ALSアーティスト・EYE VDJ MASA(武藤将胤)、AIで再現した歌声と脳波で動くロボットアームによる新たなライブ表現に挑戦
WITH ALSが慶應義塾大学KMD・KiQらと身体拡張プロジェクトを進化。11月8日、東京・竹芝で最新パフォーマンスを披露
一般社団法人WITH ALS(代表理事:武藤将胤、東京都港区)は、ALS当事者でありアーティストとして活動するEYE VDJ MASA(武藤将胤)の身体表現の可能性をさらに広げるため、株式会社KiQ、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)、AXEREAL株式会社らと連携し、「Brain Body Jockey(B2J)プロジェクト」の新たな取り組みを始動します。
今回の取り組みでは、これまで研究・実践を重ねてきた脳波によるロボットアームの制御に加え、アメリカ・イギリスを拠点とするAI企業ElevenLabsとの協働による「音声合成歌唱」、KiQとの連携による「本人らしい所作の設計」、KMDによる「拡張身体の操作方法の多様化」という3つの新たな表現に挑戦します。その成果を、2026年11月8日(日)に東京・竹芝で開催される「ちょっと先のおもしろい未来2026(ちょもろー2026)」のステージプログラムにて披露します。

視線・脳波・AI音声を融合。身体拡張ライブの新たなステージへ
WITH ALSは2023年より、慶應義塾大学KMDや研究者らとともに、ALS当事者の身体表現を拡張する「Brain Body Jockey(B2J)プロジェクト」に取り組んできました。EYE VDJ MASAは、ALSの進行により手足や発声の自由が制限されるなかでも、視線入力によるDJ・VJパフォーマンスや、脳波でロボットアームを操作する身体拡張ライブに挑戦。2025年の大阪・関西万博や2026年のALS啓発音楽フェス「MOVE FES.2026」など、さまざまなステージで表現の可能性を広げてきました。
今回新たに掲げるテーマは「Optimize(使用者身体への最適化)」。ロボットアームを単に動かすだけではなく、本人の意思や感情を反映した、より自然で豊かな身体表現へと進化させることを目指します。
新たな挑戦を支える3つの技術・クリエイティブ連携
① ElevenLabsとの協働で、失われた声をAIで再現。自身の歌声による新曲『VOICE』を制作
アメリカ・イギリスを拠点とするAI企業ElevenLabsとWITH ALSの連携により、EYE VDJ MASA本人の過去の会話音声から、その声質を活かした歌声をAIで再現。これまで視線入力による楽曲制作やDJ・VJパフォーマンスを続けてきた武藤が、新たに「自分自身の歌声」でメッセージを届ける表現に挑戦します。
この技術を活用して制作した新曲『VOICE』を収録するアルバムは、2026年12月9日(水)にElevenLabsより世界に向けてリリース予定。日本ではWITH ALSよりデジタル配信を予定しています。
② KiQとの連携で、ロボットアームに「本人らしい所作」を
新たに参画する株式会社KiQ(代表:菊地あかね)は、身体表現や日本文化に根差した「所作(SHOSA)」を軸に、人とテクノロジーの関係性をデザインするクリエイティブスタジオです。大阪・関西万博「いのちの未来」で所作デザインを担当した菊地あかね氏とともに、ロボットアームの軌跡や動作の速さ、間の取り方などを設計。武藤本人の意思や感情が、ロボットアームを通じてどのように相手へ伝わるのかを検討し、機械的な動作を超えた、本人らしい非言語コミュニケーションの実現を目指します。
③ 慶應義塾大学KMDとの連携で、拡張身体の操作をさらに進化
慶應義塾大学KMDのEmbodied Media Project(主宰:南澤孝太)は、拡張身体の操作方法をさらに多様化。使用者の身体に合わせた最適化を進め、パフォーマーの意図をより直感的にロボットアームなどの拡張身体へ反映させることで、ステージ上でのダイナミックで多彩な身体表現を目指します。
今回のプロジェクトが目指すのは、ライブパフォーマンスの進化だけではありません。
ロボットアームなどの拡張身体を通じて、使用者本人の意思や感情、本人らしい振る舞いがどのように表現され、相手に伝わるのかを研究。将来的には、さまざまな身体状況や文化、機体に応用できる所作設計・評価方法やデータ基盤を整え、グローバルスタンダードの構築を目指します。
