【ダイヘン】【国内初】アーク溶接技術を用いた次世代金属積層造形「WAAM」事業に参入
当社は、金属ワイヤをアーク溶接で積層造形する金属3Dプリンティング技術「WAAM」(ワイヤ・アーク・アディティブ・マニュファクチャリング)による新事業(以下、本事業)を開始いたします。
本事業への参入により、船舶、エネルギー、建設機械から航空・宇宙産業に至るまで、あらゆる大型構造物分野を対象に、従来の鋳造や切削加工に代わる高速かつ低コストな製造ソリューションを提供し、ものづくりの革新と産業の発展に貢献してまいります。
■ 事業参入の背景及び展望
現在、製造現場ではグローバル化の進展に伴うサプライチェーンの複雑化や気候変動に伴う環境規制の強化、労働力不足などの課題に直面しており、その対応の重要性が一層高まっております。そのため、従来工法(鋳造・切削加工等)に対して、金型製作が不要であることに加え、材料ロスが少なく設計自由度と生産性の高い金属3Dプリンティング技術の活用が注目されています※1。
金属3Dプリンティング技術の中でも、薄く敷き詰めた金属粉末にレーザや電子ビームを照射し積層造形するPBF※2(パウダー・ベッド・フュージョン)方式は広く普及していますが、装置や材料のコストが高く、安全管理の負担も大きいほか、造形サイズに制約があるため大型構造物への適用が難しいとされています。一方、WAAMはその高い生産性(PBF比で数倍~数十倍の造形速度)と低コスト性から適用範囲が広く、特に大型金属部品の製造に適した手法として期待が高まっていますが、入熱による変形や造形の再現性のばらつきが大きく、安定した品質をいかに確保するかが重要な課題となっています。
この課題を解決するため、当社は長年培った独自のアーク溶接技術と高精度ロボット制御技術を融合した国内初の金属積層造形システム「ArcBuilder 3D」(以下、本製品)を開発し、WAAM事業へ参入いたします。本製品は、主要機器を自社開発・国内製造することで信頼性の向上と迅速なサポート体制の確立を実現するとともに、溶接に関する高度な知見と技術を活かした当社ならではの「受託造形サービス」を併せて提供することで、金属積層造形の普及を加速いたします。
当社は、本事業において、日本国内市場の開拓を着実に推進した上で、来年度以降は国内を上回る規模の欧米市場への参入を図り、2030年に売上高100億円の達成を目指します。
■ 本事業の概要
1.金属積層造形システム「ArcBuilder 3D」販売開始
・当社独自技術「交流シンクロフィード溶接技術※3」を応用した
高能率金属積層造形システム。
・高い溶着量のまま低温での高速造形が可能。溶け落ちなどの
品質不良を防止するとともに冷却時間も大幅に短縮。
(造形能率は従来溶接比で24%向上)

・材質に合わせ最適な溶接波形を使用することで、鋼材やステンレ
ス鋼、アルミニウム合金など様々な材料に適用可能。
・ロボットプログラミングを支援する専用ソフト搭載により、人手
では困難な大規模プログラムも容易に作成可能。複雑形状のCAD
データもロボットの姿勢や動作を考慮し最適な軌跡制御を実現。

2.「受託造形サービス」の提供
・お客様が造形したい部品等の3Dデータを基に、当社システムにて試作品の造形を請け負う有償サ
ービスを提供。
・溶接・ロボットの知識やノウハウをもつ当社の専属技術サービス員が、相談・お見積もりから製造・
納品にいたるすべての工程をワンストップで対応。
■ ArcBuilder3D 販売計画
・メーカ希望需要家価格:75,000,000円(税抜)
(システムの仕様により変動することがあります)
・受注開始日 :2026年5月29日
・初年度販売目標台数 :20式/年
■ 本件に関するお問い合わせ先
溶接・接合事業部
マテリアル先進加工システム営業部 TEL:03-6281-6794
<注釈>
※1 同技術の市場は拡大が見込まれており、2030年には世界で6.8兆円規模に達する見通し。
「SDKI Analytics」(2025年)より
※2 金属積層造形方式(一覧)

※3 交流シンクロフィード溶接技術
当社が2015年に市場投入した独自の低スパッタロボット溶接システム。
高速なワイヤの「正送・逆送」と溶接電流を同期(シンクロ)させ、スパッタ(溶接の飛び散
り)を最大98%以上削減。従来のパルス溶接に比べ熱歪みや溶け落ちが極めて少なく、高品質な
溶接と生産性向上を実現する。鋼、ステンレス鋼、アルミ等様々な素材にも対応可能。
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