ガクシー「奨学金に関する実態調査2023年」を発表
もらえる奨学金が多数ある事実を7割知らず、2割は”借りるもの”と誤認。半数が奨学金は「借金なので、怖い」と回答。情報サイトの活用で給付型獲得率も向上
昭和57年から現在まで、大学の学費は2倍以上に上がっている一方で*1、平均給与の伸び率は1.4倍程度*2と、家計に占める教育費の負担は増加しています。奨学金はその負担を軽減する手段として、現在約半数の学生が何らかの奨学金を受給しています*3。奨学金制度の発展と、学生へ新たなお金の流れを生み出すことを目指す当社では、奨学金普及のための現状把握や正しい理解・認知の実態、より多くの学生が奨学金を受給するための情報活用を目的に調査を行いました。
1:文部科学省 国公私立大学の授業料等の推移、2:国税庁 平均給与/令和3年分民間給与実態統計調査、*3:独立行政法人日本学生支援機構(JASSO) 令和2年度学生生活調査
調査結果サマリー
1.【奨学金受給の現状】全体の約8割が貸与型を受給、給付型は3割。約6割が独立行政法人日本学生支援機構*(以下、JASSO)からの奨学金を受給し、民間の給付奨学金の受給者は1割未満。給付奨学金のさらなる普及、活用への可能性が期待される
*独立行政法人日本学生支援機構(JASSO):かつて日本育英会の他、奨学金の貸与事業や調査、留学支援を行っていた各種機関が統合し設立された、文部科学省が管轄する独立行政法人
2.【奨学金に対する印象】全体の約半数が「借金なので怖い」と回答、非受給の学生では約7割にものぼる。ネガティブな印象がポジティブな印象を上回る結果に。奨学金に対する偏った印象が奨学金活用へのハードルになっている可能性も
3.【給付奨学金の知識】給付奨学金への正しい理解は約3割。”奨学金は借りるもの”と誤った認識も全体で16.5%、非受給の学生では8割以上。給付奨学金を理解し活用しているのは極一部であり、理解が不足している現状が発覚
4.【奨学金の情報源】申請のきっかけ9割が「先生・学校からの紹介」などアナログな情報源から。インターネットによる情報源は約1割。奨学金情報のデジタル化の遅れも影響している可能性も示唆された
5.【ガクシーユーザーとの比較】一般の学生・保護者とガクシーユーザーを比較したところ、「民間奨学金運営団体からの給付奨学金」の受給率は、ガクシーユーザーが約5倍、一般よりも高い結果に。奨学金情報サイトの活用は、給付奨学金の獲得に役立ち、奨学金の正しい知識・理解にも有効であることが判明
詳細データ
1. 奨学金受給の現状
奨学金を受給している一般の学生・保護者の中で、受け取った奨学金の内訳を見ると、約8割が貸与型で3割が給付型であり、JASSOによる奨学金が最も多く全体の約6割となりました。その中でも、「JASSO貸与奨学金」(51.2%)が最も高く、次いで「JASSO給付奨学金(20.6%)」となりました。一方、「民間奨学金運営団体からの給付奨学金」を受け取ったのは6.5%。奨学金受給者の多くが、将来返還が必要な貸与奨学金を受け取っており、民間奨学金団体からのもらえる給付奨学金への可能性がまだ十分に活用されていないことが示唆されました。
2.奨学金に対する印象
奨学金に対する印象を聞いたところ「借金なので怖い」(48.4%)と恐怖心を持つ学生・保護者が約半数を占めました。一方で、「家計の負担を軽減できて嬉しい」(27.8%)、「進学できる可能性が生まれ、嬉しい」(18%)という奨学金のメリットに対するポジティブな回答も見られました。近年の「奨学金の返済苦」などの報道の影響もあり、恩恵よりも貸与奨学金の返還に苦労するイメージや、申請が複雑で難しいというネガティブな印象が強く、奨学金への偏った印象が浮き彫りになりました。
また、奨学金を受け取っていない学生の中で「借金なので、怖い」と回答したのは70.8%であり、受け取っている学生の28.8%と比較し高いことから、これらのネガティブなイメージが、奨学金を受け取っていない原因としても考えられ、奨学金受給・活用へのハードルになっている可能性も明らかになりました。
3.奨学金の知識
奨学金の知識として、奨学金の種類は現在約1万6000件以上あり、借りるだけではなくもらえる奨学金も多数あることを認識しているのは全体の約3割となりました。多くの学生・保護者が、「給付奨学金自体は知っていたが、その種類が多数あることは知らなかった」(32.8%)、「自分や自分の子供は対象にならないと思っていた」(21.4%)と回答。また、給付奨学金が多数あることを知らず、「奨学金は借りるものだと思っていた」との回答は全体で16.5%。奨学金を受給していない学生では、84.6%が同回答をしています。
給付奨学金を理解し活用できているのは一部の層であり、多くの学生やその保護者にとって奨学金の理解が不足していることがわかりました。また、これらも奨学金受給・活用に対するハードルになっている可能性も明らかになりました。
