アクリス×ARTnews JAPANアート展「私たちを織りなすすべてのもの」。国内外で活躍のアート・プロデューサー山下有佳子氏がキュレーションする5人の現代アート作品が集結
100周年を迎えたアクリスの始まりは、企業家精神にあふれた女性、アリス・クリームラー=ショッホが地元の女性たちのために作ったエプロンでした。以来アクリスは世界中の「目的を持つ女性たち(Women with Purpose)」を称えるために服作りを続けています。さらに現クリエイティブ ディレクター アルベルト・クリームラーは、アートや建築に造詣が深く、これまで数々のアーティストや建築家とコラボレーションしたコレクションを発表してきました。
本アート展では、アクリスとアートメディア『ARTnews』の日本版である「ARTnews JAPAN」のコラボレーションのもと、国内外で活躍するアート・プロデューサーで、かつアクリスが掲げる‟Women with Purpose“を体現する山下有佳子氏を迎え、アクリスの哲学を起点としたテーマで、現代アートをご紹介しています。
第2回のテーマ「Everything weaving us / 私たちを織りなすすべてのもの」は、山下氏がアクリスのエレメントでもあるエンブロイダリー(刺繍)やホースヘアなどのクラフツマンシップに感銘を受けて掲げられたもの。「humanity(人間性)」と「vernacular(土着性)」をコンセプトに様々なストーリーが織りなす、5人のアーティストによる作品を展示しています。
山下有佳子氏によるコメント
「布」や「編み込むこと」は、Akris、そしてアルベルト・クリームラーのデザインにとって重要なエレメントです。
「Reimagining the Values」の第2回となる本展では、布や編み込まれたものに内包される地域性や歴史性、そして人間性について、カナダ出身のアーティストであるカプワニ・キワンガ(Kapwani Kiwanga)、 メキシコ出身のアーティストであるクラウディア・ペニャ・サリナス(Claudia Peña Salinas)、そして日本のアーティストとして伊藤存、遠藤薫、川人綾の計5名の作家の作品を通して見つめていきます。
カプワニ・キワンガ、クラウディア・ペニャ・サリナス、遠藤薫は、特定の地域やその歴史についてのリサーチをもとに人類学や社会学、建築などの視点を交えて作品を制作します。また、伊藤存、川人綾は、人間の目には見えない動きや、光のように触れることのできないものを通して、私たちや私たちが生きる世界の構造について表現します。
この世界はあらゆる事柄や情報が複雑に絡まり、編み込まれ、形作られています。本展がその中から本当に大切なものを選び、手繰り寄せるきっかけになれば幸いです。
――アート・プロデューサー 山下有佳子
展示作品について
遠藤薫
土地の歴史や文化、生活についてのリサーチをベースに、インスタレーションを制作しています。出展作は、2020年に青森公立大 国際芸術センター青森にて発表された作品を再構成したものです。画家の山下清の「みんなが爆弾なんかつくらないで きれいな花火ばかりつくっていたら きっと戦争なんて起きなかったんだな」という言葉を起点に、古い着物などから津軽裂織で仕立てたパラシュートと映像は、過去の出来事と現在が繋がっていることを想起させます。
伊藤存
知覚の外にある世界と人の内的な世界との関係を模索する伊藤は、生き物や風景が融合するイメージの刺繍作品で知られています。出展作は、認識の外にある生物、事物、現象に目をむけ、それらと自己との関係を探るプロジェクト「生き物調査」に関連した作品です。表面には、自然の中の風や人の意思、情緒のように見えないものや動きが表現されています。
川人綾
染織色を学んだ過去と、神経科学者の父の影響から、ある種の錯覚を伴う作品を制作しています。画面をグリッド状に分割し、一つ一つを丁寧に塗り分けてゆくことで生み出されるイメージは様々な色の糸で織られた布のようでも、デジタルサイネージのようでもあります。機械的とも思える単調な作業が、川人という人間を通すことで、唯一無二の表現になるのです。
カプワニ・キワンガ
周縁化された歴史について、それらの背景にある構造や象徴的な物事を強調する作品を制作します。出展作は、大西洋の奴隷貿易に関する作品です。当時は、人々が布に様々なマークを描き、逃亡する奴隷に危険や安全を知らせていました。本作に描かれた黒い四角は安全に休息できる場所を意味しています。また、布はそうした記憶を想起させる大西洋の海水と顔料で染色されています。
クラウディア・ペニャ・サリナス
