日本の伝統技術「金継ぎ(きんつぎ)」に全国規模の資格が誕生!金継ぎ師を認定する金継ぎ検定スタート!
室町時代を超えてコロナ禍から主婦層を中心に大ブームの金継ぎ。金継ぎ師になりたい人急増中。
なぜ金継ぎに資格が求められるのか?
金継ぎは、割れたり欠けたりヒビが入った器を漆で修理し、その修復痕を金や銀で装飾する、室町時代から伝わる、日本の伝統技術です。
この金継ぎが時代を超えて再ブームとなっていますが、趣味を超えて金継ぎを職業にしたい、金継ぎ師になりたいという方も増えています。
金継ぎ師とは、誰かがとても大切にしている器を修理するという、責任感と高い信頼を必要とする職業です。
2023年9月1日より金継ぎ検定協会の代表理事となる俣野由季が、金継ぎを専門とする会社、株式会社つぐつぐ(以下、つぐつぐ)を起業する前の2019年に東京在住の女性を対象にとったWebアンケートで、金継ぎ修理を依頼するときの懸念点を調査したところ、「きちんと綺麗に納得いくよう、再び使用できるように修理してくれるか」「高い技術や実績はあるか」「信用できる人物か」という意見が多く寄せられました。
元々漆職人が行ってきた金継ぎですが、コロナ禍から金継ぎが人気になり、現在はインスタグラムで経由で金継ぎ修理を受け付ける個人の方も増えました。
このような中、つぐつぐでは、他店や自分で金継ぎした器の金継ぎのやり直しを依頼されることも少なくなく、金継ぎ修理の質の担保の重要性を認識していました。
2021年2月にオープンした株式会社つぐつぐが恵比寿本店では、金継ぎ修理の依頼が殺到し、月100個、年間1000個以上の修理依頼となり、現在7ヶ月待ちとなったため受付数を制限するほどの人気になっています。
そのため、高まるお客様の金継ぎ修理のニーズを、つぐつぐだけが対応することはできません。しかし、誰に修理を依頼してよいか迷われるお客様も多いです。
さらに、壊れた器を郵送で依頼すると、郵送時の破損のリスクも高いため、郵送ではなくで、近くに持ち込める信頼できるかかりつけ金継ぎ師がたくさんいると心強いです。
このような背景から俣野由季がこれまでの経験を活かし、大切な器を修理した時に満足いただける仕上がりかどうかを、金継ぎ検定という中立な立場で評価する新たな仕組みとしてに、新たに「金継ぎ検定協会」を発足させました。
つぐつぐの教室へも「金継ぎの資格を取りたい」という要望が多く、2022年7月よりリニューアルスタートして依頼、現在、定期的に恵比寿店の金継ぎ教室を受講される生徒の約10%がつぐつぐ金継ぎ検定を受検中です。
教室の中で小さく行っていた検定を、全国のどなたでも力試しできるよう大きく仕組みを整え、全国へ展開します。
金継ぎ検定協会とは
理念:金継ぎとその周辺技術を学ぶ人の意欲・技術・自信の向上のために、その知識・技術を審査し資格を与えることで人々が興味を持って学ぶ機会を増やし、知識・技術の向上に寄与するとともに、伝統文化の魅力を国 や地域を超えて広く普及し継承します。
設立日:2023年9月1日
法人名:一般社団法人金継ぎ検定協会
住所:東京都渋谷区恵比寿2-21-2 akikito apt. 1階
代表理事:俣野 由季
顧問:柴田 克哉
金継ぎ検定の運営は、金継ぎ修理経験と実績の高い株式会社つぐつぐに委託し、漆芸歴30年の柴田克哉先生を最初の顧問に迎えます。
今後、様々な金継ぎ職人・漆芸関係者に協力を要請し、パートナーを増やし、中立な立場で金継ぎの質を担保し普及するための活動を行う予定です。
ウェブサイト:https://www.kintsugikentei.com/
金継ぎ検定の詳細
■検定開始時期:2023年10〜11月スタートに向けて、現在準備中です。
■受検資格:どなた様でも受検可能。(入門の基礎知識試験はPCまたはスマートフォン必須)
■検定概要:金継ぎの技法は千差万別です。当検定では、合成接着剤やエポキシなどの化学物質を使わず、本物の漆(うるし)を使った伝統技法であれば、やり方は問わず仕上がりを判定します。また、どの職人から、どの教室で、あるいは自分で習得したかも問いません。
入門・初級・中級・上級・最上級の5段階で構成。
入門は金継ぎに関する基礎知識試験のみ。
入門合格後、初級〜最上級まで、課題を作成・提出し技能審査を受けます。
※「美しさ」の基準は人それぞれで自由であるため、当検定では判断基準にあえて美しさという言葉を用いず、「金継ぎ師として誰かの大切な器を修復した時、ご満足いただける仕上がりか」のレベルとして判断します。
