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株式会社朝日出版社
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第一回 夏井いつきのおウチde俳句大賞、決定! 応募総数24519句の中から大賞に輝いたのは、福島県の佐藤儒艮さん!

株式会社朝日出版社

『夏井いつきのおウチde俳句』(朝日出版社刊)の刊行を記念して開催された「第一回おウチde俳句大賞」の授賞式が、令和元年の初日、5月1日に日比谷の松本楼にて行われました。

 


昨年11月8日から2月28日までの応募期間に集まった投句の数は、24519句。7歳から98歳まで、多岐にわたる年齢の方からご応募いただきました。

「おウチde俳句大賞」は、「リビング」「台所」「寝室」「玄関」「風呂」「トイレ」の6つの場所がテーマ。
「家の中にも俳句のタネはたくさん転がっているので、病気やケガ、介護などで外出がままならない人たちも、五感と第六感を使っておうちで俳句を楽しんでほしい」という思いから、選者である夏井いつき先生によって、優秀作30句、その中から各部門の最優秀賞が選ばれました。

夏井先生が全国で行っている「句会ライブ」の形式にのっとり、各部門の最優秀賞に選ばれた6作品に対して、さまざまな感想や句が詠まれた背景についての「鑑賞」が行われたのち、最後の一句である大賞は、会場に集まった100名の参加者たちの多数決によって決定いたしました。

 

■第一回おウチde俳句大賞(寝室部門  最優秀賞)
さへづりは礫寝返りの瞼に  佐藤儒艮


【作句にあたって】
田舎住んでいるので、今は5時ぐらい前から明るくなって、外では鳥がぴちぴち鳴いています。庭にはきじも入ってきて、礫どころかハンマーで殴られるかのようなケンケンという鳴き声も聞こえるほど。そんな風景を詠んだ句です。



 
■リビング部門 最優秀賞
居間に咲く牡丹のような母がいる  江戸川散歩


【作句にあたって】
20年前に母親が亡くなり、母を追想して詠んだ句です。苦しいことがあってもいつも笑顔で、太っ腹で、恰幅がよくて……。存在感があって、花にたとえると牡丹のイメージ。

母を懐かしみながら、ふっとこの句が思い浮かびました。


 
■台所部門 最優秀賞
もがりぶえひょうはくざいのにおいかな  水野結雅


【作句にあたって】
台所でふきんを洗っているときに、もがりぶえが聞こえてきて作った句です。

これは普段、僕が家でやっている仕事なんですが、もがりぶえと漂白剤って独特な感じがするし、もがりぶえは寂しい感じがするので、漂白剤とあっているかなと思いました。

 

■玄関部門 最優秀賞
夕虹や我が子を比べぬと誓う  荒谷恵友美


【作句にあたって】
4歳の息子がいます。3月で早生まれのこともあり、保育園のお友達よりも幼いところがあったのですが、家に一緒に帰ってきたときに、息子は初めてナマの虹を見ました。でも、まだ虹だと認識ができなくて、「どれ?どれ?」と聞かれて、玄関から出て「あれだよ」と指さして教えてあげると、初めて虹を認識して喜んでくれました。そのときに子どものことを愛おしく感じて詠んだ句です。

 ■風呂部門 最優秀賞
老いぼれの裸身の曇る鏡かな  冬のおこじょ


【作句にあたって】
まさかこの句が選ばれると思わなかったので、自分でもびっくりしています。寝室の句がいけるかなと思っていたので…。

たぶん、夏井先生の「湯冷めしてぞっとするほど父に似る」の句とリンクして詠んだんだと思います。

 

■トイレ部門 最優秀賞
無月なりトイレに鍵をする独居  ふるてい


【作句にあたって】
他の部門の句はたくさん作ったんですが、トイレだけできなくて…。トイレに入ったときに、僕は一人暮らしなのになんで鍵をしてるんだろうって思って作った句です。

