「入院中の子どもに付き添う家族の生活実態調査2025」開始
~3年ぶりの付き添い当事者向け実態調査を実施、医療機関向け付き添い環境調査も同時実施し2026年春、公表予定~
認定NPO法人キープ・スマイリング(東京都中央区、理事長:光原ゆき、以下キープ・スマイリング)は、入院中の子どもに付き添う家族の実態を明らかにすることを目的に、「入院中の子どもに付き添う家族の生活実態調査2025(以下「付き添い実態調査2025」)」を実施いたします。
本調査は、2022年に実施した「入院中の子どもに付き添う家族の生活実態調査2022(以下「付き添い実態調査2022」)」の続編として位置づけられるもので、前回調査の結果をきっかけに実現した診療報酬改定やこども家庭庁補助金の創設、日本小児科学会による声明発表などの動きを受け、付き添い環境がどのように変化したか、また依然として残る課題を把握することを目的としています。
調査は2025年12月にかけて実施し、同時期に実施する全国の医療機関を対象とした付き添い環境の実態と課題を把握する「小児の入院付き添いに関する病院実態調査2025」、都道府県を対象とした「付き添い環境改善への取り組みに関するヒアリング」と併せて、結果は2026年春に公表予定です。

■背景:国・医療現場双方での付き添い環境の改善に向けた現状とさらなる課題
前回の「付き添い実態調査2022」では、子どもの入院に付き添う家族の「食べられない・眠れない・目が離せない」という切実な声が全国から集まり、付き添い環境がいかに過酷であるかが浮き彫りになりました。さらに、親が休息や生活を犠牲にしながらケアの多くを担う「労力提供型の付き添い」という実態も明らかになりました。この結果を踏まえた要望書を国や学会に提出したことや社会的な機運もあり、以下の制度的変化が実現。付き添い環境の改善に向けた動きが国・医療現場双方で広がりました。
◎診療報酬改定:複数名の保育士や看護補助者の配置への評価、付き添い者の食と睡眠の配慮
◎日本小児科学会の声明:「付き添う・付き添わない」を家族が選べる環境と制度整備の必要性
◎こども家庭庁の補助金創設:病院における付き添い環境改善のハード面への補助
「保育士を追加で雇用できた」「付き添い食が提供されるようになった」といった前向きな変化の声が当団体に寄せられ、付き添い環境に改善の兆しが見え始めています。一方で、医療現場からは「地域差が大きい」「人材確保が難しい」「食や睡眠など基本的な環境整備が追いつかない」といった課題も上がっています。また当事者家族からも「休む時間がなく疲弊している」「食事の確保に困る」などの切実な声が寄せられています。こうした状況から、付き添い環境は改善に向けて動き出しているものの、なお課題が多く残されており、現在はまさに過渡期にあると考えられます。
今回の調査では、現状を正確に把握することで、全国の小児病棟の変化と課題を明らかにし、今後の政策提言や病院支援につなげることで、付き添い環境のさらなる改善を目指します。
■内容:全国の付き添い家族・医療機関・都道府県を対象に実施し2026年春に結果を発表予定
本調査に関する詳細は以下の通りです。

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目的 |
前回調査の結果をきっかけに実現した診療報酬改定やこども家庭庁補助金の創設などの動きを受け、付き添い環境がどのように変化したか、また依然として残る課題を把握する |
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スケジュール |
2025年10-12月:調査実施 2026年1-3月:回収、集計、分析 2026年4-6月:調査結果発表・要望書提出・記者会見・オンライン説明会など 2026年7月以降:学会発表・病院支援・好事例共有・伴走支援など |
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対象と主な内容 |
〇入院付き添い経験のある保護者: 食事・睡眠・経済・きょうだい支援などの実態と変化 ※「入院中の子どもに付き添う家族の生活実態調査2025」は12/14(日)締切 〇全国の小児医療機関: 付き添い環境、診療報酬改定による影響、補助金活用状況 〇全国47都道府県: 補助金の申請・予算・進捗状況 |
■理事長メッセージ
2022年に実施した調査では、3,643名もの付き添い当事者から回答が寄せられ、『食べられない・眠れない・目が離せない』という厳しい現状と、家族が大きな労力を担う”労力提供型の付き添い”の実態が明らかになりました。
こうした切実な声が国を動かし、2024年には診療報酬の改定やこども家庭庁の補助金創設など具体的な制度変化へとつながっています。
しかし、小児医療の現場では“変化を実感できるところ”がある一方で“依然として状況が変わらないところ”もあると感じています。
今回の調査では、全国の現状を丁寧に見える化し、家族・医療者・行政がそれぞれの立場で前に進むための根拠を示したいと思っています。『安心して付き添える・安心して離れられる』その両方が叶う社会を、次の一歩として目指します。

【参考】これまでの取り組み
2022年「入院中の子どもに付き添う家族の生活実態調査2022」実施(全国3,643名回答)
2023年 調査結果公表、こども家庭庁の調査研究事業委員として理事長・光原が参加
2024年 診療報酬改定・こども家庭庁補助金創設、
日本小児科学会・日本小児看護学会より見解公表
2025年「入院中の子どもに付き添う家族の生活実態調査2025」実施 ※12/14(日)締切
■認定NPO法人キープ・スマイリングについて
当団体は、入院中の子どもに付き添う家族を支える認定NPO法人です。全国の付き添い家族への食支援・物資支援を中心に、付き添い環境の改善に取り組んでいます。
団体ウェブサイト:https://momsmile.jp
【本件に関するお問合せ先】
認定NPO法人キープ・スマイリング(広報担当)
E-mail:pr@momsmile.jp 電話:03-6822-5371
取材のお申し込み:https://momsmile.jp/contact/media/
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