VML、10年目を迎える大規模コマース調査「Future Shopper 2026」レポートを発表

企業がAI導入を急ぐ一方、消費者のAIへの姿勢は慎重。初参加となった日本データも分析。グローバル以上に高い「AIへの慎重姿勢」と日本市場の勝ち筋『2つのスピード(Two Speeds)』

WPPジャパン

WPPの一員であるVMLが、世界17カ国・28,000人の消費者を対象とした「Future Shopper Report 2026」(グローバル調査)を発表。今年で10年目を迎える本調査は、テクノロジーや文化、消費者意識の変化がコマースをどのように再定義しているかを解き明かす、歴史のあるグローバルリサーチの一つです。ブランド体験、顧客体験、コマースを融合させ、顧客と深くつながるブランドを創出するVMLによって毎年実施されています。

AIはビジネスの未来を決定づける原動力となり、さらに消費者が製品を認知し購入する方法を変革すると期待されています。しかし、VMLが発行するレポート「Future Shopper 2026」によると、現実の消費者はより実利を重視する傾向にあり、業界のAI導入意欲と実際の消費者の現実(意識・行動)との間で生じている乖離が浮き彫りになっています。

今年度初めて日本が本調査の対象国として参加しました。その結果をグローバル全体のトレンドと比較すると、AIに対する慎重な姿勢に加え、EC体験への要求基準やデータプライバシー意識において注目すべきギャップが存在します。

■ 数字で見るAIと消費者の現実(グローバル調査結果)

「Future Shopper 2026」は、AIに対する消費者の不信感や警戒感の高まりと、ブランドやコンテンツを鋭く見極める消費者目線の厳しさを指摘しています。

  • 82%‎ の消費者がAIの利用経験を持つものの、主な用途は日常的タスクにとどまり、AIによる自動購入には至っていない。

  • 58%‎ が、AIが提示する製品推奨を信用せず、購入前に異なる情報ソースで裏取り(クロスチェック)を行っている。

  • 49%が、AIで生成された製品画像はブランドへの信頼を低下させると回答。48%が「AIが作成されたと思われるコンテンツをスキップする」と回答。

  • 53%が、AIのショッピングツールが何らかの商業的な影響を受けていることを懸念。55%が、スポンサー付きの検索結果により「最適な製品を見つけにくくなった」と回答しています。

  • 33%が、「AIによる買い物代行を許可しない」と回答しています。

■ 「Future Shopper 2026」グローバルレポートの5つの主な発見

  1. 経済的プレッシャーによる購買行動の見直し:消費者の10人中約6人がこれまで以上に大きな経済的不安を抱えていると報告しており、その結果、多くが可処分所得を削減し、サステナビリティ(持続可能性)に配慮した商品への比重を減らしています。消費者はより慎重に買い物の優先順位をつけるようになっていますが、衣類、コーヒー、美容といった自らにとって「欠かせない贅沢品」は死守しようとする姿勢が見られます。

  2. 検索は依然として不可欠 — 低下する検索エンジンへの信頼と相反:消費者がデジタルプラットフォームに対してより懐疑的になっているにもかかわらず、検索エンジンは製品のインスピレーションを得て検索するための最大の情報源としての地位を取り戻しています。44%が過去1年間で検索品質が低下したと回答し、55%がスポンサー付きの検索結果によって、最適な製品を見つけるのを難しくなったと考え、47%がお気に入りのオンラインプラットフォームが時間の経過とともに悪化していると感じています。

  3. 個人情報の価値を見直す消費者:消費者の10人中4人が、リアルタイムの位置情報、買い物習慣、健康指標などの極めて個人的な情報を、月々の収入と交換してもよいと答えており、プライバシー、データ、および価値の交換に対する態度の大きな変化を示しています。

  4. 完璧な顧客体験がブランドの差別化要因に:オンラインとオフラインの買い物の割合はほぼ同等に達しており、現在、消費者支出の51%がオンラインで行われています。チャネルを問わず、消費者は価格、商品の在庫状況、およびスムーズな体験を他の何よりも重視しています。約半数(48%)がデジタル上での基本的なニーズを満たせないブランドでは買い物をしないと答え、41%がオンラインショッピングでの不快な体験を理由に購入を取り止めることがよくあると回答しています。

  5. インフルエンス(影響力)は転換点に:買い物の情報源において、家族や友人が依然として消費者から最も信頼される情報源である一方、従来のインフルエンサーは影響力を失いつつあり(影響力は前年比15%から13%に低下)、AIツールが(厳しい目を向けられつつも)新たなおすすめの情報源として浮上しています。

VMLのグローバル最高戦略責任者であるニール・ドーソンは次のように述べています。「10年にわたる『Future Shopper』の調査から、コマースを取り巻く環境は絶えず進化し続けていることがわかりますが、優れたブランドの基盤は驚くほど一貫しています。今日の消費者は、かつてないほど情報に通じ、要求が厳しく、目が肥えています。次のコマースの時代における勝者は、単に最高のテクノロジーやデータを持つブランドではなく、消費者の信頼を獲得し、それを維持できるブランドになるでしょう」

