「FDUAアワード2025」受賞企業決定のお知らせ

~金融データ活用の模範となる金融機関に大賞/データ活用賞/特別賞を授賞~

FDUA

一般社団法人金融データ活用推進協会(略称:FDUA、東京都中央区茅場町、代表理事:岡田拓郎)は、「FDUAアワード2025」の受賞企業を決定いたしました。「FDUAアワード」は、金融機関におけるデータ活用を高度化し、業界全体の水準向上を図ることを目的に今年度より創設した、金融データ活用の模範となる取組みを表彰する制度です。アワードでは、先進的な実践ノウハウを共有するとともに、FDUA標準化委員会の提供するセルフチェック活動の普及と金融機関のモチベーション向上をめざしています。

今回は、大賞/データ活用賞/特別賞の3つの賞を、大賞の日本生命保険をはじめとする7社の金融機関に授賞いたします。「FDUAアワード2025」の選定にあたっては、金融機関から各社の金融データ活用の取組みに関する推薦を受け、FDUA標準化委員会にて選定した審査委員・有識者による審査委員会にて総合的に評価の上、決定しております。FDUAでは、取組みの成果とその背景にある工夫や努力を広く共有することで、金融業界全体の発展の促進に寄与するものと考えております。「FDUAアワード2025」の授賞にあたっては、下記の通り2025年5月23日(金)に開催される「金融AI EXPO 2025」にて表彰式を行い、賞の授与を実施する予定です。

<表彰式日時・場所>

開催日時:2025年5月23日(金) 17:00~17:50

場所:東京コンベンションホール

<受賞企業>

賞名

受賞企業

大賞

日本生命保険相互会社

データ活用賞

信金中央金庫

データ活用賞

株式会社八十二銀行

データ活用賞

株式会社りそなホールディングス

特別賞(地域貢献)

株式会社伊予銀行

特別賞(人材育成)

株式会社クレディセゾン

特別賞(人材育成)

三井住友ファイナンス&リース株式会社

※各賞内順不同

<賞名・ロゴ・説明>

大賞

金融データ活用において、最も優れた取組みと認められた金融機関に授与いたします。

FDUAアワード2025_ロゴ_大賞

データ活用賞

金融データ活用において、優れた取組みとして認められた金融機関に授与いたします。

FDUAアワード2025_ロゴ_データ活用賞

特別賞

金融データ活用において、特筆した取組みとして認められた金融機関に授与いたします。

FDUAアワード2025_ロゴ_特別賞

<FDUAアワード2025 審査員>

氏名

役職

白石 寛樹

三井住友カード株式会社 執行役員 データ開発部長

一般社団法人金融データ活用推進協会(FDUA)理事 標準化委員長

中村 義幸

株式会社セブン銀行 AI・データ戦略部長

一般社団法人金融データ活用推進協会(FDUA) 標準化委員長代行

中島 淳一

一般社団法人金融データ活用推進協会(FDUA) 顧問

岡田 拓郎

一般社団法人金融データ活用推進協会(FDUA) 代表理事

特定非営利活動法人金融IT協会(FITA) 副理事長

Trust株式会社 代表取締役CEO / Founder

佐藤 市雄

SBIホールディングス株式会社 社長室ビッグデータ担当 部長 兼 SBI生成AI室長

一般社団法人金融データ活用推進協会(FDUA) 理事 企画出版委員長

<受賞理由>

大賞/日本生命保険相互会社

■包括的なデータ利活用推進の取り組みにより全社DXを牽引

日本生命保険相互会社は、2019 年にスタートした「日本生命デジタル5カ年計画」のもと、デジタル推進室を中核に 80 件を超えるデータ利活用プロジェクトを遂行してきた。保険契約管理などの既存データと、新規事業やデジタル接点で発生するデータを統合する共通基盤を整備し、BI 可視化とAI 予測をワンプラットフォームで運用。さらに 2024 年度からはDX戦略へ発展させ、グループ横断でデータ・AI 活用を徹底している。実施体制は、CoE としてのデジタル推進室とニッセイ情報テクノロジーを核に 100 名超へ拡充され、専門人材の採用・育成も着実に進む。

審査委員会は、応募書類に記載された事実を以下の観点で評価した。第一に課題解決度・目標達成度に関して、若年層チャネル拡大による成約率向上、事務効率化と収益拡大、ヘルスケア領域での医療費低減支援など、定量・定性の両面で実績が示されている点を高く評価した。第二に、自社評価・他社評価の両面において、社員エンゲージメントの向上に加え、顧客・取引先との関係深化が新規契約創出につながる好循環を確認した。第三に、その取り組みの独自性・応用性として、伴走型データドリブン運営や金融界における生成AIガイドライン執筆など、技術面・産業面双方で先進性と波及効果が認められた。第四に、成果の持続性の観点においては、横断プロジェクト拡大、ダッシュボード民主化、人材高度化という明確な次期ロードマップにより、取り組みが一過性に終わらず発展し続ける構造が評価ポイントとなった。最後に、実行難易度とステークホルダーの巻込みの観点から、全社横断ガバナンスと100 名規模の内製化体制を築いたことは、金融機関のデータ活用として極めてハードルが高い取り組みであると評価した。

