視触覚ハンドリングを駆使し、野菜収穫ロボットを植物工場に導入
【大学発触覚センシング技術を開発するFingerVision】
大学発の「視触覚」技術の実用化を通じて、ロボットや機械の適用範囲を広げ、様々な社会課題を解決することを目指す株式会社FingerVision(代表取締役:濃野友紀、以下FingerVision)は、植物工場で栽培されている葉物野菜を自動収穫するロボットを開発しました。
人工光型植物工場の社会実装を進める株式会社プランテックスからの依頼を受け、FingerVisionの視触覚技術を活用した新設備の開発・導入を完了しました。今回の取り組みは、技術力と資本の融合による新たな価値創出の一例であり、両社の協力関係を象徴するプロジェクトとなりました。
今後は、本設備を活用した製品・サービスの展開を通じて、さらなる市場拡大と社会的課題の解決に貢献してまいります。

葉物野菜収穫の難しさとその解決アプローチ
レタスをはじめとする葉物野菜は、1株1株が柔らかく、形状もバラバラで個体差があるため、野菜の収穫・把持・移載をロボットでハンドリングすることは技術的な難しさを伴います。多くの工程で自動化・設備化が進んでいる植物工場の中でも、自動化が難しい工程の1つと言われています。具体的には、プレートの上に栽培されたレタスを切断し、「優しく、落とさず」掴んだまま、コンベアやトレーに移し替える作業を視触覚ロボットで自動化しています。
FingerVisionは、当社のコア技術である視触覚センサをロボットハンドに実装し、システムを構築することで、従来難しかった葉物野菜の収穫・把持・移載の自動化に成功しました。切断後、縦方向・横方向に移載する際も把持が不安定になる場合に、「滑り」の感覚を使い、掴み加減をフィードバック制御により安定化させています。視触覚センサを内蔵したロボットシステムは、一連の収穫・把持・移載を高い成功率で実現しています。

今後の展望
植物工場は国内に限らず、海外でも大きな需要があるマーケットであり、人手不足や作業品質向上などの目的から、各工程に対する自動化ニーズは強く存在します。中でも収穫作業は自動化が困難であるが故、自動化できた時のインパクトは大きく、ロボットに活用は、業界やお客様に大きな付加価値を生み出すことができます。FingerVisionは、今後も農業分野における自動化を進め、業界課題の解決に貢献していきます。
◆会社概要
・社名: 株式会社FingerVision
・代表取締役: 濃野友紀
・拠点:
・東京都江東区東陽二丁目4番14号 三井ウッディビル1階
・京都府京都市下京区朱雀宝蔵町73-1 ライトワンビル1F
・愛知県名古屋市中区丸の内2-17-13 NK丸の内ビル2F
・設立: 2021年10月
・URL: https://www.fingervision.jp/
・YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCRgZuTJvDxjD_7ta03BRQFA
・LinkedIn: https://www.linkedin.com/company/fingervision/
・X/Twitter: https://twitter.com/Yuki_Nono_fv
・メール:contact@fingervision.jp
・ウェビナー(FingerVisionのロボット解説):https://tv.aperza.com/watch/2069
◆技術概要
「画像(カメラ)をベースに触覚を再現する」というコンセプトをコア技術としています。ロボットハンド等の指先に搭載することで、触覚(力や滑りの分布等)を知覚できるようになり、あたかも人が「手のひら」の感覚を使って物体を扱うような制御をロボットで実現できます。高機能(高分解能・マルチモダリティ)でありながら、経済性に優れる実用性の高さが特徴です。「触覚」センサとは言いつつも、把持対象物を見る(視覚)モダリティも備えた、まったく新しいコンセプトの「視触覚センサ」であり、ロボットと組み合わせたプロセス自動化だけでなく、無限の応用可能性を持ちます。
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