上を踏まえて、今回の調査では普段のSAKETIMES読者に加え、より幅広い日本酒飲用者にご回答いただけたと考えております。

  年齢構成も昨年から変化しました。具体的には、20~30代の若年層の回答者が979人から1,413人に増加しています。40代もしくは50代以上の、中・高年層の回答数が前回に比べて200ほど減少したことも相まって、若年層の回答は昨年比で15pt増加しました。

②日本酒を飲む頻度:若年層はライトに、中・高年層は日常的に

今回の調査では昨年と比較して「週に4日以上」日本酒を飲む人の割合が12pt減少しました。「週に2~3日」も10ptほど減少し、その一方で「ひと月に1~2日程度」と回答した割合が20pt増加しています。

これには、上で見たような"昨年との回答者属性の違い"、すなわち、「若い年代の回答者の増加」と、「SNSを通じたSAKETIMES読者以外の幅広い日本酒飲用者による回答の増加」が大きく影響していると考えられます。

昨年に比べて回答者が増えた20~30代の傾向を確認すると、この世代の飲用頻度は「ひと月1~2日程度」または「週に1日程度」とライトに日本酒を楽しむ層が多く、7割~8割に達します。対して、40代の回答者のうち、「週に2~3日以上」の頻度で日本酒を飲むのは5割、50代以上では6割近くと、回答者の年代が上がるほど日本酒を日常的に楽しむ傾向がみられます。

③日本酒を飲む場所:基本は家飲み。20代女性は唯一、外飲みがメジャー

「日本酒をどこで飲むことが多いか」という質問への回答のうち、全体の45%にあたる1000名が「どちらかといえば自宅」という結果に。昨年の調査でも同回答の割合が48%だったことから、日本酒は家飲みが主流のようです。しかし、性別・年代別で見るとグラフ上に赤い枠で示した通り、20代女性は外飲みが主流となっていて、30代でも4割近くにのぼります。男性も、20~30代は3割ほどが外飲みの方が多いと回答しており、若い年代ほど外食時に日本酒を楽しむ層が存在するようです。


④日本酒を飲む機会: 男性のひとり飲みが顕著に

「日本酒を誰と飲むか」を聞いたところ、男性は「ひとりで」、女性は「ひとりで」「友達と」がもっとも多い結果となりました。男女間で10pt以上の差があったのは、男性の「ひとりで」、女性の「家族と」に対する回答でした。女性の「友達と」「恋人と」に対する回答の割合も、それぞれ5ptほど男性を上回っています。男性はひとり飲み、女性は誰かと一緒に日本酒を楽しむ機会が、それぞれ多い傾向があります。

⑤日本酒の購入予算:若年層のプレミアム志向が明らかに

自宅用に購入する日本酒の予算に関する回答では、20~30代の若年層の購入予算は中・高年層と比較して高い傾向にあることが分かりました。「2,000円~2,999円」、「3,000円~4,999円」もしくは「5,000円以上」を選択した割合は、20代では40pt、30代では38ptで、40代と50代の25ptと比べて10pt以上高くなっています。

自宅用の予算では、どの年代においても「1,000円~1,999円」に対する回答が最多でしたが、ギフト用では2,000円以上の回答に分散しました。また、「999円以下」の回答割合はどの年代でも0.5%未満となりました。年代別の傾向を見ると、自宅用と同様、ギフト用の日本酒の購入予算も若年層の方が高く設定しているようです。「3,000円~4,999円」、「5,000円以上」に対する回答割合は、若年層と中・高年層との間に10ptほどの差が開いています。

若年層では、「自宅用の日本酒は購入しない」もしくは「ギフトとして日本酒は選択しない」を選択した割合も高くなっていますが、購入すると回答した回答者に限れば、中・高年層が「日常酒としての日本酒」を楽しんでいるのに対し、若年層は比較的プレミアムな日本酒を「ご褒美や、こだわりの嗜好品として」楽しむ傾向があるのかもしれません。