土地の文化や生活、建築様式等へのリサーチを通して、かつての文明や文化における土地と営みの関係性を作品化します。出展作は、長野県に滞在した際に制作されたもので、真鍮フレームと長野で採取した石が組み合わされています。真鍮のフレームは、障子などに見るような日本建築におけるフレームのあり方を参照しており、日本における自然と生活の相互関係を想起させます。
Photo: Kaori Nishida
山下有佳子(アート・プロデューサー)
1988年、 京都で茶道具商を営む家庭に生まれる。 慶應義塾大学卒業後、ロンドンのサザビー ズ・インスティチュート・オブ・アートにてアー ト・ビジネス修士課程を修了。サザビーズロンドン中国陶磁器部門でのインターンを経て、サザビーズジャパンにて現代美術を担当。主にオークションの出品作品集め、及び営業に関わり、ヨーロッパのオークションにおける戦後日本美術の取り扱い拡大に携わる。2017年から2022年までアートギャラリー「THE CLUB」マネージングディレクター。2022年より「Art Collaboration Kyoto」プログラムディレクターを務め、京都市成長戦略推進アドバイザー(アート市場活性化担当)就任。京都芸術大学の客員教授も務める。
『ARTnews JAPAN』は、1902年に米国で誕生した世界最古のアートメディア『ARTnews』の日本版として、2022年1月に創刊。オンラインメディアでは、US版の翻訳記事やアート市場のインサイトやオークション速報など、アート×経済の最新動向を伝えるほか、ジェンダーや気候変動などの社会課題に対するアートを通じた発信、文化とアートをつなぐ最新事例の紹介など、日本独自企画を制作し、発信しています。
概要
アートエキシビション by Akris × ARTnews JAPAN
Reimagining the Values Vol. 2
「Everything weaving us/ 私たちを織りなすすべてのもの」
会場:Akris Salon(アクリス サロン)
東京都千代田区内幸町1-1-1 帝国ホテルプラザ1階
会期:2023年8月3日 - 9月3日
時間:11:00 - 17:00
入場料:無料
※会場にてアクリス公式LINEに友だち追加いただいた方全員に、オリジナルキーチャームのギフトをご用意しています。すでに友だち登録いただいている方も対象です。数に限りがありますので、なくなり次第終了となります。お一人様一点限り。
※内容は予告なく変更されることがあります。
Akris Salonについて
創業100周年を記念し、2023年1月、東京 日比谷 帝国ホテルプラザ1階に期間限定でオープンしたポップアップスペース「Akris Salon(アクリス サロン)」では、約1年間、アクリスのブランドのアイコンをテーマにしたエキシビションやアート展など、100周年を祝う、さまざまなイベントを開催しています。
Akrisについて
アクリスは、1922年にスイスのザンクト・ガレンに創業した国際的なファッションブランド。クリエイティブ ディレクターのアルベルト・クリームラーが創り出す洗練されたエフォートレスなコレクションは、ビジネスをはじめ社会のあらゆる分野で活躍する「Women with Purpose - 目的を持つ女性」を魅了し続けています。創業から3世代にわたり家族経営を続けてきたこのファッションブランドは、その革新的で良質なダブルフェイス生地、新境地を開いたザンクト・ガレン エンブロイダリー、先駆的なフォトプリント技術で名声を博します。
アルベルト・クリームラーは、2004年からパリコレクションでコレクションを発表、高い評価を得ています。また、アクセサリーコレクションも充実。希少なモンゴル産のホースヘアを使ったAiバッグやコレクターズアイテムとして人気の高い芸術的なフォトプリントのスカーフなどがあります。
アクリスのコレクションは、世界の主要都市にあるブティックのほか、全世界300以上の販売拠点で販売されており、アンジェリーナ・ジョリー、ニコール・キッドマン、ミシェル・オバマ、モナコ公国のシャルレーヌ王妃など世界の舞台で活躍するセレブリティから愛されています。
公式サイト:https://jp.akris.com/
公式Facebook:www.facebook.com/AkrisJapan
公式Instagram:www.instagram.com/akrisofficial/
公式YouTube:www.youtube.com/user/AkrisOfficialChannel
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