具体的には、作品の仕上がりをA〜D判定に分けて評価します。上級と最上級は全ての課題でAを取得する必要があります。
■受検方法:金継ぎ検定協会ウェブサイトより会員登録。その後PCまたはスマートフォンからウェブで入門の基礎知識試験を受検し合格後(出題範囲は教科書)、郵送または持ち込みにより初級〜最上級まで順に金継ぎ課題を作成・提出し、技能審査を受けます。
■課題の数:初級3つ、中級5つ、上級6つ、最上級7つ
■費用・課題の詳細:金継ぎ検定協会ウェブサイトをご確認ください。(https://www.kintsugikentei.com/)
各級の資格を取得するとできること
金継ぎ検定協会公認の金継ぎ検定の資格がないと、金継ぎ師として活動したり教室を開くことができないわけではありません。金継ぎは誰のものでもなく、自由なものです。
しかし、金継ぎの資格を取るために目標を持って勉強・練習することでモチベーションが高まり、自分の能力を客観的に測ることで自信につながり、自分のためだけでなく、ひいては職業にもなり他者に貢献することができます。
※当検定では、金継ぎを他人に教育する能力についての審査を行わないため、金継ぎ教室やワークショップの講師になれるかについては判断できません。当検定は、あくまで受検者が「金継ぎ師」として修理を安心して依頼できる知識・技術レベルを有しているかの審査を行います。(ただし、今後、金継ぎ指導者を育成するサービスを発足させる可能性はあります)
上級・最上級を取得すると、金継ぎ師として活動する知識・技術を、課題作品を見て協会が担保することになります。決して簡単なことではありません。また最上級は上級に加え、様々な素地に対する金継ぎができ、幅広い仕上げ法と漆芸の技を習得し、修理の枠を超えて自らの創造性で新しい金継ぎの表現を生み出せるレベルとなります。
ただし、検定で審査できる課題の数には限りがあります。汎用性が高く、よくある破損の種類を代表として課題とすることしかできませんが、実際には様々なタイプの器の破損があります。
そのため金継ぎ検定協会は、金継ぎ検定の内容を継続的により良いものに改善していきますが、合格者も資格を習得したことに満足せず、生涯にわたって自己研鑽を続けていただきたく、上級・最上級取得者は技術の担保のため毎年更新が必要となります。
金継ぎ検定の今後の展開
2023年10〜11月を目標に、日本全国規模で金継ぎ検定を開始します。
検定内容や教科書は、一度作ったらずっとこのままではなく、専門性と客観性を高めるよう改善し、これまで以上に興味をもっていただく人が増えて、金継ぎ師の質の担保ができる内容へと改良を重ねていきます。
そのため、当協会の目的に賛同し、金継ぎ検定を普及するパートナーを継続的に募集します。どのように協力していただくかは検討中です。
また海外にいる日本人・外国人からも金継ぎ師になりたい方が増えていることや、金継ぎを学びたいという要望を多く耳にするため、海外からも金継ぎ検定を受験できるよう準備を進め、将来的に金継ぎの魅力を国を超えて広めていきます。
金継ぎ検定が貢献できること
金継ぎ検定協会は、金継ぎを学びたい方、金継ぎ師になりたい方を応援します。
そして、金継ぎを学ぶ方が自分の実力を測り、マイルストンをおいて学ぶ意欲を向上するお手伝いをし、結果的に金継ぎおよび漆芸に興味を持ってくれる人を増やします。
また習得の過程で、全国の漆職人や金継ぎ教室で学ばれる方も増え、急速に減退する漆芸業界と、日本の伝統産業を活性化し盛り上げることにも繋げます。
金継ぎは、壊れたものを再び新たな価値を持って蘇らせ、また使えるようにするため、SDGsの目標12「つくる責任、使う責任」にも貢献します。
私たちの活動は金継ぎ修理を依頼する人に安心感を与え、金継ぎが身近になることでより多くの破損した器を救い、生活を豊かにすることができると思っています。
金継ぎはモノとモノを繋げるだけではなく、人と人、思い出や歴史、そして「心」を生涯にわたって継いでいくもので、現代にも通じる精神であると信じています。
お問い合わせ
一般社団法人金継ぎ検定協会
住所:東京都渋谷区恵比寿2-21-2 akikito apt. 1階
代表理事:俣野 由季
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