生物はどこから来た?命の起源を探る宇宙空間での実験に取り組んでいます
国際宇宙ステーションから「たんぽぽ4」が帰着へ
福岡工業大学は宇宙における生命の起源、進化、伝播、および未来を研究する学問“アストロバイオロジー”に取り組んでいます。生命環境化学科の三田肇(みた・はじめ)教授は日本のアストロバイオロジー研究者が集まり、国際宇宙ステーション「きぼう」で実施されている宇宙実験「ポストたんぽぽ」プロジェクトで研究代表者を務めています。このたび、昨年(2022年)2月に打ち上げられた「たんぽぽ4」が国際宇宙ステーションを出発して今月(1月)に地球に戻りました。宇宙空間にアミノ酸やペプチドなどを暴露させる実験を行ってきた「たんぽぽ4」。宇宙環境で生物や有機化合物はどのように合成されるのか?手がかりが得られる可能性のあるプロジェクトで、帰還後に様々な分析が行われる予定です。今後の研究にご注目ください。
- 地球生命の起源に迫るアストロバイオロジー実験「たんぽぽ」プロジェクト
- 「たんぽぽ3」
- 「たんぽぽ4」
- 生命の源「アミノ酸」→たんぱく質は宇宙でもできるのか?
生物(例:人間)の体は約60%が水分、20%がタンパク質です。タンパク質はアミノ酸が結合して構成されており、つまり生物の源になる物質はアミノ酸です。これまでに隕石などの中から約100種のアミノ酸の検出が報告されています。「たんぽぽ4」プロジェクトではアミノ酸の薄膜を宇宙空間にさらし、持ち帰った試料を分析し、宇宙で紫外線などによりアミノ酸が結合したペプチドが生成できるかを調べます。宇宙でペプチドが生成できれば、さらに宇宙でタンパク質まで進化できる可能性が広がります。生命の起源に関する新知見を得ることを目指しています。
- 福岡工業大学 生命環境化学科 三田研究室
宇宙史・地球史の時間スケールで生物活動と環境の関わりの解明に関する研究、特に生命の起源の解明 、タンパク質・酵素の起源、極限環境における有機物の動態・生態系の解析を進めています。バイオポリマーの利用など生物工学に関する研究も行っています。
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