【実証結果】ローカル5Gを含む次世代通信技術とアバター技術を活用した「遠隔区民サービス」実証

avatarin株式会社

ANAホールディングス発のスタートアップであるavatarin株式会社(代表取締役CEO:深堀 昂、以下:avatarin(株))は、2024年9月から12月まで実施したローカル5Gを含む次世代通信技術とアバター技術を活用した遠隔区民サービスの実証実験(以下「実証」)の結果を公開します。

本実証は、avatarin(株)、NECネッツエスアイ株式会社(以下:NECネッツエスアイ)、株式会社キャンパスクリエイト(以下:キャンパスクリエイト)、国立大学法人電気通信大学先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センター藤井研究室(以下:電気通信大学)、及び東芝インフラシステムズ株式会社(以下:東芝インフラシステムズ)の5社※1が、東京都の実施する次世代通信技術活用型スタートアップ支援事業※2(Tokyo NEXT 5G Boosters Project)の支援を受け、実証実験フィールド提供者である大田区の協力のもと、実施したものです。

実証の目的は、ローカル5Gと分散アンテナシステム(DAS:Distributed Antenna System、以下「DAS」)をアバターロボット「newme(ニューミー)」に接続し、大田区役所本庁舎の窓口における窓口サービス向上と業務DX化に向けた遠隔での行政サービス案内、多言語対応等の有効性を検証することでした。

◆実証概要

日時:                    2024年9月26日(木)〜12月20日(金)

アバター設置場所:  大田区役所本庁舎 1階総合受付周辺及び戸籍住民課窓口周辺、4階中央案内板付近

                           (図1参照)

アバター操作場所:  avatarin(株)オフィス(東京都中央区)

実証内容:              総合受付及び戸籍住民課窓口における遠隔区民支援

                             庁舎内複数フロアにおける遠隔区民サービス

通信技術:              ローカル5G及びDAS(図2参照)

                             ※DAS使用期間は2024年12月9日(月)〜12月20日(金)

                            図1 newme配置図

                                          図2 ネットワーク概略図

◆実証結果

本実証では、1)遠隔での行政サービスの案内、受付、接客の有効性、2)ローカル5G環境下でのnewmeの接続の有効性、3)行政サービスの案内、受付、接客におけるnewmeの受容性の3点での有効性検証が主な目的でした。

 

1)遠隔での行政サービスの案内、受付、接客の有効性

実証を行った48日間で延べ2601件の案内を実施しました。avatarin(株)としてこれだけの長期間継続してnewmeを稼働させ、1日あたりおよそ50件の対応が実施できたことは大きな成果となりました。多言語対応の件数は110件ではありましたが、確実に需要があることもわかりました。

また、本実証に関心をいただいた区役所職員の7割から、現担当職務における活用可能性があるとのコメントをいただきました。

日々の大田区役所における来庁者数や対応件数などは公表されていませんが、これらの結果から、newmeを用いた遠隔での行政サービスの案内、受付、接客について、一定の有効性があることを確認できました。

                                                                          表1 対応件数など

2)ローカル5G環境下でのnewmeの接続の有効性

ローカル5G及びDAS環境下でのnewmeの稼働において、案内成功率93.3%と良好な結果を得ることができ、案内失敗の理由を見ても通信によるものはほとんどありませんでした。他の通信方法に比べて、回線を占有できるローカル5G及びDASは安定した通信が可能であり、データからもnewme接続の有効性を確認するができました。

ローカル5Gの特性を活かしたとても良いケースになったと考えています。

 

【ローカル5G接続に関して】

  • 運用期間:48日間(5時間/日)

  • 案内成功率:93.3%(2428件)
                         ┗言語別  日本語対応:2329件、外国語対応:99件

  • 案内失敗率:6.7%(173件)

                         ┗言語別  日本語対応:162件、外国語対応:11件

                         ┗理由別  オペレーターによるもの(知識不足など):158件
                                       アバターロボットによるもの(音声、映像乱れによるコミュニケーション不成立など):15件

 

3)行政サービスの案内、受付、接客におけるnewmeの受容性

newmeの受容性について、newmeを通じて案内を受けた来庁者に対しアンケートを実施しました。表2の結果が示す通り、満足度が7点満点中5.8点と高い数値となりました。また、信頼性も同程度の数値となり、遠隔でアバターロボットを通じた接客、案内に対して来庁者に十分受け入れていただけたと評価しています。

 

                                                  表2 利用者アンケートにおける満足度(n=112)

参考)

【アンケートの設問】

①アバターロボットを活用した案内サービスに満足いただけましたか?(7段階評価)

②アバターロボットの案内サービスを頼っても大丈夫と感じられましたか?(7段階評価)

③この案内サービスを次回も利用したいと思いますか?(7段階評価)

④良かった点や、問題だと感じた点などございましたら教えてください。(フリー記載)

 

【その他】

                                                                  表3 対応件数(年齢構成比)

                                                                     表4 対応件数(言語比)

◆今後に向けて

本実証を通じて、遠隔での行政サービスの案内、受付、接客の有効性と受容性を確認することができました。また、ローカル5G及びDAS環境下でのnewme稼働も、他通信手段と比べて安定したアバターロボットの運用を行うために有用であることがわかりました。この結果を受けて、ローカル5G及びDASを活用した遠隔区民サービスの実現にむけて引き続きプロダクト、サービス開発を進めていきます。

※1    五十音順

※2    東京都「次世代通信技術活用型スタートアップ支援事業」

東京都では、5G技術をはじめ、将来的な「Beyond5G」等も含めた次世代通信技術を活用した製品・サービス開発に取り組み、社会実装とともに企業価値向上を目指すスタートアップを支援するため、「次世代通信技術活用型スタートアップ支援事業」を令和5年度より実施しています。より具体には、東京都と協働して支援を行う事業者を開発プロモーターとして募集・選定し、スタートアップ企業に対し多角的な支援を行います。開発プロモーターは、3ヶ年度にわたり都内スタートアップ企業に対し、連携事業者(通信事業者や実証フィールド提供者、研究機関、VC・金融機関等)と連携しながら、資金的、技術的な支援やマッチング支援等を行い、次世代通信技術等を活用した製品・サービスの開発及び事業上市を目指します。

https://next-5g-boosters.metro.tokyo.lg.jp/

        

※3       小型筐体にローカル5G環境を構築するために必要な全ての機能を備え、電源を入れるだけで通信が利用可能となるローカル5G小型統合基地局になります。本システムは、NECネッツエスアイと東京大学と共同研究により省電力かつ小型化を実現し、どこでも容易に持ち運びが可能となっております。

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会社概要

avatarin株式会社

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URL
https://about.avatarin.com/
業種
情報通信
本社所在地
東京都中央区日本橋室町3-3-9 日本橋アイティビル5階
電話番号
03-5542-1815
代表者名
深堀昂
上場
未上場
資本金
2億円
設立
2020年04月