以上より、本取組みは「戦略・組織・基盤・人材・文化」を同時に設計し、「マーケティングから社会課題解決まで」のバリューチェーン全域を対象に、「経営層・現場・顧客・業界コミュニティ」を巻き込む——という三層すべてで“包括的”に機能している点が際立っている。金融データ活用のあるべき姿を先取りし、確かな実績と持続可能な成長モデルを兼ね備えた本取組みは、FDUAアワードの理念である「金融データ活用の高度化による業界発展」に最も合致するものと認め、大賞を授与する。

データ活用賞/信金中央金庫

■全国145信用金庫を結ぶ共同データ基盤「しんきんDB」で信用金庫業界のDXを牽引

信金中央金庫は、信用金庫業界が抱えてきた「コスト・人材・データ量」の壁を打ち破るため、全国の取引データを一体管理する共同データ基盤「しんきんDB」を構築した。同庫がデータを集約・分析し、顧客ニーズを可視化する EBMソリューションや事業者の信用度を算出する 信用スコアリングAI といったアウトプットを各信用金庫へ提供する仕組みにより、規模の大小を問わず高度なデータ活用が日常業務に定着している。分析結果はExcelで還元されるため専用システムは不要、料金も業界水準を大幅に下回る設定とし、導入ハードルを徹底的に引き下げた。

プロジェクトは「しんきんイノベーションハブ」を中核に、データ分析・基盤構築・ビジネス設計の三領域を少人数で起動。若手職員をデータサイエンティストとして育成し、3年でサービスをリリースした後も15名体制で機能改良とユーザー支援を機動的に回している。導入数は2024年末時点で145信用金庫に拡大し、全国信用金庫のうち半数超が導入している。効果測定ではEBMを積極活用する職員の申込獲得件数が従前比48%増と示され、「顧客との会話の質が向上した」「若手育成に役立つ」といった現場の声が業界内で口コミ的に広がっている。

共同化による低コスト運用、大量データで磨かれた分析精度、ユーザー要望を即時反映する内製体制が相まって、地域金融機関のDXを現実的な手段で下支えするモデルを提示した点はきわめて先駆的である。今後はマイカーローン予測スコアなどの追加機能や、営業推進・信用リスク管理領域への拡張、さらには異業種とのオープンイノベーションも計画されており、データベースの価値を業界全体へ還元する取り組みが一段と加速する。

「しんきんDB」は、信用金庫が単独では到達しづらい高度データ活用を業界横断の連携で実現し、地域金融の生産性向上と顧客サービスの質的向上を同時に達成した。金融データ活用による業界発展というFDUAアワードの理念を体現する取り組みとして、データ活用賞を授与する。

データ活用賞/株式会社八十二銀行

■DWH×AI・生成AIで地域金融を革新するデータ活用エコシステム

八十二銀行は、2019 年に全社データウェアハウス(DWH)を稼働させて以来、「DWH×AI」を旗印に銀行データを一元管理し、AI モデルを内製化して業務へ組み込んできた。2023 年には全行員向け生成 AI 環境「82 Copilot」を地銀として先駆けて導入し、2024 年末時点で 47 の AI モデルが稼働、行員の半数以上が生成 AI を日常的に活用している。こうした取り組みにより、カードローン残高の V 字回復や不正取引の早期検知、モニタリング業務の高度化など収益・リスク管理の両面で実績を上げるとともに、生成 AI の活用で年間 11,000 時間の業務削減を見込むなど、定量・定性の効果を明確に示した。行内ではデータリテラシー研修や AI 研修を通じて期待感とスキルが醸成され、本部各部門から AI 活用の相談が急増。AI 審査を用いた「はちにのビジネスネットローン」は顧客利便性を大幅に高め、外部への「八十二グループ AI ポリシー」公表は利用者の安心感を高める結果となっている。

