書籍『サステナビリティ SDGs以後の最重要生存戦略』発売。
東京書籍株式会社は2023年7月に書籍『サステナビリティ SDGs以後の最重要生存戦略』を発売いたしました。
“サステナビリティを飾りではなく実践する上での手引書” 名和高司氏、推薦!
脱炭素、SDGsなどの動きが、企業の経営環境を一変させつつある。この変革のただなかにある世界で、社会と企業が生き残るための最重要戦略、それが「サステナビリティ(CSV、サステナビリティ経営)」。
本書では、サステナビリティ・コンサルティングの第一人者、水上武彦が、その基本となる理論と概念枠組みから説き起こし、経営にサステナビリティを実装する方法を具体的に解説。先進的実践事例の紹介と図版多数。ネスレ日本、WWFジャパンへのインタビューも収録。
サステナブルな企業活動によって営利を創造したい経営者、そして、SDGsがいまひとつ腹落ちしていないすべてのビジネスパーソンへ。著者が満を持しておくる必読の書。
“「企業活動を向上させる」ために、サステナビリティに取り組むのではない。企業は、「目指す世界を実現する」ために、サステナビリティに取り組む必要があるのだ。”
水上武彦(本書「序章」より)
一橋大学大学院国際企業戦略研究科(ICS)客員教授 名和高司氏、推薦!
“サステナビリティを飾りではなく実践する上での手引書”
「序章|SDGsが本質的に目指しているもの」より抜粋
SDGsが本質的に目指す世界を実現するには、政府の取り組みが重要だが、経済活動の主体であり、環境・社会問題の直接的原因となっている企業の行動変革も欠かせない。
昨今は、「サステナビリティ/ESG(環境・社会・企業統治)の取り組みを通じて企業価値を向上させる」論調がある。もちろん、それは実現すべきものだが、本質的には、「企業価値を向上させる」ために、サステナビリティに取り組むのではない。企業は、「目指す世界を実現する」ために、サステナビリティに取り組む必要があるのだ。……
……企業活動の目的も「利益を追求する」ことから、「社会に価値を生み出すこと=目指す世界の実現に貢献すること」になりつつある。そうしたパラダイムシフトが進みつつある。「企業が利益を追求する」パラダイムにおいては、「利益につながるか?」、「企業価値を向上させるか?」が経営の判断軸だった。そのため、サステナビリティについても、「サステナビリティは儲かるのか?」、「サステナビリティは企業価値を向上させるのか?」という問いがなされてきた。
新しいパラダイムでは、企業活動の目的は「目指す世界の実現に貢献すること」で、それは企業が取り組むべきサステナビリティそのものである。この新しいパラダイムでは、「サステナビリティは、取り組まなければならない」もので、「取り組むのが当たり前」のものだ。問うべきは、「サステナビリティは儲かるのか?」ではない。これが、既存の制度、市場を前提にしていてNOだと、サステナビリティに取り組まない、最小限必要なことだけ取り組むとなってしまう。必要な問いは、現在の資本主義の枠組みの中では、企業は儲けることが求められるという現実も踏まえ、「SDGs/サステナビリティを儲かるようにするには、どうすれば良いか?」だ。そこにNOという答えはない。……
本書は、主に企業向けの内容となっている。「目指す世界の実現」に向けた経済システムの変革に向けては、経済システムの中心的な役割を担う企業の行動が変わることが必要だ。しかし、企業が、SDGsが本質的に目指す世界を理解し、自らそこに向かっていければ良いが、企業は、顧客、株主・投資家、従業員など、多くのステークホルダーの期待に応える必要があり、顧客ニーズに対応し、利益を上げ、従業員に報酬を提供しなければならない。そのため、現在の企業活動を大きく変えるのは、容易ではない。企業の行動を変えるには、ルールを作る政府、その政府に影響力を持つ市民、商品・サービスの市場を創る消費者、資本市場を形成する投資家などが、企業活動を「目指す世界の実現」へと近づく方向に持っていくようにする必要がある。……
本文 中面サンプル
目次
序章 SDGSが本質的に目指しているもの 007
第1章 戦略的にSDGSに取り組むために理解すべきコンセプト 021
コラム1-インタビュー 嘉納未来/ネスレ日本株式会社
「長期視点と社員の参画がCSVのカギを握る」 100
第2章 SDGSを実現する経営のあり方 109
第3章 SDGS課題と解決策の結節―SDGS17ゴールへの具体的取り組み 205
コラム2-インタビュー 東梅貞義/WWFジャパン
「日本では、先進企業事例を輩出することが大事」 300
第4章 SDGSを超えて、いかにサステナブルな世界を実現するか 309
あとがき 344
著者プロフィール
水上武彦(みずかみたけひこ)
シェアードバリュー・コンサルティング合同会社代表、一般社団法人CSV開発機構副理事長。
富山県氷見市出身。東京工業大学・大学院、ハーバード大学ケネディースクール修了。
運輸省(現国土交通省)で、日米航空交渉、航空規制緩和などの主要航空政策を担当した後、アーサー・D・リトルで、製造業のイノベーション戦略などを推進。2009年以降は、クレアン、PwCおよび現職にて、サステナビリティ・コンサルティングに従事。社会価値と企業価値を両立するCSVを軸に、サステナビリティ経営全般について、幅広い経験・知見を有する。
著書には、『CSV経営 社会的課題の解決と事業を両立する』(共著、NTT出版、2013年)などがある。ブログ「水上武彦のサステナビリティ経営論」ほか、サステナビリティに関する論考多数。
<概要>
『サステナビリティ SDGs以後の最重要生存戦略』
■著:水上武彦
■定価:1,980円(税込)
■四六判・352頁
■発行・発売:東京書籍株式会社
https://www.tokyo-shoseki.co.jp/books/81690/
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