ゼブラ企業宣言!新たな森林活用を通じて自然環境と中山間地域、都市部の共生を目指すシシガミカンパニー
森林レンタル「フォレンタ」などを展開する森林ベンチャー 株式会社シシガミカンパニー(岐阜県東白川村 代表取締役CEO田口房国)はゼブラ企業として自社の事業を定義づけ、推進することを宣言します。
シシガミカンパニーのゼブラ企業宣言
宣言
私たちシシガミカンパニーは、森林の新しい活用を通じ、
事業利益と社会貢献の両立をめざす“ゼブラ企業”として、
自然や人と共にしなやかに、持続可能な未来を築いていきます。
急成長より地域や仲間との共生。
競争より共創。
目先の利益より長く続く本質的な豊かさ。
森のように強くやさしく多様性を持ち、
白でも黒でもない曖昧で複雑な世界を、
縞模様のように軽やかにたくましく歩んでいくことをここに宣言します。
2025年8月 株式会社シシガミカンパニー

ゼブラ企業とは
ゼブラ企業は、2017年に4人のアメリカの女性社会起業家が提唱した概念である。時価総額を重視するユニコーン企業と対比させて、社会課題解決と経済成長の両立を目指す企業を、白黒模様、群れで行動するゼブラ(シマウマ)にたとえて命名された。近年、日本でも注目を集めており、その特性に応じたインパクト投融資が行われて潜在力を発揮することで、地域課題の解決につながる可能性がある。
ローカルゼブラ企業の特徴
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事業を通じて地域課題解決を図り、収益性を確保・継続
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新たな価値創造や技術の活用等による革新的なビジネスを構築
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事業意図の明確化
(中小企業庁 「地域課題解決事業推進に向けた基本指針」より抜粋)
政府関連文書によるローカルゼブラ企業の位置付け
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「経済財政運営と改革の基本方針2025(骨太の方針)」(内閣官房・内閣府本府)
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新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025年改訂版(内閣官房)
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「地方創生2.0基本構想」(内閣官房)
シシガミカンパニーの事業
シシガミカンパニーは「森林を次世代に胸を張って引き継げる財産にする」というミッションを掲げ2024年にスタートしました。森林資源を活用して、中山間地域がこれからの時代も必要とされる存在であり続けられるように、メイン事業である森林レンタル「フォレンタ」やチャレンジ事業である「国産トリュフ生産開発事業」を進めています。地域とともに歩み、他の事業者との連携もしながら今までにないサービスを展開していく私たちの考え方は、まさに”ゼブラ企業”の概念に沿うものであり、ここにゼブラ企業を宣言することでその立ち位置を明確にします。
シシガミカンパニーが解決しようとする地域課題
①森林の課題
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森林所有者の所有林に対する関心度の向上と定期的な収入による持続的な森林経営
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林業事業者の副業参入の推進による持続可能な林業経営
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社会共有の財産としての森林のコモン化
②中山間地域の課題
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中山間地域の関係人口増加による賑わいと地域経済の活性化
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中山間地域にしかできない取り組みや価値を抽出、開発、事業化
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地域に対する住民の自信と誇りの復活
③都市部の課題
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デジタル社会における森林をはじめとした自然そのものの再定義
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自然空間にアクセスする仕組みを整理し、誰もが簡単に楽しく森林に関われる社会の実現
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物心共に豊かで幸福度の高い社会の実現
森林レンタル「フォレンタ」事業
「フォレンタ」は2020年に(株)山共が始めた日本初の森林レンタルサービスであり、2024年にシシガミカンパニー設立に伴い事業移管をしました。
森林を100~300坪の区画に分け、主にキャンパー向けに年間契約で貸し出しています。利用者はキャンプはもちろん、区画内に生えてくる山菜やキノコの採取や林内に落ちている枝や木を使ってブッシュクラフトを楽しむこともできます。今までクローズドな空間であった森林空間を開放し、多くの人が自然を身近に体感し、その恵みを享受できる。森林で過ごすことの不便さもありながらも、思い思いの過ごし方ができる自己実現型レジャーとして、利用者の80%が2年目以降も契約を継続するなど人気を博しています。

過度にインフラ整備を行わないことで自然との共生と高い事業性を実現
一般的なキャンプ場施設は、土地の造成や建物、水道や電気などの設備を構築しますが、フォレンタでは自然そのままの森林で過ごすことをコンセプトとしているため、自然環境破壊を最小限にとどめています。駐車場や道に関しても既存の空きスペースや林道、作業道を活用することで極力新たな整備を行いません。それにより初期投資がほとんどなく、利用料金を低く抑えてながらも利益率の高い事業性を実現しています。

利用者との信頼関係の上に森林を貸し出す
フォレンタでは予約やチェックインなどの管理はしていません。利用者は好きな時に借りている森林に来ることができ、好きなだけ過ごすことができます。管理業務としては月に2回程度のエリアの見回りをするほか、利用者からの要望や質問に対する応対をしますが、基本は利用者が自己責任のもと林内で過ごすことになります。応募時にフォレンタを借りたい理由や内覧会でのコミュニケーションを経て、運営者は”この人に貸しても良い”という方にのみ森林を貸し出す利用者選定方式を取っています。そのような利用者と運営者の信頼関係のもとで、ランニングコストの低減と健全なフォレンタの運営を行なっています。

