全国の公立学校と「共感VR」の活用事例を創出、STEAMライブラリーで無償公開
VR技術で社会課題を疑似体験するデジタル教材、探究学習に効果的と確認
NPO法人クロスフィールズ(以下、クロスフィールズ)は経済産業省「未来の教室」実証事業受託者として「VR/360度映像を活用し、社会課題への理解を深めるデジタル教材」を10コンテンツ開発しました。令和4年度は日本各地の中学校・高校と同教材の活用事例の創出に取り組むとともに、探究学習等への有効性を確認。これらの教育現場での活用事例が、このたび「未来の教室」STEAMライブラリーに無償公開 されましたのでお知らせします。
令和2年度よりクロスフィールズは、VR/360度映像を通じて国内外の社会課題の現場を体感する「共感VR」のデジタル教材を10コンテンツ(※)開発し、STEAMライブラリーで無償公開しています。教材で使用される複数の360度映像が1000回以上再生されるなど、全国の教育現場から関心が寄せられた一方で、「授業計画への取り入れ方や探究学習としての具体的な活用イメージがわからない」という声もありました。そこで今年度は教育現場で「共感VR」のデジタル教材の活用イメージを持っていただくため、5つの公立中学校・高校と協働し、活用事例の創出に取り組みました。
本取り組みは2022年9月から2023年2月に大阪・佐賀・兵庫・宮崎の公立中学校・高校、計5校と実施。各校は「共感VR」のデジタル教材を活用し、それぞれ探究学習の授業などで活用しました。その結果、「生徒が授業を通じて探究テーマを発見した」「授業の取り組み姿勢が向上した」「グループ議論の活性化につながった」 等の効果が確認されました。
これらの活用事例をまとめた教員向けの動画/資料をSTEAMライブラリーで公開しています。動画では授業風景や各校の担当者のコメントを紹介。また各資料では授業の組み立て方やデジタル教材の活用に向けた準備等の内容が公開されています。
本取り組みに参加した佐賀県立致遠館中学校の井手教諭は、以下のようコメントしています。
STEAMライブラリーのデジタル教材によって生徒のインプット量を増やすことができ、一人ひとりが本当に関心のあるテーマを見つけて調べて発表することにつながりました。また指導案やワークシートも揃っており、探究学習の授業を円滑に進めることができました。
クロスフィールズは今後もSTEAMライブラリーに掲載したデジタル教材の利⽤普及・拡⼤に向けて、全国の企業や⾃治体、教育機関と連携を強めていく予定です。本取り組みを通じてより多くの子どもたちへ社会課題との接点を提供し、社会課題を自分事化する人を増やす活動に取り組んでいきます。
【STEAMライブラリーとは】
経済産業省では、子ども達が「未来社会の創り手」に育つきっかけを提供すべく、産業界や研究機関等と連携し、学際的で探究的な学習のための多様なデジタルコンテンツを開発し「STEAMライブラリーVer.1」として2021年3月に無償公開しました。その後、全国の学校関係者によるフィードバックを踏まえながら、ウェブサイトのデザイン改修、コンテンツの修正・拡張、そして新規コンテンツの追加を実施し、2022年3月にリニューアルオープンしました。STEAMライブラリー: https://www.steam-library.go.jp
【NPO法人クロスフィールズ】
クロスフィールズは、国内外の社会課題の現場とビジネスパーソンをつなぐことで、社会課題解決とリーダー育成の両方を実現することを目指す非営利組織です。社会課題解決の現場に企業の社員が飛び込み、現地のNPOや社会的企業とともに課題解決に取り組む留職プログラムのほか、国内外の社会課題の現場を「体感」する経営幹部・役職者向け「社会課題体感フィールドスタディ」、VR/360度映像を活用して当事者の目線で社会課題を擬似体験する「共感VRワークショップ」など様々な事業を展開しています。ウェブサイト:https://crossfields.jp/
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