⑥日本酒を選ぶ基準:男性は「スペック」、女性は「地域性」「デザイン」を重要視

日本酒を選ぶ時に重視する点に関する回答のうち、多く選ばれた選択肢を確認していきます。1位は「味わい」で、回答者の73%に選択されました。2位は「特定名称酒の種類」(51%)、3位は「価格」(49%)でした。「酒蔵」(47%)も含めた上位4つの選択肢は、回答者の約半数、もしくはそれ以上の回答者が重要視しています。

次に、男女間で選択に差がある回答を見ていきます。上図では、男性1106人と女性1098人の回答者のうち、特定の選択肢を選択した割合をそれぞれ男女別にグラフで表しています。図を上から確認していくと、なかでも目立って男性の回答割合が特に高いのは「酒蔵」「原料米の種類」「製法」「お酒独自の特徴」で、7pt~12ptほど、男性の選択率が高くなっています。一方、女性の選択割合が高かったのは「お酒が造られている地域」「ラベルデザイン」「料理との相性」の3つです。それぞれ6pt~9pt、女性の選択率が高くなりました。男性は日本酒の味わいと特に関連が深いような酒質やスペックを重要視し、女性は地域性やデザインなど、周辺情報を含めた項目も重要視する傾向にあるようです。

⑦日本酒ブーム: 半数以上が実感。50代女性では7割以上

日本酒の人気が高まってると感じるか5段階評価で回答を募ったところ、「感じる」「やや感じる」と回答した人は54%の1,196票でした。

世代・性別ごとの回答を比べてみると、日本酒の人気を感じている割合は、40代を除く世代で男性よりも女性の方が高い結果になりました。とくに50代以降の女性は、7割が日本酒ブームを実感しています。人気を感じる理由としては「日本酒を飲む若者」をよく見るようになったことや「専門店が増えたこと」などが多く挙がりました。
  • 調査概要
調査名:2020年 日本酒の飲用に関する消費者動向調査
調査対象:日本酒を飲用する成人男女
調査期間:2020年1月28日〜2月11日
調査方法:日本酒専門WEBメディア「SAKETIMES」によるインターネット調査
有効回答数:2,215件
※回答率(%)は小数点第1位を四捨五入し表示しています。複数回答の場合は、回答人数に対する割合を表示しています。そのため、合計値は必ずしも100%とはならない場合があります。
  • 調査データの引用・転載ついて
調査データを引用・転載する際は、必ず「出典:SAKETIMES」と明記いただけますようお願いいたします。引用・転載先がWebページである場合、当記事のURLをリンクしてご掲載ください。なお、転載連絡は不要です。
  • 会社概要
会社名:株式会社Clear
所在地:東京都渋谷区渋谷2-4-3 2F
設立:2013年2月
代表:生駒龍史
URL:http://clear-inc.net
事業内容:
- 日本酒専門WEBメディア「SAKETIMES」(https://jp.sake-times.com)の運営
- 海外向け日本酒WEBメディア「SAKETIMES International」(https://en.sake-times.com/)の運営
- 高級日本酒ブランド「SAKE100」(https://sake100.com)の運営
  • SAKETIMESについて
国内最大級の日本酒専門WEBメディアです。専門用語の解説から、日本酒にこだわるお店の紹介、お酒の楽しみ方解説、酒蔵のストーリーまで、様々な日本酒情報を毎日配信しています。実際に現場に足を運んで取材した1次情報を中心に掲載しています。酒蔵をメイン顧客とする記事広告のみを収益源とし、ユーザー体験を第一に考えたコンテンツを設計しています。月間90万ページビュー、40万ユニークユーザー。消費者はもちろん、業界関係者にもご利用いただいています。

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会社概要

株式会社Clear

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URL
http://clear-inc.net/
業種
商業(卸売業、小売業)
本社所在地
東京都渋谷区渋谷2丁目4−3 JP渋谷4階
電話番号
03-6455-3496
代表者名
生駒龍史
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2013年02月