「コンサル業界の市場規模と将来予測」 2023年最新版を公開|5年で約2倍へと拡大を続けたコンサル市場は、拡大期を終え新段階へ

前年比16%増となるもコンサル領域によっては成長鈍化。将来は市場全体で停滞またはマイナス成長の可能性も

コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社(本社:東京雄中央区/代表取締役社長:大谷内 隆輔)は、 「日本のコンサルティング市場規模と将来予測」の2023年版を発表いたしました。

当コンテンツは、現役コンサルの視点で発信するコンサル業界メディア『コンサルのあんなこと、こんなこと』にて公開されており、2017年~2022年まで市場規模(前半)」「2023年~2030年までの将来予測(後半)の全2回で構成されております。

本調査は当社が定める主要調査対象企業の売上高を取得・推定。これら主要企業が市場全体に占める割合を公的統計情報から推定するなど、当社独自の調査方法により日本のコンサルティング市場規模全体を算定しております。なお、本調査の推定方針や対象企業、考慮事項については「2017年~2022年まで市場規模(前半)」に記載しています。

これまでコンサルティング業界を取り巻くニュースは、著しい成長率や採用枠の拡大など活況な内容に溢れていました。ところが2023年に入り、グローバルファームにおける人員削減のニュースが取り沙汰されるなど、その勢いに陰りが見え始めてきました。


このような状況下で、当メディアでは昨年に引き続き、日本国内のコンサルティング業界の市場規模調査を実施しました。コンサル市場は現在までにどの程度成長してきたのか、そして、将来どの程度成長すると予測できるのか、の2点に焦点を当て、市場規模推計と将来予測を行っています。


2023年最新の調査では、昨年の調査結果とは異なる未来が見えてきました。

なお、各社の決算情報が出揃うタイミングで調査を実施するため、2023年版となる本調査では2022年度の決算データを、同様に、昨年行った2022年版の調査では2021年度の決算データを使用しております。

「日本のコンサルティング業界規模は、1兆8,281億円(2022年度)|コンサル市場規模2023年版~前半~」

●現在までのコンサルティング業界の市場規模

2022年度のコンサル市場規模は、前年比16%増となる1.8兆円へ到達

  • 2017年:9,644億円

  • 2018年:11,153億円

    2019年:12,917億円

    2020年:12,672億円

    2021年:15,761億円

    2022年:18,281億円

図表1 日本のコンサルティング市場規模(推定)[十億円]

●2022年のコンサルティング領域別の売上高

依然として総合系が市場規模を大きく支えている構造

  • 総合系:市場規模10,876億円、 市場占有率 59.5%

    戦略系:同2,340億円、 12.8%

    業務・ビジネス系:同1,444億円、7.9%

    シンクタンク系:同1,412億円、7.7%

    業務・IT系:同778億円、4.3%

    FAS及びM&A系と事業再生系:同810億円、4.4%

    中小企業向け:同385億円、2.1%

    組織人事系:同232億円、1.3%

●領域によって明暗の分かれる成長率

売上高成長率(前年度比を上回った領域)

  • 業務・IT系
    売上高成長率 : 6.7%増    ( 20-21年 + 9.0%  → 21-22年  +15.7% )

    FAS及びM&A系と事業再生系
    売上高成長率 : 12.0%増  ( 20-21年 +11.6% → 21-22年  +23.6% )

    組織人事系 
    売上高成長率 : 12.7%増  ( 20-21年 +12.1% → 21-22年  +24.8% )

売上高成長率(前年度比を下回った領域) 

  • 総合系
    売上高成長率 : 8.4%減    ( 20-21年 +24.7% → 21-22年  +16.3% ) 

    戦略系
    売上高成長率 : 14.4%減  ( 20-21年 +26.6% → 21-22年 +12.2% )

    業務・ビジネス系
    売上高成長率 : 2.2%減    ( 20-21年 +17.0% → 21-22年 +14.8%) 

