10大消費者トレンドを発表: 気候変動の影響下の未来の生活

・ 都市部のアーリーアダプターの約83%は、世界が2030年末までに地球温暖化の目安である1.5℃の気温上昇に達するかそれを超えると考えています。
・ ほぼ59%が、気候変動が引き起こす日々の課題に対処するには、イノベーションとテクノロジーが不可欠であると述べています。
・ 気候への影響による行動の変化は、私たちの働き方と働く時間に大きな変化をもたらすかもしれません。


本レポートは2023年2月15日に日本で発表いたしました。

エリクソン(NASDAQ:ERIC)が意見を聴いた15,000人を超える世界のアーリーテクノロジーアダプターのほぼ99%が、2030年までには、気候変動と地球温暖化の影響に個人的に対処するために、インターネットと接続ベースのソリューションを積極的に使うことになると予想しています。この数字は、エリクソンコンシューマーラボによる最新の10大消費者トレンド調査に含まれています。

2023年1月に第12版として発表された今回のレポートでは、2030年代の気候問題に関連する消費者の懸念、期待、テクノロジーに関わる個人的行動についてまとめています。

回答者の約83%は、世界の温暖化が、より極端な気象や気候への悪影響を生じる限界として国際的に認められた、産業革命前のレベルから1.5℃の気温上昇に達するか、あるいはそれを超えると考えています。

都市部のアーリーアダプターの約55%は、気候変動が自分たちの生活に悪影響を与えると考えており、対策として接続ソリューションに頼ることになると予想しています。

回答者の主な関心事には、生活費、エネルギーと物理的資源へのアクセス、激動の時代や予測不能の気象下における安全で信頼性の高い接続の必要性が含まれます。回答者の約59%は、2030年代の気候変動によって引き起こされる日々の課題に対処するには、イノベーションとテクノロジーが不可欠であると考えています。

今回私たちは、世界30の都市に住む15,000人を超えるAR、VR、デジタルアシスタントのアーリーアダプターに、日常生活における気候関連の適応の取り組みから悲惨な気象現象への対処に至る15の分野にわたり、120件のデジタルサービスのアイデアを評価するよう依頼しました。

エリクソンコンシューマーラボの専門家は、得られたデータから消費者の回答をグループ化して10のトレンドエリアを見出しました。

エリクソンリサーチ総責任者のマグナス・フロディ(Magnus Frodigh)は次のように述べています。「消費者は、気象の極端な変化や気候への悪影響が普通のことになると予想しており、個人が日常生活と気候変動に対処する取り組みにとって信頼性が高くレジリアントなインターネット接続が最も重要だとはっきり語っています。消費者は、必要な接続が世界規模で、かつ迅速に導入されることを期待しているのです」

アーリーアダプターの大多数は、気候変動が実際に起こっていることのみならず、その結果が2030年代の自身の生活に現在より大きな影響を与えると信じています。回答者にとって、個人の経済とライフスタイルへの関心が2030年代におけるサービス導入の最大の要因となる一方、新しい大規模な集団行動の変容が、働き方、働く時間、ワークライフバランスなどの分野で、現在私たちが知っている日常生活に大きな変化をもたらす可能性があります。

たとえば従来型の9時から5時までの勤務慣行といった「時計による管理」からの脱却が、「急がない」トレンドを大きく推進する可能性があります。時間よりも、エネルギー使用のピークと谷を中心に組織された社会が一般化するかも知れません。

回答者はまた、「少ないほどデジタル」トレンドで記載しているように、AIの役割が消費者行動の分野に及ぶことを予想しています。たとえば物理的な製品をデジタルな形で代替する手段は、買い物客による物理的な消費の影響を減らすのに役立ちます。

レポートの共著者であるエリクソンコンシューマーラボのコンセプト開発責任者、サラ・ソーソン(Sara Thorson)は、特定されたもう一つのトレンドであるスマートウォーターについて次のように述べています。「水の配給が現在より大幅に拡大すれば、水の使い方も劇的に変化するかも知れません。アーリーアダプターの約64%は、2030年代までにすべての市民が毎月使える水の量をデジタルな手段で規制されるようになると予測しています」

エリクソンコンシューマー&インダストリーラボの研究アジェンダ責任者として、2011年から10大消費者トレンドレポートに携わってきたミカエル・ビョルン(Michael Björn)博士によれば、消費者は気候関連ソリューションの悪用のリスクも予測しています。

「気候詐欺のトレンドは、気候にフォーカスした行動の遵守に関わる残念な、しかし非常に現実的な傾向をも浮き彫りにしています。請求書の支払いやデータ記録など、気候変動関連の規制に関してコンプライアンス義務を回避するごまかしが発生するかも知れません。気候変動に直面した回答者の約72%は、個人的かつ短期的な利益のために、デジタルテクノロジーを使って環境関連の規制を回避することを予測しています。これはサービスの信頼性への注力が依然として重要であることを強く警告するものです」

 トレンド

1 コストカッター
デジタルサービスは、不安定な気候状況に直面している世界で、消費者が食料、エネルギー、旅行のコストを抑えるのに役立ちます。都市部のアーリーアダプターの60%以上が、将来の生活費の高騰を懸念しています。

2 切断されない接続
異常気象の発生が増えるにつれ、信頼性と回復力に優れたインターネット接続がより重要になります。都市部のアーリーアダプターの約80%は、2030年代には自然災害時に最適なカバレッジエリアを示すスマート信号ロケーターが登場すると考えています。

3 急がないモビリティ
気候規制とエネルギー効率が日々の柔軟性の意味を変えるにつれて、時間厳守は過去のものになるかもしれません。回答者の約68%は、時間効率ではなくエネルギーコストに基づいて最適化するスケジューラーを使って活動を計画することになると回答しています。

