日本人の優秀な学者やエンジニアが中国の軍拡の手伝いをしている。『日本復喝!~中国の「静かなる侵略」を撃退せよ~』刊行
おそるべき「千人計画」の全貌を白日の下にさらす
「復活」ではなく「復喝」である。日本にカツを入れている。
佐々木氏の文章はテンポが速く、読みやすいが、文体に熱気が籠められている。愛国心からくるパッション。だから書いてある中身は暗鬱な状況報告だが、読んでいて元気がでてくるのだ。
直近でも7月31日にトランプ大統領はTikTokの使用禁止を大統領専用機のなかで言いだし、命令書にサインするとした。政府職員が政府が支給する通信機器においてはTikTokの使用禁止であり、一般ユーザーともいきなり遮断する訳ではない。
しかし個人データが中国に集約される懼れがあり、国家安全保障上重大な懸念があるからだ。
TikTokの親会社は中国のバイトダンス、すぐさま米国子会社を完全に分離してマイクロソフトか、ファンドへ売却するとした。
この重大ニュース、日本でも大きく報じられてはいるものの、多くは無関心である。ファーウェイもOPPOも、ともかく中国のスマホがまだ日本で売られている。
中国の日本侵略は静かに巧妙になされたかとおもえば、公然とした恐喝があり、軍事的威嚇になり、とんでもない開き直り、その強弁、詭弁、詐弁のかずかず。しかしまだ中国の騙しに引っかかっている手合いが多い。騙されていることに気がつかないほど、日本人の戦後の平和惚けは脳幹を壊した。
イタリアも似たようなものだった。
気がつけば中国人が不法滞在を含めて40万人、武漢コロナは忽ちイタリア全土に感染を広げ、いまではアジア人とみると、「中国へ帰れ」と怒鳴られる。日本人は間違えられやすいので、日の丸バッジを付けて歩くべし。
日本へ来る中国人観光客が激減したのは大いに結構なことではないのか。
インバウンドの現場は悲鳴を上げている。旅行代理店各社は、日本政府の推進する「GO TO」キャンペーンでV字回復を狙ったものの感染がまた増えて、この計画も破産寸前だ。
さて、本書は様々な手法、手練手管で日本に浸透している中国のあくどさ、悪さを指摘しているが、もっとも重要な中国の手口のひとつが甘言、高給など特別待遇で引っかける「千人計画」の存在である、とする。
「日本人も例外ではなくリクルートされている」と佐々木氏は声を大に警告する。日本からの「頭脳流出は、中国による『静かなる侵略』を利する、利敵行為になりかねない」と。
中国の公文書にしっかりと書かれている文言は「世界中の英才をあつめて起用する」と、露骨に目的がのべられている。本書145ページに写真入りで紹介されている。
「ハイレベル人材の訪中を奨励し、一般人材は制御し、低レベル人材は制限する」。
なんとも露骨であけすけな差別だろう。役に立たないエンジニアなど要らないと明言しているのだ。
「外国ハイクラスレベル人材は中国の経済社会発展のために早急に必要な科学者、科学技術分野の優秀な人材、国際起業家、専門的な特殊人材等」であり、永久居住証や数次ビザが発給される。破格の待遇を受ける。
A、B、Cにランク付けがあり、対応のやり方も細かく、相手によってなされている芸の細かさがある。
そしてどうなったか。
現物の資料やフロッピーがなくとも、頭脳のなかに貯蔵された知識、ノウハウ、そして膨大なデータへのアクセスが可能となり、中国はいとも簡単に西側が巨費を投じて開発し、育て、訓練し、優秀な頭脳に仕立て上げた人材、その巨費を投入してきた研究開発の成果を人材ごとごっそりといただくことになる。臓器狩りではない、「頭脳狩り」だ。
武漢からチャーター便が五次にわたり、帰国した日本人の大半がエンジニアだったことをわすれないほうが良いだろう。
メルマガ「宮崎正弘の国際情勢解題」より
■著者プロフィール
佐々木 類(ささき・るい)
1964年、東京都生まれ。早稲田大学卒業。産経新聞・論説副委員長。
大学卒業後、産経新聞に入社。事件記者として、警視庁で企業犯罪、官庁汚職、組織暴力などの事件を担当。地下鉄サリン事件では独自の取材網を駆使し、オウム真理教を刑事・公安両面から追い込むなど、特ダネ記者としてならす。
その後、政治記者となり、首相官邸、自民党、野党、外務省の、各記者クラブでのキャップ(責任者)を経て、政治部次長に。
この間、米紙「USA TODAY」の国際部に出向。米バンダービルト大学公共政策研究所日米センターでは、客員研究員として日米関係を専門に研究した。
2010年、ワシントン支局長に就任。その後、論説委員、九州総局長兼山口支局長を経て、2018年10月より論説副委員長。
尖閣諸島・魚釣島への上陸、2度にわたる北朝鮮への取材訪問など、徹底した現場主義を貫く一方で、100回以上の講演をこなし、論説委員時代には、読売テレビ「たかじんのそこまで言って委員会」に出演するなど、産経新聞屈指の論客として知られる。
著書に『静かなる日本侵略』『日本が消える日』(ハート出版)、『日本人はなぜこんなにも韓国人に甘いのか』『DJトランプは、ミニ田中角栄だ!』(アイバス出版)、『新・親日派宣言』(電子書籍)、共著に『ルーズベルト秘録』(産経新聞ニュースサービス)などがある。
■書籍情報
書名:日本復喝! ~中国の「静かなる侵略」を撃退せよ~
著者:佐々木 類
仕様:四六判・並製・256ページ
ISBN:978-4-8024-0104-3 C0031
発売:2020.08.10
本体:1,500円(税別)
発行:ハート出版
書籍URL:http://www.810.co.jp/hon/ISBN978-4-8024-0104-3.html
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像