データでわかった営業職の「得する聞き方、損する聞き方」
活躍する営業は、聞き上手から仮説提案型へ

「Bring Out(https://www.bringout.biz/)は、「対話をデータ化して経営を変革する」ことを掲げ、2020年12月に創業された、AIベンチャーです。(所在地:東京都中央区、代表取締役社長:中野 慧)テクノロジーとプロフェッショナルの融合で、企業固有の置かれた状況(コンテクスト)を踏まえた対話解析モデルをSaaSに実装、経営変革を支援するサービスを提供しています。
世界では標準。セールスの仮説提案力
近年、米国では「仮説提案型営業(Hypothesis‑Based Selling)」が営業成果向上において非常に重要とされており、Salesforce が公開するレポート「State of Sales」では、営業チームの78%が顧客ニーズの先取り(anticipating customer needs)を重視し、76%が能動的な営業姿勢(being proactive)を強化しているとされています(※1)。
さらに、 ハイパフォーマーとされている営業職のうち、4割が仮説提案を積極的に行うタイプであり、関係性構築重視の御用聞群は7%にすぎないというデータも示されており、仮説に基づく提案を含む営業アプローチの効果が示されています(※2、※3)。
※1
SECOND ANNUAL State of Sales Insights and trends from over 3,100 global sales trailblazers
※2
The End of Solution Sales(HBR, 2012, Dixon & Adamson)
営業職で最も高いパフォーマンスを出すのは「Challenger」タイプで、特に複雑・高度なソリューション販売で顕著である。ハイパフォーマーの39%が「Challenger」、一方で最下位の「Relationship Builder」は7%に留まる。Teach(顧客に新しい視点を教える)、Tailor(顧客組織に合わせる)、Take Control(商談を主導する)の3要素を満たすことで、従来の「御用聞き型」よりもはるかに成果が高いことが実証されている。
※3
The New Sales Imperative(HBR, 2017, Nick Toman, Brent Adamson )
5000人以上のB2B購買担当者を対象にした調査で、購買が難しくなっているのは「情報が少ないから」ではなく*複雑な意思決定(社内関係者の多さや情報過多)が原因と結論付けられている。顧客は必要な情報の 平均57% を購入前に自力で収集している。このため「単なる情報提供型の営業」は差別化できない。結果、Prescriptive Guidance(処方的ガイダンス)を提示した営業の方が、購買の容易性を高め、成約率が上がることがデータで示されている。
つまり、「仮説を提示して顧客の意思決定を再設計すること」が 成約率・顧客ロイヤルティ・拡販可能性 に最も直結しており、「仮説提案」は商談時のスタンダードとなりつつあることがわかります。
一方、日本においては、営業に関する著書やメディアでは、重視されるのは依然「傾聴(聞く力)」と言われる傾向にあります。
これは、『人は聞き方が9割』(永松茂久・著/すばる舎)『聞くチカラ』(マツダミヒロ・著/すばる舎)といった書籍に代表されるように、ビジネス書や経営者・トップ営業職へのインタビューなどで、「まずはお客様の話をとにかく聞け」「傾聴が営業の9割」というようなメッセージが繰り返され、自ら積極的に仮説を提案する姿勢よりも、顧客の声に寄り添う姿勢が重視されてきたからだと考えられます。
これに対し、今回Bring Outでは営業時の仮説提案力の重要性を日本を代表する複数業界の大企業を中心に1000人以上、2万時間におよぶ商談データをもって、この仮説提案営業の重要性について、示すことができました。
営業職は”仮説提案力”の時代に突入
今回は、Bring Outに蓄積された業界横断の商談データをAI解析することで得られた、「営業職の質問順序と方法によって商談結果が大きく変わる」というデータをご紹介します。
商談データ解析の結果、「ヒアリングのみを行う営業職」と、「ヒアリング内容をもとに仮説を提案する営業職」では、商談成果に大きな差が生じていることが判明しました。
「競合他社の弱点」X 「 仮説提案の法則」<IT業界>
Bring Outを導入しているIT業界のパッケージセールス商談を解析した結果、担当者の導入合意を得られた商談は、得られなかった商談に対して、2.0倍他社商材導入時のリスクに関する仮説を伝えていることが明らかとなりました。