取り組みの独自性として、システム部を推進エンジンに据え、基盤と AI、生成 AI を一体で運用する体制を構築した点が際立つ。加えて、共通の仕様であるDWHを利用する7行(じゅうだん会)と早期からノウハウを共有し、年1回の「AI サミット」などで情報を水平展開する仕組みは、FDUA が掲げる「ノウハウの横展開・人材育成」に合致し、地域金融全体に波及効果を生んでいる。セルフチェックで判明したガバナンス課題に対しては、半年で AI 開発プロセスを標準化し、AI ポリシーを策定して公開するなど PDCA が機能しており、次段階として「DWH×生成 AI」に領域を拡大するロードマップも示されている。少人数から始めて 10 名規模へ拡充した多様な専門チームが、週次ミーティングで DX 部や営業企画部と連携し、外部講演や社外採用にもつなげる推進力を備えている点は実装難易度の高さを物語る。

以上のように、八十二銀行の取り組みは基盤整備、AI・生成 AI の実装、ガバナンス、人材育成、ノウハウ共有を一気通貫で回すエコシステムとして機能しており、地域金融の枠を超えて業界全体の水準向上に寄与している。データ活用で経営課題を解決しつつ、他行展開と人材育成で業界を牽引する姿勢は、FDUA アワードの理念に最も合致すると認められ、データ活用賞を授与する。

データ活用賞/株式会社りそなホールディングス

■銀行特化型 AIサービス「Data Ignition」で業界共創を加速

株式会社りそなホールディングス(以下、りそな)は、データ起点の新サービス創出を掲げ、自行で業務効果を実証してきた学習済み AIモデルを銀行業務支援ツール「Data Ignition」として 2024 年12 月に公開した。利用金融機関は自行データを投入するだけで、住宅ローンや積立商品の購買ニーズを高精度にスコア化したマーケティングリストや、融資契約書解析などのアウトプットを即時に取得できる。りそな行内では高スコア帯の成約率がランダム抽出比で数倍に伸長した例が確認され、すでに他行でも採用が始まっている。

本サービスは、銀行内で培った AIモデルをそのまま外部提供できる形に昇華し、各行で重複していたモデル構築・運用の負担を大幅に削減した点が高く評価された。アジャイル手法で企画立ち上げから約1年という短期間でリリースに至った開発体制も先進的であり、学習済みモデルを「すぐ業務へ」適用できる仕組みは国内金融界では稀有である。今後は新機能を順次追加し、多数行がタイムリーに活用できる環境を整備する計画が示されており、サービスの持続性と波及効果を裏付けている。

データ利活用は「共創」によって大きなインパクトを出せる領域であり、りそなが培ったデータサイエンス知見を金融デジタルプラットフォームへ発展させ、業界全体の生産性向上と地域経済活性化に寄与する本取り組みは、まさにFDUAアワードの理念である「金融データ活用の高度化とノウハウ共有による業界発展」を体現するものと認められ、データ活用賞を授与する。

特別賞(地域貢献) /株式会社伊予銀行

■“先読みデータ”で地域企業を守り抜く四国発・予測型伴走モデル

株式会社伊予銀行は、円安・物価高が続く厳しい地域経済下で「取引先の変調を、発生前から察知する」ことを目指し、マーケット指標と個社財務を結び付けた予測エンジンを独自に開発した。外部から取得する為替・資源価格・金利などのマクロデータを、約40 万通りの回帰モデルで1社単位に落とし込み、資金繰りや収益圧迫のタイミングと幅を自動算出。結果は営業店へリアルタイム配信され、行員が訪問前に「どの指標がいつ響くか」を把握して提案できる仕組みである。

 発足からわずか10か月で実装にこぎ着け、配信アラートを起点に4000件超の融資・コンサル案件を創出。資金需要を先回りして手当てしたことで、地域企業の資金繰り悪化や投資機会逸失を未然に防いだケースが相次いだ。営業推進(攻め)とリスク統括(守り)が6名の横断チームを組み、リスク視点の精度と営業現場の機動力を両立させた点も行内外から高く評価され、ビジネスモデル特許も取得している。

成果を地域全体へ波及させる動きも加速している。グループ各社の顧客情報を統合する「グループダッシュボード」を整備し、銀行・リース・カードなどの横串で得たインサイトを共有。さらに「いよぎん広告サービス」を自前で立ち上げ、地域商圏に最適化したターゲティング広告を提供することで、販路開拓や売上拡大まで支援範囲を広げている。

これら一連の取り組みは、① マクロ環境の揺らぎを個社レベルの“予兆”へ翻訳し、② データを根拠に伴走資金と経営アドバイスを届け、③ グループ横断プラットフォームで地域中小企業の販路と成長機会を拡張するという三層で地域経済を底上げしている点が際立つ。

金融機関が培ったリスク解析と営業ネットワークを、データサイエンスで再構築し地域貢献へ結実させた本プロジェクトは、地方創生に資する金融データ活用の先進事例であると認め、特別賞(地域貢献) を授与する。