きっと心の奥底でなんか怖いのかなと思ったりして。僕のビビりなところと無月を掛け合わせてみました。

 
第1回「おうちde俳句大賞」 優秀賞 三十選
【リビング部門】

リモコンの位置が変わつてゐて蜜柑     山本卓登
七階は雪の行方がわかる場所     上農多慶美
秋風が居間の手紙を読めという     村井康典
居間に咲く牡丹のような母がいる     江戸川散歩
藤寝椅子教師になりたかった父      猫愛すクリーム

【台所部門】
もがりぶえひょうはくざいのにおいかな      水野結雅
ブロッコリーゆであがる刹那熱唱     江口小春
ぶった切るキャベツの破片窓につく     豊田すばる
ばばのたくめしはやはらかはるうれひ     あねご
缶詰に賞味期限や鵙の贄     森田欣也

【寝室部門】
天ノ川二段ベッドニ集合セヨ     ワンダフルもずく
さへづりは礫寝返りの瞼に     佐藤儒艮
まばたきで礼せし妻の毛布替え      水田千種
春寒や死にきれぬほど散らかりぬ     こま
寝たきりの命の匂い梅雨明けぬ     あや

【玄関部門】
ドアチェーンかけて夜長を城とする     関口徹夫
なのかかんかまきりあまやどりぼくのあさがお     ましまのぶと
吹雪く日のセールスマンを入れにけり     大谷正太
玄関に夫の金槌日永かな     葵そら
夕虹や我が子を比べぬと誓う     荒谷恵友美
 
【風呂部門】
湯船から白鳥座見え子が嫁ぐ     三郎
爪立ててもつと柚子湯にしてあげる     松田夜市
夕顔や風呂に綺麗な声が住む     あいむ李景
老いぼれの裸身の曇る鏡かな     冬のおこじょ
涼しさや風呂場に母の髪を切る     紗千子

【トイレ部門】
月白の便器は泉花の冷     蟻馬次朗
無月なりトイレに鍵をする独居     ふるてい
血便の薔薇の花めく寒の入     にゃん
風邪の夜や雲踏むやうに行くトイレ     小野更紗
花びらの触れて勝手に開く便器     大塚迷路

 

 


なお、第二部では「ベランダ」をテーマに当日句会を開催し、10名の方が賞品を獲得。
北海道から沖縄まで、全国から集まった方たちが俳句を通じて交流を深め、第一回「おウチde俳句大賞」授賞式は、盛会のうちに終了いたしました。
 


授賞式を終えて  夏井いつき

こんなに面白い人が100人も集まるとは思っていませんでした。そして、こんな豊かな時間をご一緒できるとは思っていませんでした。

目の前にあるのはたった17音の俳句ですが、皆さんと一緒にそれを読み解いていくという時間のなんと豊かなことか。俳句の向こうにあるそれぞれの人生をみんなで共有させていただいている、そんな思いがいたしました。

私は日本じゅうで句会ライブをやっていますが、どの句会ライブでも、100人単位でも、多いときには1000人を超す句会ライブでも、皆さんと心を通い合わせることができる。それが本当にうれしいです。

そして、こういう場所に自分を置くと、私の体の中の血が全部浄化されてきれいになっていくような気持ちもいたします。

この「おウチde俳句大賞」というのは、「外に出られない私は俳句を作る資格がないのですか」「歩けない私は俳句を作ってはいけないのですか」「介護の両親を抱えていて日々の中に埋もれている私はもう二度と俳句を作れないのでしょうか」……、いろんなことを皆さんに言われて、その言葉が全部私の心に突き刺さっていました。そのような思いの果てに、今回「おウチde俳句」という本、そして「おウチde俳句大賞」というものが生まれました。

年に一度、ここに来ることを生きる糧にして暮らしていってくださる方が増えることがうれしゅうございます。来年こそは、このレインボーのところに自分の句が貼られるように、今日からおウチで一句、一緒に励んでまいりましょう。



 

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代表者名
小川洋一郎
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未上場
資本金
1600万円
設立
1962年06月
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