遠隔操作支援システム「HATS」、四足歩行ロボットSPOTとの連携を実現
自律移動ロボットの可能性を拡張する、新たな遠隔統合プラットフォームが現場を変える
株式会社キビテク(代表取締役:林摩梨花、吉海智晃、以下キビテク)は、ロボット遠隔操作支援サービス「HATS(Highly Autonomous Teleoperation System)」と、Boston Dynamics社の四足歩行ロボット「SPOT」との連携を実現したことをお知らせいたします。
従来、SPOTの運用には専用アプリ(Orbit※1)やVPN環境が必要で、カメラやセンサの取得データ確認、点検ルートのアクション実行、他ロボットとの連携などはそれぞれ別個の仕組みや人的対応に依存していました。
本連携により、HATSの統合UI上で、SPOTの遠隔操作・映像取得・自律移動シナリオ(Autowalk※2)の実行を一元的に管理できるようになり、さらに以下のような高度なビフォー/アフターを実現します。
Before: SPOT搭載センサのデータ取得は現場ごとの個別対応が必要
After: ズームカメラ・温度センサ・LiDARなどを現場に応じて柔軟に選択・搭載し、クラウド経由でリアルタイム送信が可能に
Before: 巡回中のアクション(シャッター開閉、ズーム撮影など)は都度作業者が介入
After: Autowalkルート上で「ポイント到達→自動アクション発動」が可能
Before: 他ロボットとの連携は別システムの調整が必要
After: HATSフリートマネージャー配下での協調動作(搬送ロボットとの連携やロボット呼び出し)が実現
Before: 運用の多くが専用ソフトやVPNに依存
After: HATS UIのみで遠隔操作・映像閲覧・巡回制御が完結
これにより、SPOT単体の運用を超え、現場インフラとの連動・マルチロボット連携・高度な自動点検を含む、より柔軟で拡張性の高いロボット運用が実現します。
※1 Orbitとは:Boston Dynamics社が提供するSPOT専用の操作ソフトウェアで、遠隔操作やカメラ映像の確認、自律巡回ルート(Autowalk)の設定・実行などを行うためのデスクトップアプリです。
※2 Autowalkとは:SPOTがあらかじめ記録されたルートを自動で巡回・再生できる機能で、定点点検や定期監視などに活用されます。HATSとの連携により、このルート上での自動アクション実行(撮影・機器制御など)も可能になります。

■ 背景と目的
ロボット導入においては、単体ハードウェアの性能だけでなく、運用現場に即した遠隔操作、データ取得、点検制御といった“実用レベルの機能”が重要です。
しかし従来、Boston Dynamics社の「SPOT」は高い自律移動性能を有していたものの、カメラ映像の取得、遠隔操作、複数ロボットとの連携といった現場での実運用に必要な機能を実現するためには、専用ソフトの導入や個別開発、ネットワーク環境の構築が必要でした。
今回、弊社のロボット遠隔操作支援サービス「HATS(Highly Autonomous Teleoperation System)」とSPOTとの連携により、従来は現場ごとに開発・調整が必要だった機能を、標準のパッケージとして提供可能になりました。
ユーザーは、追加開発なし・現場適応済の構成でSPOTの高度な運用を即時開始できるようになり、導入のスピードとコスト効率が大幅に改善されます。
■ 主な機能
1. 現場に応じたカスタムセンサ搭載
SPOTにはズームカメラ・温度センサ・LiDARなど、用途に応じた多様なセンサを搭載可能です。
HATSと連携することで、これらの取得データをクラウド経由で遠隔確認する機能に対応予定であり、
お客様の現場要件に合わせた追加開発により柔軟に拡張できます。
ユーザーメリット:現場ごとに個別構築が必要だったセンサ連携を、HATSを基盤として一元的に扱えるようになり、将来的な拡張・運用効率の向上が期待できます。
2. シナリオ型自律アクションの実行
SPOTの自律巡回機能「Autowalk」とHATSを組み合わせることで、撮影・設備操作などのアクションをルート上のポイントに紐づけて自動化する機能に対応予定です。現時点ではお客様の用途に合わせた追加開発により提供可能です。
ユーザーメリット: これまで個別スクリプトの実装が必要だった処理を、将来的にHATSのUI上で簡便に設定できるようアップデートを計画しています。
3. フリート管理下での他ロボット連携
SPOTをHATSのフリートコントロールに統合することで、周辺の搬送ロボットとの連携や、自動応援要請(呼び出し)といった高度なマルチロボット運用を実現。
ユーザーメリット:他ロボットとの連携も標準構成に含まれ、別システムを新たに組む必要がありません。
4. 専用ソフトやVPN不要の操作環境
SPOT操作に必要だったOrbitなどの専用アプリやVPN接続環境は不要。HATS UIのみで操作・映像確認・巡回制御が可能です。
ユーザーメリット:セキュリティポリシー対応やIT部門との調整が簡易化し、導入障壁が大幅に低減します。
■ 想定される活用シーン
・プラントやインフラ施設での定期巡回点検
・物流倉庫での夜間巡回・異常監視
・災害現場での初期状況把握と記録
・他ロボットとの連携による自動搬送・補助作業
■ 今後の展開
弊社は、今後もHATSの機能拡張と多様なロボットとの連携を進め、複数ロボットによるマルチロボット・オーケストレーションを実現します。
お客様の現場業務を止めない、よりスマートで柔軟なロボット運用の社会実装を目指してまいります。
【本件に関するお問い合わせ先】
会社名:株式会社キビテク
所在地:〒141-0031 東京都品川区北品川 5-7-14 グローリア初穂御殿山 101号
代表者:代表取締役 林 摩梨花(はやし まりか)
代表取締役 吉海 智晃(よしかい ともあき)
設立:2011年11月
事業内容:
(1)ロボット遠隔制御システムの企画・開発
(2)ロボットシステム受託開発
本プレスリリースに関するお問い合わせ
株式会社キビテク マーケティング部
e-mail:promotion@qibitech.com
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