林業、森林経営の課題を解決する
今まで森林活用といえば木材生産がほぼ唯一の活用法でした。しかし長期にわたる木材価格の低迷や各種経費の高騰、林業従事者の減少などにより、森林から収益を得ることが難しくなり、逆に税金など出費の方が大きくなる状態が常態化しています。また、相続等で引き継いだ場合、木材の知識がないためにどうしたら良いか分からず、管理責任を負うことができないことで森林を手放す森林所有者も増えてきました。
シシガミカンパニーでは森林所有者に定期的な収入が入ることで、いま一度森林に対する関心や意欲を高め、森林が適切に管理されることを目指してフランチャイズ展開をしています。森林を持つ個人や法人が参加するフランチャイズは令和7年7月現在で30ヶ所となり、北海道から鹿児島まで全国に広がっています。
フランチャイズに参加するにあたっては、森林所有者に金銭的な負担を軽減する目的でフランチャイズ加盟金はなく、森林を貸し出して得た売り上げから20%をロイヤリティとしていただくことで森林所有者に確実に利益が出る仕組みとしています。

中山間地域に関係人口を創出する
多くの中山間地域は有名な観光資源がない場合が多く、その地域を目的地として訪れる観光客を増やすことに苦慮しています。また、何度も当地を訪れるリピーターをつくることはさらに難しい課題となっています。フォレンタの利用者は契約している間に何度もその地域に足を運ぶことになり、地域への愛着が生まれ、SNS等での発信などによる宣伝効果もあります。また地元の商店を利用するなど、地域経済にも寄与しています。

森林活用を希望する事業者との連携
フォレンタはキャンパーのみならず、多くの人に森林を開放することを目指しています。森林浴などのアクティビティや森の幼稚園などの教育活動、森林空間を活用したいと考えている地域の事業者と業務連携することでお互いの事業を成長させていくことにも力を入れています。


国産トリュフ生産開発事業
近年、研究機関などで相次いで国産トリュフの人工栽培が成功したことを受け、森林の新たな活用の一環として、国産トリュフ生産開発に取り組んでいます。
森林と耕作放棄地にて栽培地の設定を行い、樹種、トリュフの種類、日照条件、土壌条件などを変えながら、トリュフの人工栽培により適した条件を観察しています。
栽培方法が確立できた場合には、森林所有者、または耕作放棄地の活用を検討している人に栽培方法を共有し、中山間地域の新しい特産物として拡大していきたいと考えています。

代表あいさつ
ゼブラ企業という概念を初めて聞いた時に、私が立ち上げたシシガミカンパニーの方向性をとても端的に表すことができる言葉だと思い、嬉しくなりました。シシガミカンパニーは森林ベンチャーを標榜するスタートアップ企業です。ただ私たちは世の中の多くのスタートアップ企業のようにITやAIといったテクノロジーを駆使するわけではありませんし、資金があればどんどん成長していくというビジネススタイルでもありません。私たちはすでに存在する”森林”という社会的資産の価値を再定義し、それを多くの人と享受できる仕組みを作りたいと考えてきました。そのためには中山間地域で暮らす住民の方々のご理解が必要ですし、自然空間という多様で管理が難しいものをどのように一定のスキームに落とし込んでいくか、ということにも腐心しなければいけません。
丁寧な事業展開を心掛ければ成長スピードに影響を与えますし、かといって他のスタートアップ企業と張り合う形で成長スピードを最優先にすると、「自然」「地域」「人」といった私たちが”主役”と考えているコトが置き去りになってしまう。そのジレンマを”ゼブラ企業”という概念が解消してくれたことは、経営者として本当にありがたいことでした。
人口減少局面に入った日本では、スクラップ&ビルドを繰り返す経済や何かを犠牲にしなくてはならない事業ではなく、今ある資源を最大限活かし、幸福度の高い社会の構築に繋げる取り組みが必要だと感じています。そのような感覚を共有できるステークホルダーや企業との連携を通じて、今後もシシガミカンパニーが成長していくことを願っています。
(株)シシガミカンパニー 代表取締役CEO 田口房国

(株)シシガミカンパニー 代表取締役CEO
田口 房国(たぐち ふさくに)
1977年岐阜県東白川村生まれ。学習院大学物理学科卒業後、家業の(株)山共に入社し林業製材業に携わる。2007年同社代表取締役に就任。
2020年から日本初のビジネスモデルとなる森林レンタルサービス「フォレンタ」をスタート。グッドデザイン賞やはばたく中小企業300社など、数々のアワードやビジネスコンテストで入賞。2024年(株)シシガミカンパニーを設立し、同社代表取締役CEOに就任。
他に東濃ひのき製品流通協同組合理事長、白川ワークドット協同組合理事長、ぎふ性能表示材認証センター理事長他を務めている。
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