日本初、「レベル3.5」飛行によるドローン配送の事業化
~新スマート物流の社会実装へ大きな加速~
レベル3.5の新設については、11月17日に開催された「規制改革推進会議」の第1回スタートアップ・投資ワーキング・グループの部で、国土交通省がドローンに関する規制緩和と今後の方針の説明内で触れられたもので、年内に実施開始予定と発表されていました。レベル3.5とは、デジタル技術の活用(機上のカメラによる歩行者等の有無の確認)により、補助者や看板の配置といった現在の立入管理措置を撤廃するとともに、無人航空機の操縦ライセンスの保有および保険への加入により道路や鉄道等の横断を伴う飛行を容易とするもので、ドローンの運用コスト削減と業務の効率化につながり、ドローン配送の事業化に向けて大変大きな動きです。
(* 当日の様子はこちらの動画をご参照ください。)
レベル3.5飛行概要
ドローン配送には物流専用ドローンAirTruck*2を使用し、運航管理(リモートパイロット)は有資格者が山梨県小菅村より遠隔で行いました。説明会場となった上士幌町山村開発センターでは、NEXT DELIVERY取締役(運航統括責任者)青木孝人が、運航管理画面、飛行中の機上カメラからの映像、小菅村での遠隔運航管理状況を大型スクリーンに投影しながら、報道関係者にレベル3.5の飛行について説明しました。国土交通省航空局も見守る中、2本の運航を実施しました。
1本目はかみしほろシェアオフィスからハンバーグレストラン「トバチ」までの往路約8.5㎞を約16分で飛行し、ハンバーグ弁当を集荷した後、復路8.5kmを約16分かけて戻りお客様に配送を完了しました。ハンバーグレストラン「トバチ」では機上のカメラで着陸地点の安全をリモートパイロットが確認したうえで補助者なし着陸を行い、復路については、レストランスタッフが箱に入れたハンバーグ弁当2個をAirTruckに取付けもしました。
ルート途中には国道横断がありましたが、機上カメラから安全を確認のうえ、一時停止することなく配送をいたしました。
2本目はかみしほろシェアオフィスから鈴木さんの個人宅まで、往路片道約4.9㎞を約9分で新聞を配達し、シェアオフィスまで復路を戻り往復飛行しました。受取り側の鈴木家では、機上のカメラで安全を監視することで、補助者なしの無人での配送を実施しました。
飛行の詳細
・飛行日:2023年12月11日
・配送物:フード(ハンバーグ弁当)、新聞 5.0kg以内の荷物
・飛行高度:20m〜149m
・速度:最高時速36km
・運航管理:有資格者が山梨県小菅村より遠隔で実施
【レベル3.5ならではのポイント】
「集荷側無人化」実現:集荷側で補助者なし着陸を実施。レストランスタッフ(あらかじめレクチャー済)が荷物をドローンに取付け、離陸準備を実施。
ルート上に補助員配置なし、看板配置なし
国道横断時*4、安全確認のうえ、一時停止なし
【レベル3.5ならではのポイント】
「着陸側無人化」の実現:着陸側に補助員やパイロット配置はなく、ドローンは自動に着陸し、新聞が入った箱を切離して個人宅前に置き配して離陸後、住民が箱を拾い上げ中身を確認した。
ルート上に補助員配置なし、看板配置なし
エアロネクスト、NEXT DELIVERYは、セイノーHDと共同して、地域課題の解決に貢献するドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流*5SkyHub®*6を推進しており、すでに全国で上士幌町を含む9自治体*7において、社会実装フェーズに入っていますが、今回の実施を皮切りに、これらの自治体で順次レベル3.5飛行を開始し、社会実装のスピードを加速化してまいります。
以上
(資料)
*1 レベル3.5
10 月11 日に開催された第1 回デジタル行財政改革会議での内閣総理大臣からの指示を受け、ドローンを活用した物資配送の年内の事業化を目指した集中的な検討が国土交通省で行われ、11 月17 日に開催された規制改革推進会議スタートアップ・投資ワーキンググループにおいて、年内にレベル3.5 飛行を新設する等の方針が示された。レベル3.5飛行とは、デジタル技術の活用(機上のカメラによる歩行者等の有無の確認)により、補助者や看板の配置といった現在の立入管理措置を撤廃するとともに、無人航空機の操縦ライセンスの保有および保険への加入により道路や鉄道等の横断を伴う飛行を容易とするもので、ドローンの運用コスト削減と業務の効率化につながり、ドローン配送の事業化に向けた大きな動きである。
