世界最大規模を誇るLED照明を全面採用した人工光型植物工場 宮城県内に完成 ‐先端農業を東北から世界へ‐
株式会社みらい/鹿島建設株式会社/日本GE株式会社
【先端農業で、東北の復興と新産業創出を支援】
みやぎ復興パークは、東日本大震災により被害を受けた東北地域のものづくり産業の復興及び新たな産業の創出・発展を図るための拠点として、公益財団法人みやぎ産業振興機構がソニー仙台テクノロジーセンターの施設を借り受け、整備されているものです。
東日本大震災直後、日本 GE では、農業分野での東北復興支援を見据えた新規プロジェクトを立ち上げ、本分野で豊富なノウハウを持つみらいをパートナーとして迎えました。その後、将来の大規模化を視野に、みらいが主体となり日本GEと協働で経済産業省 東北経済産業局による「IT融合による新産業創出のための研究開発事業」に採択され、2012年4月より、復興パーク内に設置したみらいの人工光型植物工場にて、GE製LED照明、水処理システム、および情報解析システム等を用いた研究開発事業が実施されました。
2013年、研究成果を踏まえ、商業規模での更なる低コスト生産モデルの実現を目指し、みらいはこのみやぎ復興パークに再び植物工場を計画、経済産業省補助事業「イノベーション拠点立地事業 先端技術実証・評価設備整備費等補助金」に応募し、採択されました。
【本施設の特長】
これまで人工光を使った植物工場の照明にはイニシャルコストの安い蛍光灯が主流でした。みらいは、エジソンを創設者とするGEの照明部門および宮城県とのパートナーシップを通じ、植物の成長に適した波長を持つLED照明を共同開発。均一性、操作性などに優れたGE製植物育成用LED照明を用いることで、蛍光灯を使った場合に比べ消費電力を40%削減しつつ、収穫量を50%増加させることに成功しました。
鹿島は医薬品工場等の高度な衛生管理を必要とする施設建設の経験から、衛生的で運用効率の高い施設の計画・設計を行うとともに、物流エンジニアリングのノウハウも活用しながら、従来よりも安価で高品質な多段式の栽培ラックシステムを提供しました。また、植物の蒸散等を考慮した高度な栽培環境シミュレーションにより、栽培ラックを取り巻く風速の分布や空気温度の分布を検証した空調システムを設計、導入し、植物の生育に最適な環境を構築しました。
(図:栽培環境シミュレーションの概要)
【今後の展開】
植物工場はみらいが自社運営し、生産した野菜は地元のスーパーやレストラン等で販売します。売り上げは年間数億円程度を見込んでいます。全世界的な人口増による食糧不足が懸念される中、本施設の実績を足掛かりに、食糧の安定供給に向け、3社は国内外への人工光型植物工場の普及・展開に取り組んでまいります。
更に今後は、単に日本の植物工場で作られた野菜を輸出するだけでなく、この実証事業で培われた先端農業を工場ごと輸出していきます。すでに国内・海外ともに複数の案件が進行中で、海外では香港、ロシア極東地区への植物工場の導入を進めています。私たちは、震災後に復興支援として立ち上げた新たな先端農業を昨年実施した実証事業に基づき、さらに新たな日本のテクノロジーとノウハウを海外展開し、世界に向けて発信していきます。
【工事概要】
工事名:㈱みらい多賀城植物生産施設拡張工事
発注者:株式会社みらい
設計者:鹿島建設株式会社
施工者:同上
施工場所:宮城県多賀城市 みやぎ復興パーク(ソニー仙台テクノロジーセンター内)
工期:2013年9月~2014年3月
工事概要:延床面積:約2,300㎡、栽培ラック:6~15段×18台、LED:約17,500本
みらいについて
株式会社みらいは、地球人口100億人時代に向けて、植物工場による農業革命を実現し、食糧問題に対してのソリューションを提供する企業です。みらいは植物工場専門会社のパイオニアとして植物工場のハード及びソフトの技術開発をしてまいりました。植物工場の実績として、民間企業へのシステム導入のほか、学校や病院にも植物工場の導入をすすめております。海外においては、南極の昭和基地でも本技術が正式採用され、モンゴルへ植物工場を輸出致しました。みらいは遠隔での栽培コンサルティングを可能とする技術力を背景に、今後、国内のみならず、海外にも積極的に植物工場を展開してまいります。現在、自社の植物工場で栽培・収穫した「みらい畑®」の野菜を、小売業や外食産業中心に販売展開中です。株式会社みらいの活動については、http://www.miraigroup.jpをご覧ください。
鹿島建設について
総合建設業として、土木・建築・開発事業など数多くの物件を国内外で手掛けるほか、近年はエンジニアリング部門・環境部門にも注力しています。植物工場分野においては、国内最大の生鮮トマト温室、世界初の密閉型遺伝子組換え植物工場など、最先端のプロジェクトに実績があります。
技術研究所では、建設業界でも最大級の植物関係実験装置と研究員を擁し、エンジニアリング本部と共に植物の蒸散等を考慮した高度な栽培環境シミュレーション技術を確立しました。
鹿島建設株式会社の活動については、http://www.kajima.co.jp/をご覧ください。
GEについて
GEは、重要な課題の解決に取り組む企業です。最高の人材、最高のテクノロジーを活用し、エナジー、ヘルスケア、ホーム、トランスポテーション(運輸)、金融サービスなどの分野で、困難な課題の解決に貢献しています。世界中のインフラやビジネス構築、電力供給、運輸、医療など様々な分野でGEの製品・サービスが使われています。私達は、イマジネーションだけでなく、「実行」する企業です。課題解決を行動にうつす、それがGE の仕事です。日本におけるGE の事業・活動等については、 http://www.ge.com/jp/ をご覧下さい。
GE照明部門について
商業、産業、および一般家庭向けの主要な家電製品、照明、システム、およびサービス分野におけるグルーバル・リーダーとして、世界各国で事業を展開しています。GEが全社横断的に進める技術イノベーションとエコマジネーションに積極的に取り組むことで、環境に関する差し迫った課題へのお客さまの対応を支援する製品やソリューションのラインアップを拡大しています。GEの製品は、一般消費者向けにはMonogram®、Profile™、GE®、Hotpoint®、SmartWater™、Reveal®、およびEnergy Smart®、商業分野向けにはTetra®、Vio™、およびImmersion®ブランドとして販売されています。日本の照明事業を担うGEコンシューマー・プロダクツ・ジャパン株式会社、および照明製品については、 http://www.ge.com/jp/products_services/lighting.html をご覧下さい。
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