東京モーターショー2017、“電動化”に製造系エンジニアの注目集まる

~「燃料電池自動車」よりも「電気自動車」、「先進運転支援システム(ADAS)」より「自動走行システム(ADUS)」に関心~

株式会社メイテック

エンジニアのためのキャリア応援マガジン「fabcross for エンジニア」は、製造系エンジニア2264人を対象に、「第45回東京モーターショー2017」に関する意識調査を実施しました。
東京モーターショーに対して興味を持っている製造系エンジニアの割合、製造系エンジニアが注目している技術テーマなどについて調べてみました。
【TOPICS】
  • 第45回東京モーターショー2017、製造系エンジニアの53.7%が「興味ある」。40.3%は前回よりも「興味ある」
  • 興味ある技術は「電気自動車」(56.5%)、「ハイブリッド自動車」(44.9%)、「自動走行システム(ADUS)」(43.6%)、「先進運転支援システム(ADAS)」(36.5%)が上位となり、前回と顔ぶれが変わる
  • 「世界的に急激に電動化へシフト、実態を把握したい」「完全自動運転、民生用でどこが最も早く実現するのか」などに注目
  • 「数年後、あの展示がエポックメイキングであった」と言われるモーターショーに

【調査背景】
fabcross for エンジニアは、前回(2015年)の東京モーターショー開催期間中、製造系エンジニアを対象に東京モーターショーに対する興味、注目している技術テーマなどを尋ねてみました。
 
今回は第45回東京モーターショー2017の開催を直前に控えたこの時期に、前回同様、東京モーターショーに対するエンジニアの興味・関心を調査しました。

【調査結果サマリー】
◇第45回東京モーターショー2017、製造系エンジニアの53.7%が「興味ある」。40.3%は前回よりも「興味ある」

・第45回東京モーターショー2017に興味がある(「非常に興味がある」「やや興味がある」の合計)製造系エンジニアは、53.7%だった。
 



・前回の東京モーターショー(以下、東京モーターショー2015)開催期間中に実施した調査では、興味を示した製造系エンジニアの割合は62.5%(「既に行った」(6.5%)、「非常に興味がある」(24.5%)、「やや興味がある」(31.5%))だった。

・前回の東京モーターショー2015と比べて今回の東京モーターショー2017に興味がある(「非常に興味がある」「やや興味がある」の合計)と回答した製造系エンジニアは40.3%。「前回と変わらない」は43.1%だった。
 


・回答者の業種別に前回との興味を比較した結果は次のとおり。「自動車関連/輸送機器関連(航空機を除く)」「電気・電子機器関連/電気機械器具設計」などの業種で、前回よりも興味を示す製造系エンジニアが多かった。

・回答者の職種別に前回との興味を比較した結果は次のとおり。特に「研究・設計・開発系(機械)」などの職種で働く製造系エンジニアは、前回よりも興味を持っていることが分かった。



◇興味ある技術は「電気自動車」(56.5%)、「ハイブリッド自動車」(44.9%)、「自動走行システム(ADUS)」(43.6%)、「先進運転支援システム(ADAS)」(36.5%)が上位となり、前回と顔ぶれが変わる

・「第45回東京モーターショー2017」に興味があると回答した製造系エンジニアを対象に、どのような技術テーマに興味があるかと複数回答可の形式で質問してみた。製造系エンジニアは「電気自動車」(56.5%)、「ハイブリッド自動車」(44.9%)、「自動走行システム(ADUS)」(43.6%)、「先進運転支援システム(ADAS)」(36.5%)、「スポーツカー」(33.6%)などに興味を示した。


・マツダの次世代エンジン「SKYACTIV-X」、ヤマハ発動機が開発した傾斜して旋回する3輪以上の車両「リーニング・マルチ・ホイール(Leaning Multi Wheel)」を挙げた製造系エンジニアもいた。

・今回とは異なり自由回答形式で最大3つまで、前回調査時(2015年11月)にも興味がある技術を聞いた。その結果は「自動運転」(48.8%)、「燃料電池自動車(FCV)」(31.2%)、「電気自動車(EV)」(10.3%)、「ハイブリッド自動車」(7.2%)となっていた。


・回答者の業種別に興味がある技術テーマを集計した結果は次のとおり。「電気・電子機器関連/電気機械器具設計」の製造系エンジニアは、「自動走行システム(ADUS)」(50.5%)や「先進運転支援システム(ADAS)」(45.4%)に興味を示す傾向があった。
また「IoT/コネクテッドカー/車車・路車・歩車間通信(V2X)」については、「情報通信機器関連」(43.8%)や「情報処理関連/ソフトウェア開発・運用」(34.1%)の製造系エンジニアで興味を持つ人が多かった。