4.奨学金の情報源
奨学金を申請または検討したきっかけとして最も多く挙げられたのは1位「先生・学校からの紹介」(40.6%)、2位「学校開催の説明会」(32.7%)、3位「学校で配布・掲示された資料」(28.3%)となりました。奨学金の情報を得るほとんどが学校や教師・職員から提供された機会であり、アナログな情報源であることがわかりました。SNSや情報サイトなどインターネットからの情報源は約1割にとどまり、奨学金情報・申請のデジタル化の遅れや、奨学金に対するネガティブな印象から、インターネットで自分から情報を得ようとする学生・保護者が少ない現状が推察されました。
5.ガクシーユーザーとの比較
今回の調査で、給付奨学金を受給した学生・保護者の中で「SNSや情報サイトなどインターネットからの情報」を活用したのは9.9%であったのに対し、ガクシーユーザーは37.8%でした。ガクシーユーザーにおける「民間奨学金運営団体からの給付奨学金」受給状況は29.6%と、一般の学生・保護者の6.5%に比べて約5倍高い結果となりました。また、給付奨学金に対する理解としては、ガクシーユーザーは一般の学生・保護者に比べて貸与奨学金の他に給付奨学金が多数あることを理解し、「奨学金は借りるものだと思っていた」という誤った認識を持つ層は、一般では16.5%に対しガクシーユーザーでは2.2%と少ない結果になりました。
インターネットによる奨学金情報を活用することは、奨学金の正しい知識・理解を得るために有効であり、民間の給付奨学金受給への可能性を高めることができると考えられます。
「奨学金に関する実態調査2023年」調査概要
<一般調査>
時期:2023年8月29日~9月5日
方法:インターネット調査
対象:全国、18〜69歳、男女1,100名(学生500名、学生の子を持つ保護者500名)
<ガクシー会員調査>
時期:2023年9月1日~9月30日
方法:インターネット調査
対象:全国、18〜69歳、男女503名(学生162名、学生の子を持つ保護者341名)
ガクシー、奨学金業界発展への取り組み
当社は、より多くの学生に奨学金への機会を提供することを目的に、国内の奨学金の総量を増やす取り組みの一環として、「オリジナル奨学金」という企業・個人協賛型の新しい奨学金を提案しています。
企業協賛型は、採用活動や販促、広報・ブランディングを目的に、企業からの資金やサービスを学生の奨学金として提供することで、学生や保護者とのエンゲージメントを高める新たなマーケティングツールです。現在、幅広い業種の企業様から協賛を受け、オリジナル奨学金を設立しています。一方で、個人協賛型は、単独で奨学金を設立するだけでなく、少額から様々な目的の奨学金に参加することも可能な取り組みです。また、国内最大の奨学金情報検索サイト「ガクシー」を通し、学生が自分に合った奨学金と出会い、活用するための情報を発信しています。
当社では、継続的に学生や保護者の奨学金に対する認識やニーズを明らかにし、奨学金業界の発展や情報提供のあり方を考える材料としたいと考えています。今後も奨学金に関する正しい情報発信を通じて、学生へ新たなお金の流れを作る仕組みを築いてまいります。
運営会社概要
会社名: 株式会社ガクシー
設立日: 2019年3月1日
事業内容: 奨学金に関連するDX推進事業および利用者向けの情報提供
代表者: 代表取締役・創業者 松原良輔
所在地: 東京都港区西新橋1-1-1 WeWork 日比谷FORT TOWER 10F
URL: https://gaxi.co.jp/
学生・保護者向けの奨学金情報サイト『ガクシー』(https://gaxi.jp)
1万6000件以上にのぼる日本にあるほぼ全ての奨学金を網羅した国内最大の奨学金情報サイト。
様々な条件での絞り込み検索や人気ランキング、レコメンド機能により自分に合った奨学金を見つけることができます。また、会員登録することで、ガクシー上からオンラインで申し込んだり、ガクシー限定のオリジナル奨学金へ申し込むことが可能です。アカウント数約15万人(2023年10月時点)
奨学金運営業務を効率化する奨学金運営DXプラットフォ-ム『ガクシーAgent』(https://agent.gaxi.jp)
学校や財団様への導入が進んでいる奨学金運営者向けの管理システム。特に大学・専門学校様では、各種奨学金の管理や修学支援新制度の授業料減免に対応する機能が好評です。募集から選考、支給管理までをペーパーレス化しクラウドで一括管理することで、手間が掛かる上にミスが起こりやすいExcelや紙での煩雑な管理業務をなくし人的コストを削減します。奨学金情報サイト「ガクシー」とシステム連携しており、奨学金内容が自動的にガクシーのサイト上に告知され、広報・集客も可能です。
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