    シンクタンク系
    売上高成長率 : 32.1%減  ( 20-21年 +53.8% → 21-22年 +21.7% )

    中小企業向け
    売上高成長率 : 21.4%減  ( 20-21年  +19.3% → 20-21年  ー 2.1% )

領域別の売上高成長率(前年比)を比較すると、領域によって成長度合いに差が生まれつつあり、コンサル市場における市場成長に変化の兆しがあるのではないかと推測できます。本記事では、各領域における成長の伸びしろに大きなギャップが発生した要因の考察も掲載しております。
記事URL:https://www.consul.global/post21320/

日本のコンサルティング市場規模将来予測(2023‐2030)|コンサル市場規模2023年版~後半~」

●2030年度コンサルティング業界の市場規模予測

図表2 日本国内コンサルティング市場(スタンダード市場)[十億円]

2030年度における、コンサルティング業界の市場規模と、成長率の予測

  • スタンダードケース
    市場規模:約2.1兆円、 成長率予想:13%増(2022年度と比較)

    ポジティブケース
    市場規模:約2.2兆円、 成長率予想:19%増(2022年度と比較)

    ネガティブケース 
    市場規模:約1.9兆円、 成長率予想 : 3%増(2022年度と比較)

●コンサル市場に待ち受けるリスク要因

2018年に経産省が発表した「DXレポート」に端を発するDXニーズの高まりを受け、2017年から2022年までコンサル市場は鰻登り、2023年も好調に推移する見込みです。しかし、本調査では2023年を頂点に横ばいの予測となりました。外部環境を織り込めば、マイナス成長の可能性もあり得ます。想定される材料は以下の通りです。

  1. 日本GDPの停滞

    ・IMFの発表によると、日本の名目GDPは今後2028年まで停滞する見込み

  2. 世界経済の変化

    ・欧米のコンサルファームや大手IT企業で起こっている、従業員削減や初任給引き上げの停止

    ・世界各国のインフレ抑制政策(政策金利の利上げ終了間近の観測拡大)

    ・中国リスク(不動産業を代表に業績悪化のニュースが多発)

  3. 採用数拡大による急成長から生じた、組織の歪み

    ・コンサルタントのアサイン率低下や業務の生産性低下

このように、コンサルティング業界に悪影響を及ぼすと想定される要因が多く、成長がマイナスに転じる時期は近いのではないかとの予測も立てられます。

一方で、デジタル化・DX化は「2025年の崖」と言われる喫緊の課題であり、労働人口の減少が顕著となる「2030年問題」への対応は急務となっています。また、人的資本経営やESG投資など自社では対応しにくい経営課題へのニーズは依然としてあり、今後市場規模を下支えしていくものと考えられます。

記事URL:https://www.consul.global/post21491/

■コンサル業界メディア「コンサルのあんなこと、こんなこと」について

現役コンサルタントの視点と情報鮮度にこだわり、最新ニュース・トレンドを配信するメディアです。自社のコンサル活用や転職時の業界研究に役立つ「コンサル業界ニュース」、ブランニューから上級コンサルタントまでポジションに合わせておすすめする「書籍紹介シリーズ」など、コンサル業界で働く人・目指す人・仕事を依頼する人様々な方々に向けて幅広い情報をお届けしています。

■コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社について

所在地:東京都中央区銀座7-16-15 清月堂本店ビル

代表取締役社長: 大谷内隆輔

URL:https://codawari.co.jp/

設立:2009年

事業内容:コンサルティング全般(経営・戦略・業務・組織人事・IT)・人材紹介事業

TEL:03-5843-9070

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会社概要

URL
https://www.codawari.co.jp
業種
情報通信
本社所在地
東京都中央区銀座7-16-15 清月堂本店ビル
電話番号
03-5843-9070
代表者名
大谷内隆輔
上場
未上場
資本金
5000万円
設立
2009年03月