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・回答者の職種別に興味がある技術テーマを集計した結果は次のとおり。「研究・設計・開発系(機械)」の製造系エンジニアは「デザイン/空力」(28.9%)、「研究・設計・開発系(電気)」では「センシング技術」(28.9%)、「研究・設計・開発系(ソフトウェア)」では「自動走行システム(ADUS)」(57.1%)や「IoT/コネクテッドカー/車車・路車・歩車間通信(V2X)」(33.0%)、「研究・設計・開発系(化学)」では「燃料電池自動車」(43.3%)や「環境技術」(23.9%)に興味を示す傾向があった。

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◇「世界的に急激に電動化へシフト、実態を把握したい」「完全自動運転、民生用でどこが最も早く実現するのか」などに注目

それぞれの技術について、どのような点に興味があるかと自由回答形式で詳しく聞いてみたところ、次のような回答が寄せられた。

【電気自動車】
・世界的に、急激に電動化へシフトしているが、その実態を把握したい
・電気自動車への世の中の移行がどの程度本格的か気になる
・電動化の開発ペースが上がるか。どのような素材が使用されるのか
・電気自動車で言うと充電方法の変化や省エネ技術、暖房用の熱源確保の方法など
・EV をベースフレームとして国内外に提供する会社もある中、EV対応各社の差別化がどのように図られるのか

【ハイブリッド自動車】
・ハイブリットの最新動向
・ハイブリッド技術は世界的に今後どうなっていくのか
・ハイブリッドやEV、燃料電池車の燃費と走行性能
・どこまでエコな車ができるのか、ハイブリッド自動車のエアロスタイル

【自動走行システム(ADUS)】
・自動運転関連の技術が現在どのレベルまできているのか、今後の見通しについて実際に見てみたい
・完全自動運転技術についてどこのメーカーが最も先端を行っているのかと、民生用でどこが最も早く実現するのかが興味深い
・自動運転を実現させるための根幹技術とその周辺技術にどんなものがあるのか
・自動運転や安全関連の技術についてどのようなシステムを元にして行われているか興味がある
・自動運転はどこまで安全にコントロールできるのか。交差点でのコントロール、飛び出しなどの突発事においてのコントロールはどうか
・僻地(へきち)においての自動運転バスの実現性

【先進運転支援システム(ADAS)】
・人間が主体となって運転するものを支援する形での、運転支援システムが、どこまで進歩しているか
・運転支援機能の機能や方向性を知りたい。長距離運転時や街中での危険回避に対する技術動向、市販車のリリース時期、価格などに興味がある
・自動運転には興味はないが、運転をアシストしてくれる機能にはおおいに関心があります。事故を起こさないためのアクティブセーフティは新聞でも注目されていますが、パッシブセーフティにも関心があります
・お年寄りでも安全に運転できること
・人間のミスによる事故が無くなってほしい

【スポーツカー】
・昔のようなスポーツカーブームが来てほしい
・復活の兆しがあるスポーツカーのデザイン
・往年の名車(スポーツカー)とのコンセプトの違い
・趣味性への取り組み。運転が楽しくなるかどうか。運転が楽になれば良いという考え方も一理あるが、人間がそれに依存し過ぎれば、運転技術の低下と安全に対しての認識が薄くなる。 運転は楽しい前提でのあくまでも補助機能としてどのような進化を遂げていくのかに興味がある

【燃料電池自動車】
・新しい燃料電池の技術に興味ある
・本当に、燃料電池が実用化されるか?
・電気自動車や燃料電池自動車の航続距離について。
・個人的には「燃料電池車」が現時点で最も地球に優しいエネルギーと思っているが、世の中は電池車に集中している。電池を作るエネルギーやリサイクルを考えると、本当にエコなのか疑問である。この辺りがチェックできるか、興味がある
・全体的な傾向として、世界標準となりそうなEVに対して燃料電池車の立ち位置をメーカーがどのように位置づけるのか

【デザイン/空力】
・かっこいいデザインの車を見たい
・デザインの繊細さとインパクトの兼ね合いが見ものです。
・デザイントレンドや、燃費を良くするための空力
・先進技術に触れるとともに、デザインのトレンドを知りたい
・最近になって各メーカーらしいデザインの車が出てきたのでこれからはどうなっていくのか興味がある。
 
【エンジン】
・新世代エンジン
・高性能なエンジン
・内燃機関の構成
・新しい技術、ロータリーエンジンの進化
・SKYACTIV Xの技術

【センシング技術】
・各社のセンシング技術を見たい
・センシング技術の進展具合と自動運転の実現性
・センシング技術が自動運転にどのように寄与しているのか
・センサー情報や、ネットワークからの情報をどう活かしていくのか
・車載カメラがどのように使われるか、興味がある
・何を計測するためにどんなセンサーを使っているのか、また、そこから得られた情報をどうやって動作に反映させるのか

【クリーンディーゼル車】
・ディーゼル車の進歩を見たい
・クリーンディーゼルの燃費改善
・化石燃料車からの脱却が進む中、ディーゼルエンジンがどのように環境に配慮するか
・ハイブリッド車や電気自動車に比べ、クリーンディーゼルをどこまで許容できるのか
・クリーンディーゼルはヨーロッパでは適用できなくなるようですが、実質は困難なように思われ、どこまでクリーンディーゼルが歩み寄れるのかが見どころ