『Future Shopper 2026』— グローバルレポートは、以下よりダウンロード可能です。

https://www.vml.com/insight/the-future-shopper-2026 

■ 【グローバル比較】日本市場に見られる独自傾向

今回初めて調査対象となった日本のデータからは、グローバルトレンドと比較して「世界最高水準のAI慎重姿勢」と「高い体験品質への要求」が浮き彫りになりました。

  • AIへの強い警戒感:‎「AI生成画像でブランド信頼が低下する」割合はグローバルの49%に対して日本は59.7%(約6割)、「AIコンテンツの回避」はグローバル48%に対し日本は57.8%、「AIへの購買代行拒否」はグローバル33%に対し日本は44.8%と、いずれもグローバル平均を大きく上回る慎重姿勢を示しています。

  • EC体験と個人情報への厳しい目線:使い勝手の悪いEC体験による購入離脱率は、グローバル41%に対して日本は56.6%と非常に高水準です。また、「収入と引き換えの個人情報提供」を容認する割合はグローバル40%に対して日本はわずか18.2%にとどまります。

  • 日本独自の欠かせない贅沢品(Sacred Luxuries):‎海外で「衣類・コーヒー・美容」が上位に並ぶ中、贅沢品の優先順位において、日本独自の文化・生活様式が反映されています。「本・書籍・電子書籍」「ゲーム・エンタメ」「外食・カフェ体験」が上位に挙がり、節約志向の中でも知的体験や娯楽を重視する傾向が見られます。

日本にて日本企業および外資系企業をはじめ、食品、通信、運輸、ラグジュアリーなど多岐にわたるブランドの顧客体験(CX)およびデジタルトランスフォーメーション(DX)をリードする、VML & Ogilvy Japanのヘッド・オブ・エクスペリエンス & サービス デザイン イーウェン・リーは日本市場の勝ち筋を次の様に述べています。「カスタマー・ジャーニー全体を通じて、たとえAIによる自動コマースが日常のルーティン作業を代行するようになったとしても、顧客中心主義がビジネスの土台であることに変わりはありません。AIが機能的な領域を吸収すればするほど、ブランドの差別化要因は『思いがけない発見』『店舗・空間が持つ引きつけ力』『ショッピングという体験そのものの歓び』といった人間的な側面に移っていきます。レポートの中で最も実店舗に根ざし、AI導入に最も拙速にならない日本市場ほど、これが明確に表れている場所はありません。日本における成功の勝ち筋は『2つの体験軸(Two Speed)』です。日常の雑務は徹底してフリクションレス(障害ゼロ)にし、それ以外のすべての体験を通るだけで歓びを感じられるものへと昇華させることです。」

VML & Ogilvy Japanのストラテジー・ディレクターを務める大北ひろ子は「経済的プレッシャーが高まる中、日本の消費者は単に安いものを探しているのではなく、自分にとって価値ある体験(書籍、エンタメ、リフレッシュできる時間など)を厳選しています。企業は自社の製品やサービスが、消費者の生活防衛の中で『削られない選択肢』としてどんな情緒的・機能的価値を提供できているのか、ブランドの存在意義を今一度問い直す必要があります。」と、経済不安下での「ブランド価値の再定義」の重要性を述べています。

※日本市場のデータやマーケティング戦略への活用に関するご相談・お問い合わせは、tyo-info@vo-jpn.com へご連絡ください。

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「Future Shopper 2026」について

「フューチャー・ショッパー」は、コマースの未来を再定義するトレンド、テクノロジー、変化する消費者行動を探求するVMLの主要な年次レポートです。17カ国、2万8,000人の消費者を対象としたグローバルな消費者調査と専門家のインサイトに基づき、ブランドや小売業者の方々が次に何が起こるのか、そしてそれに対して何をすべきかの理解を助ける内容となっています。

 

VMLについて

VMLは、ブランドエクスペリエンス(BX)、カスタマーエクスペリエンス(CX)、コマース(Commerce)を統合し、クライアントの成長を推進する世界的なマーケティング・コミュニケーション・エージェンシーです。2026年には「Campaign’s Global Network of the Year」に選出され、カンヌライオンズで「No.2 Creative Network of the Year」を獲得。世界55以上の市場、主要拠点(ブエノスアイレス、カンザスシティ、ロンドン、ニューヨーク、サンパウロ、上海、シンガポール等)で展開しています。VMLは、世界有数のブランドから信頼される、成長のためのパートナー、WPPの一員です。詳細については、www.vml.comをご覧ください。

VML & Ogilvy JapanがVMLの日本におけるサービス提供を行っています。

 

WPPについて

WPPは、世界有数のブランドから信頼される成長パートナーです。WPPでは、最先端のメディアインテリジェンスとデータソリューション、世界最高水準のクリエイティビティ、次世代のプロダクション、企業の変革を実現するエンタープライズソリューション、そして熟練の戦略アドバイスが結集し、先進のエージェント型AIマーケティングプラットフォーム「WPP Open」が、そのすべてをひとつにつなぎます。クライアントが変化に対応し、機会を捉え、変革的な成長を実現できるよう支援します。詳しくはwpp.comをご覧ください。

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会社概要

URL
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業種
サービス業
本社所在地
東京都渋谷区恵比寿恵比寿ガーデンプレイス30階 恵比寿ガーデンプレイスタワー
電話番号
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代表者名
松下 恭子
上場
未上場
資本金
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設立
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