内閣支持率17% 岸田首相「早く辞めてほしい」51%
~2023年12月dサーベイ全国世論調査~
<調査トピック>
1.内閣支持率17%・不支持率71%、岸田首相「早く辞めてほしい」51%
2.政党支持率は自民19%・維新9%・立憲7%・無党派49%
3.大阪万博「中止か延期を」39%・「予定通り開催」26%
4.中東情勢の影響でウクライナへの「関心が薄れた」46%
5.「すでに接種を受けた」新型コロナ・インフルともに41%
6.今年の人は「大谷翔平」45% 今年の漢字は「戦」8%
7.4割強が年賀状離れを模索 「出し続けたい」17%
■内閣支持率17%・不支持率71%、岸田首相「早く辞めてほしい」51%
社会調査研究センター(SSRC)は12月3日、スマートフォンを対象としたインターネット調査方式「dサーベイ」による全国世論調査を実施した。岸田内閣の支持率は17%と、前回11月5日の19%に続いて2割を割り込み、昨年10月の調査開始以降の最低記録を更新した。岸田文雄首相の地元広島で5月に開かれた主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)後の6月調査で31%あった内閣支持率は半年でほぼ半減した。不支持率は71%と初めて7割を超えた。
自民党支持層の内閣支持率は6月調査では70%あったが、今回の調査では54%まで下落した。公明党支持層の内閣支持率は43%となり、不支持率が過半数の51%に達して支持・不支持が逆転した。与党支持層の間で岸田首相を支える意識が薄れている状況と言えそうだ。「支持政党はない」と答えた無党派層の内閣支持率は8%だった。
岸田首相にいつまで首相を続けてほしいと思うかを尋ねたところ、「早く辞めてほしい」が51%と過半数を占め、「来年9月の自民党総裁任期まで」が23%、「できるだけ長く続けてほしい」はわずか7%だった。自民党支持層でも「できるだけ長く続けてほしい」は24%にとどまり、「来年9月の自民党総裁任期まで」が38%、「早く辞めてほしい」が24%と6割超が岸田総裁の再選を望んでいない結果となった。
■政党支持率は自民19%・維新9%・立憲7%・無党派49%
内閣支持率の低迷は自民党の政党支持率にも影響を及ぼし、6月の25%から今回は19%と初めて2割を切った。政党支持率で野党第1党となっているのは日本維新の会だが、今回は9%と1割を割り、8月の13%をピークに低落傾向にあることが鮮明になった。立憲民主党は横ばいの7%だった。「支持政党はない」と答えた無党派層は49%とほぼ半数を占め、6月の41%から増加傾向が続いている。
仮に今、衆院選が行われたら比例代表でどの政党に投票するかを質問したのに対しても、自民党は19%で政党支持率と変わらず、日本維新の会は8月の16%から今回は12%に減速。立憲民主党はやはり横ばいの10%となっている。
■大阪万博「中止か延期を」39%・「予定通り開催」26%
2025年の大阪・関西万博に関する質問では「予定通り開催すべきだ」が26%にとどまり、「中止か延期を検討すべきだ」の39%、「関心がない」の34%を下回った。公費負担の増加と会場建設の遅れが問題視される中、万博誘致を主導した日本維新の会にも批判の目が向けられ、それが政党支持率の低下傾向につながっているという見方もできそうだ。
■中東情勢の影響でウクライナへの「関心が薄れた」46%
イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への攻撃が続いている。日本政府の対応について尋ねたところ、「イスラエルを批判し、即時停戦を求めるべきだ」19%(11月調査18%)、「イスラエルを支持し、イスラム組織ハマスを批判すべきだ」7%(同8%)、「中立の立場を取るべきだ」46%(同50%)と、先月から傾向に変化は見られなかった。
一方、ロシアによるウクライナ侵攻も続いているが、中東情勢の影響でウクライナに対する「関心が薄れたように思う」と46%が回答し、「関心が薄れたとは思わない」の39%を上回った。
■「すでに接種を受けた」新型コロナ・インフルともに41%
新型コロナウイルスワクチンの秋の無料接種については「すでに接種を受けた」41%(11月調査36%)、「受けようと思っている」9%(同15%)、「受けるかどうか迷っている」10%(同11%)、「受けるつもりはない」37%(同36%)だった。「すでに接種を受けた」と「受けようと思っている」を合わせた接種に前向きな回答が5割を占める傾向に変わりはない。