4 セーフ(SAIfe)キーパー
AIは、ますます予測が難しく不安定な気候下において消費者を保護するサービスを強化すると期待されています。都市部のアーリーアダプターのほぼ半数は、自分の安全のためにパーソナライズされた気象警報システムを使うと述べています。

5 新しい労働環境
企業のCO2排出量の制約、コストの上昇、デジタル化の加速が、将来の働き方を形成します。10人に7人は、会社のAIアシスタントが通勤、タスク、リソースを計画し、仕事関連のCO2排出量を最小限に抑えることを予測しています。

6 スマートウォーター
2030年代には淡水が不足する可能性があるため、消費者は水を節約して再利用するスマートなサービスを期待しています。都市部のアーリーアダプターのほぼ半数は、屋根、バルコニー、窓に雨が降るとインテリジェントに開くスマートウォーターキャッチャーを使って雨水を集めて清浄化することを予想しています。

7 エネルギー経済
デジタルエネルギー共有サービスは、2030年代に上昇するエネルギーコストの負担を軽減する可能性があります。都市部のアーリーアダプターの65%が、2030年代には消費者がモバイルアプリを使ってkWhで商品やサービスの代金を支払うことができるようになると予測しているので、エネルギーが通貨になるかも知れません。

8 少ないほどデジタル
物理的な過剰消費が高価になり、社会的に受け入れられなくなると、デジタル製品の代替がステータスマーカーになるかも知れません。都市部のアーリーアダプターの3分の1が、物理的な製品のデジタルな代替品を提案するショッピングアプリを個人的に使いたいと考えており、消費習慣の非物質化が加速する可能性があります。

9 ネイチャーバース
2030年代には、継続する気候変動と旅行制限の可能性に起因して、旅行せずに都市部で自然を体験することが普通のことになるかもしれません。都市部のアーリーアダプターの10人中4人は、自然保護区や登山道をまるでそこにいるかのようにリアルタイムで体験できる仮想旅行サービスを個人的に使いたいと考えています。

10 気候詐欺
エネルギーと水の配給制による不便や価格高騰のため、消費者はより厳しい環境規制を回避する方法を見つけるだろうと回答者は考えています。都市部のアーリーアダプターの半数以上が、オンラインハッキングアプリによって隣人の水道や電力を違法に利用できるようになると予測しています。

「10大消費者トレンドレポート: 気候変動の影響下の未来の生活」はこちら*からお読みいただけます。
*https://www.ericsson.com/ja/reports-and-papers/consumerlab/reports/10-hot-consumer-trends---climate-change-impacting-consumers

レポートの方法論
レポートの知見は、四半世紀以上にわたるエリクソンコンシューマーラボのグローバルな調査に基づくものです。今回のレポートでは、主に2022年11月にバンコク、ベルリン、ブリュッセル、カイロ、ダラス・フォートワース、デリー、ジャカルタ、ヨハネスブルグ、クアラルンプール、リスボン、ロンドン、マドリード、メキシコシティ、マイアミ、ミラノ、ミュンヘン、ニューヨーク、オスロ、ローマ、サンフランシスコ、サンパウロ、上海、シンガポール、ストックホルム、シドニー、台北、東京、トロント、バンクーバー、チューリッヒの30の都市に住むAR、VR、デジタルアシスタントのアーリーアダプターを対象に実施されたオンライン調査のデータを利用しています。

関連リンク:
Ericsson: 10 Hot Consumer Trends: Life in a Climate-Impacted Future report
(https://www.ericsson.com/ja/reports-and-papers/consumerlab/reports/10-hot-consumer-trends---climate-change-impacting-consumers)
Ericsson: A Quick Guide to Your Digital Carbon Footprint
(https://www.ericsson.com/en/reports-and-papers/industrylab/reports/a-quick-guide-to-your-digital-carbon-footprint)
Ericsson: 10 Hot Consumer Trends 2030 – The Hybrid Mall
(https://www.ericsson.com/en/press-releases/2021/12/ericsson-consumerlab-ten-hot-consumer-trends-2030--the-hybrid-mall)
Ericsson: 10 Hot Consumer Trends 2030 – The Everyspace Plaza
(https://www.ericsson.com/en/reports-and-papers/consumerlab/reports/10-hot-consumer-trends-2030-the-everyspace-plaza)
Ericsson: 10 Hot Consumer Trends 2030 – Connected Intelligent Machines
(https://www.ericsson.com/en/press-releases/2020/12/intelligent-connected-machines-to-be-a-major-part-of-life-by-2030-consumers-predict)
Ericsson: 10 Hot Consumer Trends 2030 – The Internet of Senses
(https://www.ericsson.com/en/press-releases/2019/12/ericsson-consumerlab-ten-hot-consumer-trends-2030--the-internet-of-senses)

エリクソンについて
エリクソンは、コネクティビティから最大限の価値を創造する通信サービスプロバイダーをお手伝いします。ネットワーク、クラウドソフトウェアおよびサービス、エンタープライズ・ワイヤレス・ソリューション、テクノロジーおよび新しいビジネスにわたるポートフォリオを持ち、お客様のデジタル化、効率向上、新たな収益源の発掘をお手伝いします。エリクソンのイノベーションへの投資は、電話とモバイルブロードバンドのメリットを世界中の何十億もの人々にもたらしてきました。エリクソンは、ストックホルムとニューヨークのナスダックに上場しています。www.ericsson.com

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会社概要

URL
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業種
情報通信
本社所在地
東京都港区海岸一丁目2番20号 汐留ビルディング21階
電話番号
03-6721-3300
代表者名
ジャワッド・マンスール/野崎 哲
上場
未上場
資本金
3億2000万円
設立
1992年09月