ALSをはじめ、身体機能に制約のある人々が、自らの意思で身体を拡張し、自由に自己表現やコミュニケーションを楽しめる社会へ。
WITH ALSは、エンターテインメントとテクノロジーの力で、その可能性を広げていきます。
11月8日(日)「ちょもろー2026」で最新ライブパフォーマンスを披露
今回の新たな取り組みは、2026年11月8日(日)に東京・竹芝で開催される「ちょっと先のおもしろい未来2026(ちょもろー2026)」で発表いたします。
ステージプログラム「B2J ちょもろーLIVESTAGE『BrainBodyJockeyProject −Optimize−』」では、プロジェクトの紹介とともに、音声合成歌唱、ロボットアームによる身体表現などを融合した最新のライブパフォーマンスを披露する予定です。
開催概要
イベント名:ちょっと先のおもしろい未来2026(ちょもろー2026)
プログラム:B2J ちょもろーLIVESTAGE「BrainBodyJockeyProject −Optimize−」
日時:2026年11月8日(日)17:00〜17:50予定
会場:東京ポートシティ竹芝(東京都港区)
内容:プロジェクト紹介および最新技術によるライブパフォーマンス
詳細:https://www.change-tomorrow.tokyo/chomorrow2026/
※本プログラムはステージでの紹介・パフォーマンスのみとなり、展示・機器体験ブースはありません。
Brain Body Jockey(B2J)プロジェクトについて
Brain Body Jockey(B2J)は、ALSをはじめとする身体的制約を、サイバネティック・アバターなどの身体拡張技術によって乗り越え、誰もが自由に自己表現や身体的コミュニケーションを楽しめる社会を目指す共創プロジェクトです。2023年の「ちょもろー2023」での発表以降、2024年の「MOVE FES.2024」、2025年の大阪・関西万博などで実践を重ねています。本プロジェクトは、科学技術振興機構(JST)のムーンショット型研究開発事業・目標1に関連する研究開発を基盤として推進されています。
関連サイト:https://cybernetic-being.org/
主な参画団体・メンバー
一般社団法人WITH ALS/武藤将胤(EYE VDJ MASA)
企画・表現・制作・実演・発信の総合プロデュース。本人の意思に基づく表現の選択と、公演に向けたディレクション。
株式会社KiQ/菊地あかね
ロボットアームによる所作・非言語表現の設計、本人らしさや意図の伝わり方の評価、所作データ基盤の構想。
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)/Embodied Media Project
身体拡張・サイバネティック・アバターの研究、拡張身体の操作方法の開発・最適化。
AXEREAL株式会社/安藤良一
研究成果の公演活用に向けた関係者調整、ステージのクリエイティブディレクション。
東京大学大学院総合文化研究科/荻野幹人
脳波からの意図の抽出・解析、ロボットアーム等の拡張身体制御に関する研究・実装。
田口新作/クリエイティブディレクター
舞台企画・演出・制作進行への助言、ステージ空間のクリエイティブディレクション。
難病 ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは
ALSは、脳や末梢神経から筋肉への命令を伝える運動ニューロンが侵され、全身の筋肉が徐々に動かなくなる指定難病です。意識・五感・知性は正常なまま、手足の自由・声・最終的には呼吸の自由が順に奪われていきます。現在も有効な治療法は確立されておらず、世界で約40万人、日本で約1万人の患者がいます。延命には人工呼吸器の装着が必要で、平均余命は発症から3〜5年とされています。
一般社団法人WITH ALSについて
一般社団法人WITH ALSは、自身のALS闘病体験を通じて、ALSの認知・理解を広げ、治療方法や支援制度の向上を目指す団体です。ALS患者やその家族、非患者を含む多くの人のQOL向上に貢献するため、コンテンツ開発や啓発活動を行っています。公式サイト:http://withals.com/
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