OptQCと産総研、光量子コンピュータ1号機「MoQuren」を構築し稼働開始
~【世界初(*1)】商用化を目指す国産光量子コンピュータが稼働。開発者向け実行環境の整備を加速~
光量子コンピュータの研究開発を手掛けるOptQC株式会社(本社:東京都豊島区、代表取締役CEO:高瀬 寛、以下「OptQC」)と、国立研究開発法人産業技術総合研究所(本部:茨城県つくば市、理事長:石村 和彦、以下「産総研」)は、OptQC製マシンの1号機となる光量子コンピュータ「MoQuren(モクレン)」を産総研量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(G-QuAT)に設置し、稼働を開始しました。
今回の取り組みは、商用化を見据えた国産光量子コンピュータが、実際の研究・開発環境に導入される世界初(*1)の事例です。これは産総研が現在構築を進めている量子・古典融合計算基盤「ABCI-Q」の重要な構成要素(システムO)に繋がる大きな一歩となります。
OptQCは今後の一般提供に向けて、シミュレーション機能を同梱した「開発者向け実行環境(ソフトウェア開発キット:SDK)」の開発を並行して進めています。これにより、企業や研究機関による早期のアプリケーション開発を支援します。
なお、本取り組みは、内閣府総合科学技術・イノベーション会議の研究開発と Society 5.0 との橋渡しプログラム(BRIDGE)「商用光量子コンピュータの構築」(研究推進法人:QST)の支援を得ています。
発表のポイント
● 商用レベルの光量子コンピュータの実稼働
室温動作や拡張性に優れたOptQCの1号機「MoQuren」が、G-QuATで稼働を開始しました。
● 量子・古典融合計算基盤(ABCI-Q)”システムO”の実現に向けた技術統合
産総研が推進するABCI-Qにおいて、OptQCの光量子技術を組み込み、実社会の複雑な課題に対応する計算プラットフォームの構築を目指します。
● 実用化に向けた開発者用環境の開発
OptQCは今後の一般提供に先駆け、シミュレーション機能を同梱した「開発者向け実行環境(SDK)」を開発しています。
*1 自社調べ(2026年7月時点、国内外の公開情報に基づく「公的機関の研究・開発環境へ導入する国産の商用向け光量子コンピュータ」として)

背景および目的
現在、世界中で量子コンピューティングの社会実装に向けた動きが進んでいます。なかでも「光方式」は、超伝導方式などが求める極低温の冷却環境が不要で、室温・常圧で動作すること、また既存の光通信技術と親和性が高いことから、実用化の有力な候補として注目されています。特にAIの普及に伴うデータセンターの消費電力増大が課題となる中、発熱を抑えた省エネで小型化が可能な光量子コンピュータは、次世代の計算基盤として期待されています。
産総研G-QuATは、量子・AI融合技術のビジネス開発拠点として、量子・古典融合計算基盤(ABCI-Q)の整備を推進しています。この基盤の一部としてOptQCの光量子コンピュータ「MoQuren」を導入することで、新薬開発、素材創出、金融最適化、AIモデル構築といったビジネス課題に対し、実機を用いた技術検証が本格化します。
産業技術総合研究所 G-QuAT副センター長 堀部氏のコメント
産総研G-QuATでは、OptQCとの共同研究を通じて、光量子コンピュータを活用した量子・古典融合計算技術の研究開発に取り組んできました。今回の外部ユーザーへの提供の開始は、実利用を見据えた技術検証やユースケース開発をさらに進める契機になると期待しています。今後もOptQCとの連携のもと、量子コンピュータの発展とそのユースケース創出に取り組み、社会課題の解決や新たな産業創出に貢献してまいります。
OptQC代表取締役CEO 高瀬 寛のコメント
当社にとって極めて重要なマイルストーンである1号機「MoQuren」を、国内の量子・AI研究を牽引する産総研G-QuATに構築し、稼働を開始できたことを大変嬉しく思います。
当社のコア技術である「光方式」は、室温・常圧で動作し既存のインフラとも親和性が高いことから、次世代の計算基盤を最も早く実用フェーズへ進められる技術であると確信しています。産総研の「ABCI-Q」との連携を通じて、基礎研究の枠を超え、企業の皆様がビジネスの現場で真に活用できる商用量子計算サービスの確立に向け、全力を尽くしてまいります。
今後の展開および、開発者向け実行環境について
現在は、ハードウェアの安定稼働およびABCI-Qへの統合プロセスに注力しており、今後は一般企業や研究機関に向けた実機計算サービスの提供に向けて準備を進めてまいります。OptQCでは、独自のサービスサイトを公開し、以下の開発者向け実行環境の無償提供を予定しております。
● SDKの無償提供:光量子アーキテクチャに対応したソフトウェア開発キットです。実機へのアクセスを待たず、ご自身のPC環境等で量子アルゴリズムの論理的な動作をシミュレートし、事前に検証することが可能です。
● ドキュメントやサンプルコード:今後の実機利用に向け、SDKの使い方を学べるドキュメントや、ブラウザ上で簡単にシミュレータを実行できるサンプルコードをサービスサイトにて順次公開します。
OptQCは、実機の提供状況や開発ツールのアップデートにつきましても、本サービスサイトを通じて順次発信してまいります。
各機関の概要
【OptQC株式会社】
本社所在地: 〒171-0021 東京都豊島区西池袋3-28-13 IT tower TOKYO 15階
代表者: 代表取締役CEO 高瀬 寛
設立: 2024年9月2日
事業内容: 光量子コンピュータの研究・開発・提供
【国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)】
本部所在地: 茨城県つくば市梅園1-1-1 中央第1
代表者: 理事長 石村 和彦
組織概要: 日本最大級の公的研究機関として、産業技術の幅広い分野における研究開発を行い、その成果の社会実装を推進しています。
量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(G-QuAT)は、量子技術とAI技術を融合させたビジネス創出を目指す研究拠点です。
本件に関するお問い合わせ先
OptQC株式会社 広報担当
E-mail:press@optqc.com
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