(IT業界の仮説提案セリフ例)「仮に、御社がXX社のサービスをご導入された場合は、統合的な社内データ分析ができません。御社は自社で蓄積した社内データを統合的に分析して離職率を引き下げることが重要と思うのですが、いかがでしょうか?」
「振り返り」×「仮説提案の法則」<人材業界>
Bring Outを導入している人材業界における商談データを解析した結果、トップ営業職は成績下位営業職より、過去の商談を振り返りつつ仮説に基づくニーズの深堀りを実施している割合が3.2倍であることが判明しました。

(人材紹介業界の仮説提案セリフ例):
「御社ではXX支社の売上が伸びている、というようなお話を以前伺っておりましたので、XX支社でも営業事務の採用ニーズが高まっていたりしませんでしょうか?」
「仮説提案の法則」<M&A業界>
Bring Outを導入しているM&A業界の企業における商談データ解析の結果、顧客に対してM&Aを実行した場合のシナジー仮説を提示する割合が、ハイパフォーマーと通常パフォーマーで1.9倍の開きがあることが確認されました。

(M&A仲介業界の仮説提案セリフ例):
「買収を検討されている製造業A社と貴社の間では製造プロセスがかなり共通しておりまして、そうするとM&Aによってラインを共通化することによるスケールメリットや原価削減効果が多いにあると想像したのですが、いかがでしょうか?」
このように、顧客に「仮説を提案していること」は、業界横断で商談結果を左右していることが明らかになりました。
さらに、解析の結果、仮説が顧客の状況を完全に捉えているほうが望ましいものの、「仮説を提案しているか否か」そのものが受注率に直結するケースが多いことも判明しています。
これは、営業の準備に対して顧客が信頼度を高めて好意的な対応を行うためであると考えられます。
また、営業職が商談時に仮説を出すメリットは他にも考えられます。
一点目は、営業職が顧客に仮説を提案することで、顧客が仮説内容を訂正することも含めて新たな情報を引き出せること、二点目は仮説を提案するために、営業職は商談前に準備やリサーチが求められるため、マネジメントサイドも現場サイドも顧客にかんする知見が深くなる点です。
つまり、営業時に仮説を提案することを意識した結果、達成率があがることにもつながります。
Bring Outは、営業パフォーマンス向上の新たな「正解」を今後も明らかにします
今回の商談解析の結果、営業職のパフォーマンス向上は単に顧客の課題をヒアリングする「聞く力」というよりも、聞き出した情報をもとに顧客の課題や関心事を先回りして確認する「仮説提案力」がポイントである、という新たな「正解」が明らかになりました。
弊社は今後も商談におけるAIによって解析し、商談の効率化、営業職パフォーマンス向上につながる「正解」を出せるよう、セールス業界に貢献してまいります。
【Bring Outについて】

Bring Outは「対話をデータ化して経営を変革する」ことを掲げています。
①企業や利用シーンに合わせた対話情報の活用設計や対話内容を構造設計(コンテクストエンジニアリング)を行うコンサルタントチームと、
②言語解析を行う独自開発のAIインフラ、
③分析結果に基づいて企業に合わせた要約や解析結果を表出させる特許取得済みのソフトウェア
の3点で構成されたサービスを提供しています。東洋経済のすごいベンチャー100や日経の未来の市場を創る100社など数々の受賞歴を持ち、多くの大企業にサービス提供をしております。
【会社概要】
会社名:株式会社ブリングアウト
代表者:代表取締役社長 中野慧
本社:東京都中央区銀座1丁目22番11号銀座大竹ビジデンス2階
設立:2020年12 月
事業内容:大規模言語モデルを活用した、対話内容解析サービスの提供
【本件に関するお問い合わせ】
広報 藤橋 pr@bringout.cloud
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