【IoT/コネクテッドカー/車車・路車・歩車間通信(V2X)】
・コネクティッドがどこまで進んでいるのか
・自動車に関するネットワークを利用した便利なIoTの展望や実現状況に興味がある
・様々な接続先が増加する中での、新しい使われ方やセキュリティ技術
・自動運転技術やコネクテッドカーに関する技術。AI技術との融合でこの先どのような展望があるのか気になります
・全車の情報を集約して渋滞情報やその他の必要な情報を共有できるようなシステム


◇「数年後、あの展示がエポックメイキングであった」と言われるモーターショーに
最後に、第45回東京モーターショー2017に対して、意見・期待を聞いた。主な回答として、次のようなコメントがあった。
 
【東京モーターショーへの期待】
・未来感たっぷりの先進技術の競演となるようなモーターショーを期待しています
・日本発の技術やトレンドを世界に発信し、業界をリードするショーになってほしい
・日本の自動車技術で、世界をリードしてほしい。産業を牽引するために
・数年後に、あのときの展示がエポックメイキングであったと言われるような会を期待する
・若い頃に比べワクワクするような車に出会ってないので是非ともワクワクするような車に出会いたい
・実用主義の車ではなく、デザイン、空力に優れた、夢のある美しい車がたくさん展示されているとうれしい

【東京モーターショーへの励まし・苦言】
・世界的に見ても東京モーターショーの立ち位置が低下しているので大きな話題を提供してほしい
・未発表の車を多くみたいけど、今は海外のショーのほうにみんな力を入れているのが悲しい
・年々展示内容に見るものがなくなっているので、各メーカーの奮起を期待したい
・年々派手になり過ぎてるような。主役の車よりその周辺の催しが主になって、客を呼び寄せることを目的としてる感じでしょうか。 イベントとしての価値はありますが、車好き、メカ好きにとってはもっと突っ込んだことを知りたいのだが、そういうことがじっくり出来ない感じがするのは自分だけなんだろうか?
・海外のメーカーはすでに中国に重心を置いて出品しているが、せめて国内メーカーは自国のショーぐらいはお金を掛けて盛り上げて欲しいです。最近はオートサロンの方が盛り上げっていて東京でモーターショーをやる意味が無くなってしまっているのではないかと心配です

【電気自動車に注目】
・年代ごとにテーマがあると思うが、今年のモーターショーはエネルギーの内容がとても重視されていると思う。特に欧州が考えているEVが各社からどのくらい出るかなど、見てみたい
・日本がEVで遅れているので、巻き返しが期待される

【完全自動運転に注目】
・自動運転等技術が毎年進歩しているので、これからも目が離せない
・昔夢の様に抱いていた自動運転技術がいよいよ実現に向けて進んでいます。この先10年の未来がどのようなものになるのか、垣間見られるとうれしいです


【調査概要】
調査方法:ネットリサーチ
期間:2017年9月25日~10月2日
対象:製造系エンジニア2264人

期間:2017年10月5日~9日
対象:「第45回東京モーターショー2017」に興味があると回答した製造系エンジニア1000人

--メディア関係の皆様へ---
本調査データはご自由にご活用ください。
記事での紹介・引用時には、エンジニアのためのキャリア応援マガジン「fabcross for エンジニア」調べ、など、調査元を明記ください。
Webサイトでご紹介いただく際は、下記の記事にリンクを貼っていただけると幸いです。
http://engineer.fabcross.jp/archeive/170926_cae_tool.html

グラフデータは【プレスリリース画像一覧】からダウンロードいただくか、上記の記事URLから取得ください。より大サイズのグラフをご希望でしたら、メイテック広報部 三宅(kouhou@meitec.com)までお問い合わせください。
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【メイテックグループについて】
メイテックグループは、エンジニアのキャリアを支援することを事業コンセプトに、設計・開発から、解析・評価、設計補助まで、幅広い業務領域に対応したエンジニアによる技術サービスを提供しております。

グループで、約9,000名の正社員エンジニアが働いており、取引先は大手製造業を中心に、常時1,200社以上、延べ4,000社以上の取引実績があります。

社名:株式会社メイテック
設立:昭和49年(1974年)7月17日
代表者:代表取締役社長 國分 秀世
本社所在地:東京本社/〒107-0052 東京都港区赤坂8-5-26 住友不動産青山ビル 西館
Tel:(03)5413-2600(代)
資本金:50億円(2017年3月31日現在)
株式:東証1部(No.9744)
売上高:899億79百万円(グループ連結:2017年3月期)
社員数:7,132名(2017年3月31日現在)
営業拠点:東京・名古屋・大阪など国内主要都市33拠点
取引先:株式1部・2部上場企業および優良中堅企業約1,200社
事業内容:
1)研究開発
2)設計・開発
3)解析・試験・評価
労働者派遣事業許可番号「派 23-301659」

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代表者名
國分 秀世
上場
東証1部
資本金
50億円
設立
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