特別賞(人材育成)/株式会社クレディセゾン

■データ推進組織によるデータ活用文化の醸成とデジタル人材育成モデルの構築

株式会社クレディセゾンは2021年、わずか4名で発足したデータ分析チームとデータ可視化チームから成るデータ推進組織を3年で 20 名規模に拡大し、分析・可視化・リサーチ・エンジニアリングを担うマルチスキル人材を自前で育成してきた。

Tableauライセンスを全社へ配布し、約3700人のデータ可視化を推進。社内データを用いた独自学習コンテンツ「Tableau Skill Belt」や半期制の実践講座「デジタル認定制度」を開発するなど、多角的な取り組みを通じてデジタル人材を育成、データ活用文化の醸成を実現している。

データ分析チームは Python/R を使用し、機械学習モデルによるカード入会審査手続きの簡素化や不正利用検知の高度化など、ビジネスインパクトの大きい成果を次々に創出。成功事例を社内外へ発信し、データ活用を「特別な仕事」から「誰もが挑む標準業務」へ引き上げた。こうした環境が社内のキャリア志向を刺激し、異動希望者が増加。新卒採用も開始され、組織は持続的なタレントパイプラインを確立しつつある。さらに、高度なTableau能力を持つ人材が各部門に存在する“部門 CoE”構想を立ち上げ、対応スピードの向上、各部門の自走を促進する取り組みも進めており、今後も長期にわたって成果が期待できるものと評価される。

このように、内製プログラム・現場実装・社内外アウトリーチを連鎖させた人材育成モデルは、金融業界におけるデータ活用文化醸成の先進事例と言える。学びを業績貢献と組織文化変革の両輪で回し続ける取り組みは、金融データ活用を支える人材育成として特筆すべき取り組みと評価し、特別賞(人材育成)を授与する。

特別賞(人材育成)/三井住友ファイナンス&リース株式会社

■内製BIプラットフォーム構築を通じた実践的なデータ活用人材の育成

三井住友ファイナンス&リース株式会社は 2021 年にデータマネジメント部を中心としたコアメンバーでプロジェクトを発足し、部門横断 40 部署を巻き込みながら、社内BI 基盤「Intelligence Hub」を完成させた。散在していた社内外データをクラウド DWH に集約し、検索性の高いデータカタログと共にワンストップで提供することで、200 超のレポートをBI化、年間 1,800 時間の作業を削減し、レポート利用率を従来比9倍に押し上げた。

本取り組みを支えるのは、利用者を徹底的に意識したプラットフォーム構築に加え、それを活用する人材育成の仕組みである。

内製プラットフォーム構築の3か年のプロジェクトの最終年度を「データ活用推進」期間と位置づけ、社内のデータ活用人材の育成までを念頭に置き、遂行に着手。基盤構築後BIツールやSQL等、様々なデータ活用研修を全社員対象に展開し、直近1年間で社員の 80 %が受講し、結果として、部門横断のデータ活用にまで発展している。

こうした仕組みは部門の壁を越えたデータ活用を加速させ、営業部門ではマーケット分析レポートに基づいた業務の高度化・均質化、リスク管理部門ではグループ企業判定ツールによる権限違反の防止など、自走型の業務改革が次々に誕生している。

さらに、FDUA リース Meetup での事例共有等を通じて、金融業界における人材育成モデルとして高い評価を獲得した。

内製 BI 基盤と体系的な育成プログラムを両輪で回し、「データ活用は特別な人の仕事」という固定観念を打ち破った本プロジェクトは、金融業界における人材育成の新たな指標となる。学びを実務成果と組織文化変革に結び付ける取り組みとして特筆すべきと評価し、特別賞(人材育成)を授与する。

以上

参考:FDUA標準化委員会<https://www.fdua.org/activities/standardization

◇本リリースに関するお問い合わせ先

一般社団法人金融データ活用推進協会(FDUA)

事務局 E-Mail:staff_office@fdua.org

◇金融データ活用推進協会(FDUA)について

金融業界におけるデジタル化が急速に進む中、業界・各社の発展および個人のスキルアップに貢献することを目的として、金融機関の実務目線に立って、AI・データ活用の推進に取り組むため、金融機関とAIスタートアップなどが集まり発足しました。(会員数:360社 ※2025年5月時点)

金融データ活用推進協会(FDUA)_ロゴ

名称:一般社団法人金融データ活用推進協会(FDUA)

代表理事:岡田 拓郎

設立日:2022年4月25日

住所: 〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町1-8-1

URL:https://www.fdua.org/

お問い合わせ先:staff_office@fdua.org

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URL
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業種
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本社所在地
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電話番号
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代表者名
岡田 拓郎
上場
未上場
資本金
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設立
2022年04月