*2物流専用ドローン AirTruck
株式会社エアロネクストがACSLと共同開発した日本発の量産型物流専用ドローン。可搬重量(ペイロード)最大5kg、最大飛行距離20kmで、エアロネクスト独自の機体構造設計技術4D GRAVITY®*3により安定飛行を実現。荷物を機体の理想重心付近に最適配置し、荷物水平と上入れ下置きの機構で、物流に最適なユーザビリティ、一方向前進特化・長距離飛行に必要な空力特性を備えた物流用途に特化し開発した「より速く より遠く より安定した」物流専用機です。日本では各地の実装地域や実証実験で飛行しトップクラスの飛行実績をもち、海外ではモンゴルで標高1300m、外気温-15℃という環境下の飛行実績をもつ(2023年11月)。
*3 機体構造設計技術4D GRAVITY®
飛行中の姿勢、状態、動作によらないモーターの回転数の均一化や機体の形状・構造に基づく揚力・抗力・機体重心のコントロールなどにより空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させるエアロネクストが開発した機体構造設計技術。エアロネクストは、この技術を特許化し4D GRAVITY®特許ポートフォリオとして管理している。4D GRAVITY®による基本性能の向上により産業用ドローンの新たな市場、用途での利活用の可能性も広がる。
*4 国道横断
レベル3.5においては、適切な無人航空機操縦者技能証明の保有と第三者賠償責任保険への加入により、道路、鉄道等の移動車両上空の横断が可能。
*5 新スマート物流
物流業界が共通に抱える人手不足、環境・エネルギー問題、DX化対応、等の課題を、デジタルやテクノロジーを活用しながら解を探究し、人々の生活に欠かせない生活基盤である物流を将来にわたって持続可能にするための官民での取り組み。ラストワンマイルの共同配送、陸送・空送のベストミックス、貨客混載、自動化技術、等々、業界内外の壁を越えたオープンパブリックプラットフォーム( O.P.P.)による共創で実現を目指す。
*6 SkyHub®︎
エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存の陸上輸送とドローン物流を繋ぎこみ、地上と空のインフラが接続されることで、いつでもどこでもモノが届く新スマート物流のしくみ。ドローン配送が組み込まれた、オープンかつ標準化したプラットフォームで、ドローンデポ®︎を拠点に、車とドローンを配送手段として、SkyHub®︎TMSをベースに、SkyHub®︎Delivery(買物代行)、SkyHub®︎Eats(フードデリバリー)、SkyHub®︎Medical(医薬品配送)、異なる物流会社の荷物を一括して配送する共同配送など、地域の課題やニーズに合わせたサービスを展開、提供する。
SkyHub®︎の導入は、無人化、無在庫化を促進し、ラストワンマイルの配送効率の改善という物流面でのメリットだけでなく、新たな物流インフラの導入であり、物流2024年問題に直面する物流業界において、物流改革という側面から人口減少、少子高齢化による労働者不足、特定過疎地の交通問題、医療問題、災害対策、物流弱者対策等、地域における社会課題の解決に貢献するとともに、住民の利便性や生活クオリティの向上による住民やコミュニティの満足度を引き上げることが可能になり、地域活性化を推進するうえでも有意義なものといえる。
*7 新スマート物流SkyHub®社会実装地域の9自治体
山梨県小菅村、北海道上士幌町、福井県敦賀市、茨城県境町、千葉県勝浦市、和歌山県日高川町、石川県小松市、徳島県佐那河内村、新潟県阿賀町
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