Zip Infrastructure株式会社はフィリピン基地転換開発公社(BCDA)とMOUを締結
Zip Infrastructure株式会社は2018年より神奈川県にて開発を進め、2023年4月には秦野市にて12人乗りテストモデル車両の走行に成功しています。現在は開発拠点を福島県南相馬市に置き、日本国内での「Zippar」の導入を目指す一方で、海外での事業展開も鋭意検討して来たところ、今回、初めての海外案件となるフィリピン共和国バギオ市(Baguio)で、2027年頃に建設導入を目指し、同公社と共に調査研究と開発を進めることで合意に達しました。
また締結式には、フィリピン共和国のジェイム バウティスタ(Jaime Bautista)運輸大臣及び投資経済担当のフレドリック ゴー(Frederick Go)大統領補佐官が参加し祝辞を述べました。フィリピン側の「Zippar」に対する関心と期待の大きさを知ることができました。
尚、本取り組みは、国内企業の海外ビジネス投資及び進出をサポートする内閣官房海外ビジネス投資支援室(GBIS)と東京都のスタートアップ企業の社会課題解決サポートプログラムであるGlobalXpander Tokyoからの支援により実現しています。
注)フィリピン基地転換開発公社(Bases Conversion and Development Authority:BCDA)とは、旧米軍基地を投資誘致地区として開発することを主な事業目的とするフィリピン大統領府直下の公社です。
(左より、Jaime Bautista運輸大臣、Joshua Bingcang長官、Zip Infrastructure 代表 須知、取締役 レボンキン)
フィリピンの社会課題への貢献と基地転換開発公社(BCDA)との取り組み
「Zippar」は、「低コスト、自動運転、自由設計」を特徴として、従来のモノレールの半分の輸送量を1/5のコストと期間で建設可能な画期的な交通システムです。また運行においてもEV(電気自動車)と自動運転のシステムを適用するため、低運行コスト、低CO2排出モビリティとしての特長もあります。道路の上空に「Zippar」を建設ができることから、バギオ市の大きな課題である交通渋滞問題の解決とその結果としてCO2排出の削減が可能となります。
「Zippar」の導入によって、フィリピン共和国におけるSDGs目標の達成、とりわけ「7.エネルギーをみんなそしてクリーンに」「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」「11.住み続けられるまちづくりを」「13.気候変動に具体的な対策を」「17.パートナーシップで目標を達成しよう」にも貢献をしてまいります。
また日本の岸田文雄首相、米国のジョー・バイデン大統領、フィリピンのフェルディナンド・マルコス大統領は今年の4月11日、米国首都ワシントンで、日米比3カ国首脳会談を実施し、経済分野を中心に3カ国間連携の方向性を示した共同ビジョン声明を発表されました。共同声明で示された幾つかの具体的な連携分野および方向性の中で、「グローバルインフラ投資パートナーシップの下に、『ルソン経済回廊』の立ち上げを行い、フィリピンの首都マニラを含む地域の鉄道や港湾など重要インフラへの投資を加速させることで連携する。」及び「気候変動対策の重要性を認識し、フィリピンの太陽光・風力・民生用原子力などクリーンエネルギー技術導入を支援する。」ことが言及されております。この2つの分野においては新たな交通システムである「Zippar」が貢献できるものと期待されます。
今後はフィリピンのバギオ市での具体的なエリアでの導入に向けての技術及び事業調査、事業計画の策定等を行ってまいります。またバギオ市での「Zippar」導入事業が順調に進んで行けば、BDCAの管轄するフィリピンの他地域での事業展開にも取り組んでまいります。
フィリピン基地転換開発公社(BCDA)ジョシュア ビンカング(Joshua Bingcang)長官のスピーチ
本日は、フィリピン共和国の運輸大臣、大統領補佐官にもご臨席を頂き、Zip InfrastructureとのMOUの締結ができた事は大変光栄であり嬉しく思います。BCDAは米軍基地跡地の開発を経済地域への転換を図る事を目的に設立された政府直下の公社で、開発には日本政府や多くの日本企業より協力と支援を頂いております。スービックやクラークなどの基地跡地に加えて、フィリピンルソン島北部のバギオ市内のキャンプジョンヘイ跡地の開発にも力を入れています。バギオ市は高原地帯の涼しい気候の避暑地としても有名で人口40万の中堅都市ですが、週末には観光客が多く訪れ、滞在者は100万人と大きく膨れ上がります。そのためバギオ市の大きな課題である交通渋滞の解消として、大量輸送が可能な公共交通の設置が求められています。「Zippar」は、建設と運行コストが低く、また渋滞解消と大気汚染の防止が実現できる優れた公共交通システムであるので、バギオ市での早期導入の実現に向けて調査検討を進めてまいります。
(BCDA Joshua Bingcang長官のスピーチの様子、NEXs Tokyoにて締結式を開催)
Zipparについて
Zip Infrastructureは、世界の都市部で26.7兆円/年超の経済損失を生む「渋滞問題」の解決を目指す、新しい交通システムである、自走型ロープウェイ「Zippar」の開発に取り組んでいます。
自走型ロープウェイ「Zippar」とは、ワイヤーケーブルが固定されており、その上をキャビンが自走し、カーブと分岐が可能になり道路上に建設できるようになった次世代型ロープウェイです。
「Zippar」は、「低コスト、自動運転、自由設計」を特徴として、従来のモノレールの半分の輸送量を1/5のコストと期間で建設可能な画期的な交通システムです。また運行においてもEV(電気自動車)と自動運転のシステムを適用するため、運行コスト及び環境負荷が低いモビリティとしての特長もあります。
(導入が検討されている、フィリピン バギオ市 ジョン・ヘイ地区でのZippar走行イメージ)
【Zip Infrastructure株式会社 概要】
設立 :2018年7月
代表者:代表取締役CEO 須知高匡
所在地:
(本社)福島県南相馬市原町区萱浜字巣掛場45-245 南相馬市産業創造センターA棟事務所区画1
(支社)神奈川県横浜市西区みなとみらい4-4-2 横浜ブルーアベニューセンター12階 12100号室
すべての画像