季節性インフルエンザのワクチン接種についても「すでに接種を受けた」41%(同24%)、「受けようと思っている」8%(同26%)、「受けるかどうか迷っている」11%(13%)、「受けるつもりはない」35%(同33%)と、新型コロナワクチンに対する意識傾向と重なる。ただ、年代別では、30代・40代はインフルエンザ、60歳以上は新型コロナのワクチン接種に比較的前向きな傾向がみられた。
■今年の人は「大谷翔平」45% 今年の漢字は「戦」8%
昨年12月の調査に引き続き、今年もっとも印象に残った人物の名前を1人挙げてもらったところ、全体の45%に当たる923人が名前を挙げた米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手が2位のプロ野球・阪神の岡田彰布監督に大差をつけてのトップだった。3位には将棋の藤井聡太8冠が入った。4位の岸田文雄首相については「増税メガネ」などの批判的な回答もカウントに含めた。昨年1位だった安倍晋三元首相が今年も8位に入ったほか、旧ジャニーズ事務所のジャニー喜多川元社長、歌手の谷村新司さんと故人の名前が目立つランキングとなった。
今年1年を表すのにふさわしいと思う漢字1字を挙げてもらったところ、1位は昨年に続き「戦」で、「争」も8位に入り、ロシアによるウクライナ侵攻とイスラエルによるパレスチナ・ガザ地区侵攻という悲惨な戦争が暗い影を落とす年の瀬となっている。そのほかにも夏の猛暑を表す「暑」が2位、物価高に苦しむ思いのにじむ「苦」や「高」、増減税の議論を反映した「税」など重苦しい世相を示すランキングとなった。プロ野球・阪神の活躍を示す「虎」が今年の漢字トップ10の中で唯一の明るい話題と言えそうだ。
■4割強が年賀状離れを模索 「出し続けたい」17%
昨年12月からの継続質問として、年賀状についての考えも尋ねた。「これまで通り出し続けたい」17%(昨年12月18%)、「枚数を減らしたい」19%(同21%)、「もうやめたい」24%(同25%)、「出していない」37%(同33%)と傾向に大きな変化はみられなかった。「枚数を減らしたい」と「もうやめたい」を合わせた4割強が年賀状離れを模索しているという見方ができそうだ。
年代別にみると、18〜29歳の7割、30代の6割が「出していない」と答えたのに対し、40代・50代の6割、60歳以上の8割が年賀状を出していることになる。その中で40代・50代の4割以上、60歳以上の6割近くが年賀状離れを模索している状況が浮かぶ。
■世論調査の新たなスタンダード:dサーベイ
dサーベイは、NTTドコモのdポイントクラブ会員を対象としたアンケートサービスを使用するインターネット調査で、全国約6500万人(18歳以上)から無作為に抽出した方々にメールで回答を依頼し、応じてくれた方にはスマートフォンの画面で質問に答えてもらう。今回は12月3日午前9時からメールを配信し、2047人から有効回答を得た。
dポイントクラブの会員にはNTTドコモ以外の携帯キャリアユーザーも含まれ、日本の有権者の6割以上を母集団としてランダムサンプリング(無作為抽出)調査ができるのがdサーベイの特徴だ。2021年衆院選、22年参院選、23年統一地方選など各種の選挙調査で精度の高さを実証してきた中で、地域別・年代別の人口構成に合わせてメール配信数を設計する「配信設計モデル」を構築した。SSRCとしては、内閣支持率など有権者の政治意識を定期的に解析する世論調査の新たなスタンダードに育てたいと考え、昨年10月から毎月定例のdサーベイ全国世論調査を実施している。
<dサーベイの解説動画> https://www.youtube.com/watch?v=PjLIPto7v4w&t
★本調査の「質問と回答」は、https://ssrc.jp/blog_articles/20231203.html でご覧ください。
【会社概要】
会社名:株式会社社会調査研究センター
代表取締役社⻑:松本 正⽣
設⽴:2020年4⽉1⽇
本社所在地:埼⽟県さいたま市桜区下⼤久保255 埼⽟⼤学内
TEL. 048-858-3751
ホームページ:https://ssrc.jp/
事業内容:世論調査等各種調査の受託、世論調査研究のコンサルティングおよびコーディネートなど
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